速水もこみちが全国を駆け巡る「頂!キッチン」がいよいよスタート!「食べてもらう瞬間が一番ドキドキしちゃいます」2022/04/08
4月9日からABCテレビにてスタートする「速水もこみちの食材探求ロードムービー『頂!キッチン』」。俳優の速水もこみちさんが、キッチンカーを自ら運転して依頼のあった生産者や自治体のもとへ。そこで出会った人たちと触れ合う中で受けたインスピレーションから、地元の食材を使った“速水流オリジナル絶品メニュー”を生み出す姿をロードームービー式に届ける新感覚のグルメ番組です。
速水さんが訪れる場所は全国津々浦々。その季節、その場所でしか食べられない食材を使ってどんな料理が作られるのかが大きな見どころの一つです。放送目前となったここでは、速水もこみちさんのインタビューをお届け。情報番組「ZIP!」(日本テレビ系)の料理コーナー「MOCO’Sキッチン」をはじめ、現在では自身のYouTubeチャンネル「M’sTABLE」でも料理の魅力を最前線で届けている速水さんに、番組でやってみたいことやロケでのエピソード、さらには相手への思いやりの心が詰まった“料理へのこだわり”などをたっぷりと伺いました。
「 “プロ”たちからおいしいと言ってもらえるのは何よりもうれしい」
――すでに収録もされているというお話を伺っているのですが、感触はいかがでしょうか?
「ものすごく楽しかったですね。番組ロケで地方に行ったりすることはありますけど、今回は自分で運転しながら旅をするのですごく新鮮でしたし、景色を見て期待も膨らみつつ、生産者の方などとお会いしてお話ができました。振り返ると、すてきな人たちと話が盛り上がって勉強にもなりましたし、素晴らしい食材で料理もできたので楽しかったです」
――今回はキッチンカーで移動して料理を魅せるという、速水さんのイメージにはない新しい形かなと思います。
「実はキッチンカーの中ではまだ作っていないんですよ。ちょっと自分の体が大きすぎるのもあって…(笑)。でも、キッチンカーで仕込めるものは仕込むし、一応道具とか調味料は積んであるんですよ。キッチンカーからいろいろ道具とか机とかを取り出して、それをセッティングして始まるという感じなんです」
――番組で行ってみたい地域や気になる食材があれば教えてください。
「食材については、よく市場に行ったり買い物にも行くんですけど、例えばその時季にしか取れない珍しいものや、分からない食材があったりするので、そういうのを探し回ってみたいなとは思いますね。どこに行きたいかと言われると、せっかくキッチンカーに乗っていろいろな人たちと会うんだったら、やっぱり端から端まで回りたいなっていうのが正直あります。日本全国一周ぐらいできたら面白いんじゃないかなぁと思っています」
――番組では人との触れ合いもテーマになってくると思いますが、生産者の方々とお話されて感じたことはありましたか?
「普段から精肉店に行って、生産者の方や販売員の方たちに聞いたりすることに慣れているので、自然な形でお話ができてよかったです。あと、僕が料理をやっていることも知っていただけているので、あちら側としても話しやすいみたいで。だから『この食材で何かお願いしますよ』『何か面白いアイデアないですか?』みたいなところから始まるんですよ。そういうのってなかなか他の人とはできないと思うんですよね。お互い食を知っている者同士でのちょっとした話もできるので、そういうところもほかの番組にはないような気もしますし、また新しいんじゃないかなと思います」
――実際に速水さんの料理を試食された方たちの反応はいかがでしたか?
「自分自身もサプライズが結構好きだったりするんですけど、やっぱり料理をやっている人たちは皿をお出しする瞬間と食べてもらう瞬間が一番ドキドキしちゃうというか。もちろん相手のことを考えて思いを込めたひと皿にはなるんですけど、どうしても食べてもらう瞬間っていうのは、作る側からしたらすごくドキドキするところなんですよね。でも最終的に完食もしてくれるし、喜んでもらえてうれしかったです。今までは料理をやってきて、1人で作って食べてコメントして、みたいな感じが意外と多かったから、同業者に食べていただく機会ってほとんどなかったんですよ。食材のことをちゃんと理解して育てている“プロ”たちからおいしいと言ってもらえるのはなかなかないと思うので、何よりもうれしいですよ」
料理にのめり込んだ“幼き思い出”と見る人を楽しませる“こだわり”
――今回、番組タイトルにもある「ロードムービー」(旅行記)に合わせて、これまでの速水さんの料理にまつわるお話も伺えたらなと思います。芸能生活の中で、料理をすることで環境が変わってきたと感じることはありますか?
「役者は役者でその良さがあるんですけど、個人的には全く別物だと思っていて。そもそものコミュニケーションの取り方が違うというか、料理や食べ物っていうのは必ず生活の中で取り入れなきゃいけないものなので、食を通して今まで出会わなかった人たち、お話できなかった人たちとの和が広がりましたよね。もともと小さい時から(料理が)好きでしたけど、環境を変えてみたかったというのもあったので、ちょっと料理をやってみようかなというのはあったんです。だから環境は大きく変わりました」
――ターニングポイントのようなものはありましたか?
「やっぱり情報番組じゃないですかね。8年ぐらいやっていたんですけど、1800以上のレシピを一から自分で作っていたので。実はどこか飽き性な部分があって、『これもやってみたい、こんなのも挑戦してみたい、こういうのも集めてみたい』と1本に絞れないというか。別にマニアでもないですけど、結構趣味が多いんですよ。いっぱいアンテナを張っていたことが、そこまで続けられたことにつながったのかなと思います」
――速水さんにとって料理はいつ頃からから身近な存在になったのでしょうか?
「小さい頃に『料理の鉄人』を見て、余った食材を使って見よう見まねで作ってみたんです。カルボナーラをよく作っていて、それが最初うまくできなくて失敗して悔しい思いがあったから、それで好きになれたというのもあると思うんです。スマホなんて持っていないし、料理本なんてなかったので、独学でスタートしました。とにかく作って作って作っていくうちに、気付いたら「俺できてるじゃん」みたいな。もうリズムですね。音楽聴くのと一緒で、体が覚えてそこから自然と好きになっていったというか」
――体に染み込ませていくような…?
「そうですね。パスタをゆでるのは知っているんだけど、お湯を別に沸かしてゆでるっていう考えが最初はなかったから、ソースを作ってもソースにそのままパスタをぶっ込んじゃったり、ベチャベチャなものになっちゃったり、そういうのがあったんですよ。『うまくないな、気に入らないな』みたいなのがずっと続いていて、やっていくうちに気付いたらできるようになっていた。たぶん、一つのことにすごく集中しちゃうので、とことんやり込んじゃうんだと思います」
――カルボナーラは、“速水さんの思い出の一品”なんですね。
「うーん…なんで肉じゃがとかじゃなくてカルボナーラを作ったんだろう。別に大してはやってもいなかったんですけどね。そこら辺から変わってるんですよ(笑)。小学校低学年で急にパスタ作り始めるっていう。まぁ僕はイタリアで育ってるのでしょうがないんですけど。フィレンツェで生まれてローマで育ったんですよ…なんで笑ってるんですか?(笑)」
――(笑)。情報番組のコーナーでも1800ものレシピがあったということですが、こだわりなどはあったのでしょうか?
「それまでは、自分のレシピというものをあまり披露したくなかったんです。でも、自分の中で気持ちに余裕もできてきたし、『ちょっとやってみたいな』っていうタイミングで、ありがたいことに(コーナーが)できたんです。そうしていく中で、これは永遠のテーマだと思うんですけど、どうしても香りがなかなか伝わりづらいところがあったのでそこは苦労しました。あとは、時間帯的に朝ということもあったので、“華やかなものにしよう”というのはずっとこだわっていました。もちろん視聴者の方からのリクエストもあったから1800品も続けられたのもあると思うんですけど、とにかく見た目のインパクト、華やかなものっていうのは意識しますね。味はもちろん当たり前ですけど、色味や見た時の驚きだったり、新しい発見があるようにこだわっていました」
料理を通じて変わった“周囲の反応”とは?
――最近ではYouTubeチャンネル「M’s TABLE」の方でも料理動画を投稿されていますよね。個人的に「APE飯」(オンラインゲーム「APEX」のキャラクターをイメージした料理を作る企画)が好きで…。
「『APEX』やられてるんですか? 仕事してください(笑)」
――気を付けます(笑)。「APE飯」についても、結構見た目が重視されてるのかなと思うのですが。
「そうですね…でも『APE飯』に関しては、そのキャラに見合った食材とかちょっとトンチを利かして何かをうまく掛け合わせて料理を作っているんです。どちらかというとちょっとシンプルめですね」
――そもそもYouTubeでも料理動画を投稿・配信しようと決めたきっかけはあったのでしょうか?
「自分自身、実はYouTubeをずっと見ていたので、何か面白いことできないかなっていうのと、一足先にちょっとやってみたいなと思って、あまり意識しないで楽しいもの、おいしいものを作りたいという思いが強かったんです。これも不思議なことに、いいタイミングでYouTubeが作ることができたんですよね」
――視聴者からの反応はどう捉えていますか?
「コメントとかはもちろん見ますよ。いろいろなコメントがありますけど、みんな人それぞれだと思うんです。でも間違ったものを作っていないと思っているので、一つの感想として真摯(しんし)に受け止めています。今まで見てきたもの、それこそ旅で見てきたこととか、海外で取材させてもらったこと、番組で行かせてもらったこと、そういった自分が見てきたものをアレンジして料理にしているんです。なかには『なんだこれ』みたいなことを言う人もいるけど、『これって本当にあるんだよ!』ということを伝えたいので、あまり気にしていないかな」
――自分のやりたいことをやりたいようにやっていくというスタンスなんですね。
「そんなにぶっ飛んだことはやらないですけどね(笑)。でもありがたいことに、クレームみたいなものはないんですよ。むしろ、全然知らない人からスーパーで「こういうのを作りました!」と言ってもらえたり、男性の方から『好きな人に作ってあげたんですけど、喜んでくれました。ありがとうございます!』みたいに言われるのはやっぱりうれしいですよね。『今晩、私何作ったらいいんでしょう?』みたいなことも言われたことがあって、『旬の食材で何か作ってみたらどうですか?』みたいな。今まではなかったんですけど、話し掛けやすくなったみたいで、その影響がやっぱり大きいですよね」
「本当に旅している気持ちを感じてもらえたらなと思っています」
――では、あらためてこの番組をどういう番組にしていきたいか意気込みを教えてください。
「やっぱりその土地ならではのおいしい食材、珍しい食材もあったりするので、『こういう食材がありますよ!』というのをまずはお見せしたいです。“食と旅”の番組なので、旅先での出会いだったり、何かを見つけていく楽しさ、それこそ食材を探すシーンのアドリブ部分もあったりするので、本当に旅している気持ちを皆さんにも感じてもらえたらなと思っています。あと、生産者の方とか漁師さんのお話がすごく勉強になるんですよ。僕らは今当たり前のように食べ物を食べるけど、『こうして育てられているんだ』『こんな形で販売しているんだ』みたいな情報が結構あるので、面白いと思います。一緒に話しながら盛り上がっているところを見てほしいな」
――“食を通じての会話”が見どころの一つになると。
「そうそうそう。ただ取材に行っているだけじゃないから、それが見どころになっていくという感じです。あとは、僕がキッチンカーに乗っている姿が見える、これは今までにないですよね。『もこちゃんドライブしてます』っていう、ちょっと隣に乗ってる気分を味わえますよ。もう37歳なんですけど(笑)。とにかく食を通して楽しい番組作りをしているので、本当に幸せな気持ちになれるというか『これ食べたい、ここの場所に行きたい、これ作ってみたい』と思っていただけるような番組になっていると思います」
【プロフィール】
速水もこみち(はやみ もこみち)
1984年8月10日生まれ。東京都出身。獅子座。B型。2002年俳優デビュー。ドラマ「ごくせん」(日本テレビ系)をはじめ、「緊急取調室シリーズ」「もしも、イケメンだけの高校があったら」(ともにテレビ朝日系)、「バイプレイヤーズ ~名脇役の森の100日間~」(テレビ東京系)、「結婚できないにはワケがある。」(ABCテレビほか)などに出演。また、自身のYouTubeチャンネル「M’s TABLE」(https://www.youtube.com/c/mocomichihayami)でも精力的に動画をアップしている。
【番組情報】
速水もこみちの食材探求ロードムービー「頂!キッチン」
4月9日スタート
ABCテレビ
土曜 午後1:28〜2:00
※放送終了後、TVerで見逃し配信あり
取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/尾崎篤志
キーワード
この記事をシェアする