田中刑事が現役引退を発表。「競技という枠を超えて、演じていきたい」2022/05/06
4月11日に自身のTwitterで現役引退を発表した田中刑事さんが、4月29日、「プリンスアイスワールド2022-2023 in YOKOHAMA『Brand New StoryⅢ』~Our Compass~ 横浜公演」(神奈川県・KOSÉ新横浜スケートセンター)の終演後に記者会見を行いました。
会見場に現れた田中さんは「思っていた以上に記者さんがたくさんいるので緊張していますが…」と照れ笑い。そして、あらかじめ書面にしたためてきた、引退のあいさつを読み上げました。
「引退を決断したのは、昨年の全日本選手権のフリーを終えた後です。全日本選手権は納得のいく演技ができなかったので、達成感があったわけではありませんが、ここで区切りをつけようと思いました。思うような競技成績を残すことができず悔しいシーズンでしたが、自分の中で新たな目標を立て、競技生活に未練なく、次のスタートを切ろうと思うことができました」
田中さんはその新たな目標の一つとして、小さい頃からの夢であった「指導者になること」を挙げ、現在、兵庫県・ひょうご西宮アイスアリーナで長光歌子コーチと淀粧也香コーチの下、アシスタントコーチとしてコーチ業を学んでいることを明かしました。そして、「これまでの経験を通して、スケートの楽しさや技術を伝え、さらに選手の成長にとって必要なことは何かを考え、一人一人に真摯(しんし)に向き合っていきたいと思います」と意気込みを語りました。
そして、もう一つの目標である「プロスケーターになること」については、「これまで競技人生を通して多くのプログラムに出合い、それを演じる中でさまざま自分に出会うことができました。プログラムを通して新たな自分を発見することに楽しさを覚え、さまざまな曲に挑戦するようになりました」とコメント。特にその思いを強くした作品として、町田樹さんの「継承プロジェクト」第1弾の「Je te veux」と、昨年5月に開催されたアイスショー「LUXE[リュクス]」で演じた「ナルシス(Miroir-鏡-)」を挙げ、「競技人生を終えた後も演じることを続けたい、競技という枠を超えて演じたいと強く思うようになりました。コーチとしての活動とプロスケーターとしての活動の両立は大変難しいことだと覚悟しております。しかし、自分の思いを体現できるように努力していきます」と話しました。
最後に田中さんは、これまで指導を受けたコーチたちや全国のスケートリンクの関係者、日本スケート連盟のスタッフ、友人、スケーターの仲間たち、応援してくれたファン、両親らにあらためて深い感謝の気持ちを伝え、「皆さまのおかげで幸せな競技人生でした。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします」と結びました。
プロスケーターとして、コーチとして新たなスタートを切った田中さんの挑戦を、これからも応援しましょう!
撮影/麻生えり
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