髙橋ひかる、映画「おそ松さん」から続いたコメディー作品で学んだこと――「村井の恋」インタビュー【後編】2022/05/17
TBSで今春スタートした新しい深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」(火曜深夜0:58)の1作目「村井の恋」は、電子コミックサービス・LINEマンガ限定レーベル・ジーンLINEにて好評連載中で、「次にくるマンガ大賞2019」webマンガ部門で2位に輝いた同名漫画を原作にしたドラマ。
乙女ゲームの“推し”キャラクターに本気で恋をする教師と、その教師に恋をして猪突猛進にその感情をぶつける男子生徒の恋愛模様を描いたノンストップ・ラブコメディーで、主人公・田中役を務めるのは、「俺のスカート、どこ行った?」(日本テレビ系)や、映画「おそ松さん」に出演するほか、バラエティー番組「スクール革命!」(日本テレビ系)の準レギュラーなどあらゆるジャンルで活躍する髙橋ひかるさん。
今回は髙橋さんに、撮影でのエピソードはもちろん、推しキャラや最終回に向けての見どころを存分に語っていただきました。短い時間にも関わらず髙橋さんのトーク力により盛りだくさんな内容となったインタビューの後編をお届けします。(前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1533414/)
「宮世さんとは胸キュンじゃなくて、胸“ギュン”シーンにしようね!って」
――本作で村井(宮世琉弥)はグイグイアプローチをしてくるタイプですが、ときめいちゃうなと思うシーンはありましたか?
「村井が『3秒だけください!』と言って田中をハグするのですが、ギューッと苦しくなるまで抱きしめて、離れた後は満足そうな笑みを浮かべるんです。そこは年下男子好きにはたまらないシーンになってるんじゃないかな。数ある胸キュンシーンの中でも特に心が動かされた場面です」
――それはキュンとしてしまいますね! もともとグイグイくるタイプは得意ですか?
「ここまで積極的なのはちょっと怖いなと思っていました。作品中、村井にもやばいなって思うシーンがあるのですが(笑)、撮影を経て、こんなに真っすぐ思いをぶつけて自分を思ってくれる人がいるってなんて幸せなんだろうとも思えるようにもなりました」
――宮世さんとは初共演かと思いますが、印象はいかがでしたか?
「第一印象は、“大人っぽい”でした。18歳とお聞きしていたので、高校生らしさがあるんだろうと思っていたら、見た目も中身もすごく大人でびっくりしました。宮世さんは自分のことを『コミュ力おばけ』とおっしゃっていたのですが、本当にその通り! みんなをすごく笑顔にしてくれるし、常に周りのことを考えてくれます。不器用でちょっと変なところとかは、村井に似ているのかも(笑)」
――撮影中はどのように過ごしていましたか?
「よくふざけ合ってましたね! 『胸キュンじゃなくて“胸ギュン”シーンにしようね!』って言い合いながら。笑いもありつつ、真剣に思いを伝えるようなシーンの撮影前は意見を出し合いながら楽しんで撮影していました」
漫画の実写化は「いいあんばいを狙って」
――田中を演じるにあたり、監督からはどんな指示を受けていましたか?
「田中は通称“鉄子”と呼ばれる役で、感情が表に出ない人だと思われがちなのですが、実はそうではなくて、自分が傷つくのを避けるために人と関わるのを最小限にしたい人。そんな田中のちょっと乙女な一面が出てしまうシーンを撮る時は、監督から『彩乃さん』って下の名前で呼ばれるんです。監督がどういう演出をしたいかによって呼び名を変えてくださるので、方向性が分かりやすくて新鮮でしたし、面白い現場でした」
――お芝居のテンションも切り替えやすそうですね! 宮世さんには監督から「“武士わんこ”になってほしい」とリクエストがあったと伺いました。
「私もインタビューのために撮影を振り返っていたら、“武士わんこ”ってキーワード出てきました! 監督がずっと言い続けていたのですが、最初は『武士わんこってなんやねん!(笑)』って思っていました。でも、全部終わってみたら、監督の言っていたことがよく分かるなと。村井は本当に独特なキャラクターですし、真っすぐだからこそ出てしまう変態チックな一面が特に難しい役どころだと思います。『ほっぺたをかんで、そしゃくしたい』というセリフがあるのですが、そんなこと普通は思わないし、言わないですよね(笑)。そういうぶっ飛んだシーンの撮影前には、宮世さんと話し合うことも多かったです」
――村井の役柄しかり、本作は本当に突き抜けたコメディーですよね。
「そうですね。実は初めてコメディーに挑戦させていただいたのが、Snow Manの皆さんと共演した、映画『おそ松さん』だったのですが、それと立て続けに本作への出演が決まったんです。コメディー要素は共通していますが、映画で演じたトト子は田中とは全く違うキャラクター。田中の場合は自分から行動を起こしていかなきゃいけない役だったので、最初はどうしようかと悩んでいたのですが、田中のとっさに出る動きが気持ち悪かったりする部分が私に似ている気がして、少し楽になりました。マネジャーさんからもよく『動きが気持ち悪い』って言われるんです(笑)」
――髙橋さんのかれんな姿からは想像もつきません…(笑)。コメディー作品で難しいと感じた部分はどこでしょうか?
「テンポがいい作品なので、そのテンポに合う表情や動きを感情とともに出すのはなかなか難しくて、同時に面白いなと思った部分でした。監督からは『もうちょっとキレ良く!』とアドバイスをいただくことが多かったので、そこはかなり意識しました」
――印象に残っているコメディーシーンはありますか?
「ビールを噴き出すシーンが印象的でした。原作にもあるシーンで、絶対実写でもやってほしいと思っていたので、ちゃんと入っていてうれしかったです。今まで何かを口から吹き出すなんてしたことなかったです、それもあんなにきれいに(笑)。個人的にはかなり新鮮で楽しかったです。撮影前には“毒霧”で検索して、きれいな吹き出し方を調べてお風呂場で練習しました!」
――コメディーを2作品ご経験されて、大事だと思ったことはありますか?
「とにかく吹っ切ること。オーバーにやってみて、そこから調整するのが大事だと感じました。オーバーにやったところからさらに増幅することもありましたが、やり過ぎない方が面白くなるシーンもあるので、あんばいを考えながらいろいろチャレンジさせていただきました」
――漫画を実写化するにあたり、監督と話し合われたことはありますか?
「漫画の静止画ならではの表現を、映像としてどこまで落とし込むかを監督とかなり相談していました。『この顔はやりたいけど、やったらラブコメじゃなくなってしまうよね』とか。面白さとときめきのいいあんばいを狙っていたので、それを皆さんにどう受け取ってもらえるかドキドキしていました」
――では最後に、最終回に向けて後半のお薦めシーンを教えてください!
「漫画自体が名シーンだらけで、ドラマではそれを抜粋しているので好きなシーンばかりなんですが、私は山門由希(浅香航大)推しなので、第7話(5月17日放送)のキャンプで頭ポンポンされるシーンがお気に入りです。原作ファンの方々にも大歓喜していただけるシーンになっていると思います。私は数ある胸キュン動作の中でも“頭ポンポン”が好きすぎて、浅香さんに『2回目のポンの温かみが大事なので!』とお願いしちゃいました(笑)。ほかにも、村井くんの思いがあふれ出て行動に出ちゃうシーンではもちろん胸キュンしてもらえると思いますし、この2人の恋がどんどんヒートアップしていくところを楽しんでもらえたらうれしいです!」
――ちなみに、宮世さんは「村井を推しって言ってくれないと嫌いになっちゃうかも…」と冗談でおっしゃっていました(笑)。
「それは現場でも言っていました(笑)。私が山門推しということは現場で何回も宣言しているので、それを聞いた宮世さんが『それはしょげるわ〜。山門先生にはかなわないもん』って。それぐらい私が言いすぎたんですね、反省です(と、楽しそうに撮影を振り返る髙橋さん)。神視点で見たら山門推しですが、村井の真っすぐさに心を動かされないのは無理だと思います。そんな真正面から向き合ってくれる村井くん、大好きです!(笑)」
撮影では短い時間にも関わらず、くるくると表情やポーズを変えながらいろいろな表情を見せてくれた髙橋さん。カメラマンと息を合わせてテンポ良く動いている様子から、モデルとしても活躍されている風格が現れていて、撮影後にはカメラマンもこっそり感嘆の声を漏らしていました。記者も出来上がった女神のような写真を見て思わず声が…(笑)。インタビューでも限られた時間の中で次々とエピソードを披露していただき、前・後編にわたるロングインタビューとなりました。
【プロフィール】
髙橋ひかる (たかはし ひかる)
2001年生まれ。滋賀県出身。14年「第14回全日本国民的美少女コンテスト」にて、81,031の応募の中からグランプリを獲得し芸能界入り、その透明感からすぐに数社のCM起用が決まる。16年、映画「人生の約束」で俳優デビュー。17年にはNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」でドラマデビュー。その後も話題作への出演が続き、俳優のほか、モデル、ラジオ、YouTubeなど幅広く活動。 22年、映画「おそ松さん」、WOWOWオリジナルドラマ「青野くんに触りたいから死にたい」ではそれぞれヒロインを好演。夏には初舞台初主演作・NHKみんなのうたミュージカル「リトル・ゾンビガール」(日生劇場)への出演が控えている。
【番組情報】
「村井の恋」
TBSほか
火曜 深夜0:58〜1:28
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
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https://twitter.com/TVGweb/status/1526496292809023488
【締切】2022年6月13日(月)正午
取材・文/ TBS担当 A・M 撮影/尾崎篤志
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