「おっさんずラブ-in the sky-」で千葉雄大が感じた変化。「言われたことをやるんじゃなくて、もっと自分から投げてもいいんだ」2019/12/21
田中圭さん主演でおっさん同士の恋模様を描く「おっさんずラブ-in the sky-」(テレビ朝日系)も、いよいよ本日12月21日の放送が最終回。春田創一(田中)を巡って巻き起こる恋のバトルは果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか!? 今回は、春田が思いを寄せる相手、成瀬竜を演じる千葉雄大さんにインタビュー! ここまで「おっさんずラブ~」に出演されてきての感想、出演をきっかけに自身に起きた変化や恋愛観などを、盛りだくさんでお届けします。
──まずは、ここまで成瀬竜というキャラクターを演じてきていかがですか?
「第1話などで演じた成瀬と比べると、変わっている部分は大きくあると思います。それは計算していたとかではなくて、やっている中での空気感だったり、田中圭さんをはじめとするキャストの皆さんが出してくれたものという感覚です」
──変化が生まれたことで、成瀬のどのような部分が出てくるようになりましたか?
「最初はやっぱり壁があったというか…。特に春田さんに対してはそうだったと思うんですけれども、第3話のラストからは徐々にその感情も変わっていって。人付き合いが苦手なキャラクターの中に見える不器用なかわいらしさや、意外に素直な部分というのが出てきたのかなと」
──なるほど。きっかけは何だったのでしょうか?
「第1話の撮影が終わった後に、圭さんからポロっと『緊張してたでしょ?』と言われたんですが、本当にその通りで…。でも、最近は自分と成瀬の中での垣根みたいなものがなくなってきたなと。『成瀬だからこうしなきゃ!』みたいな感じがなくなってきて、楽しいです。恋愛の話でも、圭さんとかにいろいろと話を聞いてもらった時に『それ成瀬じゃん!』って言われることが結構あったので、割と似ているところはあるのかもしれません。僕はもうちょっと策士ですけどね!(笑)」
──ご自身と重なってきている部分も出てきているんですね。「おっさんずラブ」シリーズに出演されて、意外に思った部分や学びはありましたか?
「こんなにもちゃんと自分の演技を切り取ったり、すくい上げてくれるんだなということが多々あって。本当に楽しいんですよ。何をやってもいいというわけではないですが、初めは自由ってちょっと怖いなと思っている部分があって。ただ、奥の奥まで突きつめていった時に出てくる気持ちとかを、あらためて自分で見返してみると、自由の良さ楽しさが分かるようになりましたね」
──千葉さんの中で転機になるような作品だったんですね。
「この『おっさんず』の世界から出た時に、次の作品が楽しみでもあり、どうなるんだろうというような…。これまでは、言われたことに対して自分はどう返すかというようなことを考えてやってきたんですけど、自分からもっと投げてもいいんだなって」
──自分から投げる、というのは…?
「30歳になるにあたってのインタビューの際に、周りの皆さんからたくさんのコメントをいただいたんです。その中で『千葉くんは自分で主張してもいいと思うし、つかみたいものがあるんだったら、自分でつかみに行く作業をした方がいいんじゃないか』という言葉をもらって。それで『おっさんずラブ』に入って、少しだけこういうことなのかな…というのが分かった気がして」
──意識の面で大きな変化があったんですね。ストーリーとしては、第一印象で抱いた「おっさんずラブ」のイメージから変化はありましたか?
「読み物として読んだ時と、演じてみて感じることが結構違っていて。一つ一つのシーンに深く考えさせられるテーマがありますし、やってみる前に“こうだ”と思ったことが、実際にやってみると全く違ったり…。例えば、第5話で春田からキスされた成瀬の構え方とかは、台本を読んだ時のイメージと実際では全然違いました。そういったライブ感がある作品ですよね」
──恋愛ドラマとしての側面については、どのようなことを感じましたか?
「恋愛って、分からなくないですか?(笑)。チャラついている人が恋愛上手かと言われると分からないですし、そういう人ほど本当に誰かを好きになった時に不器用だったり…。恋愛は正解がないし、なんで好きなんだろうって考えた時に、理由があることもあれば、理屈じゃなく好きなこともあって。『おっさんず』はそういう意味で、傷つけたり反対したりではなく、恋愛をストレートに突き詰めている作品だと思います。ファンタジーなのかもしれないけど、むしろ現実的なような気もしていますね」
──では、第8話まで演じられてみて感じた「おっさんずラブ」が伝えたいメッセージは何だと思いますか?
「(監督の)瑠東(東一郎)さんはよく、『愛の話やから』っておっしゃるんです。圭さんとか見てても思うんですけど、具体的に言葉にはしなくても誰かに訴えかけることがあるというか。そういったところを見てもらって、少しでも社会が優しくなったらいいなと。僕はむしろ『おっさんず』は社会派ドラマなんじゃないかと思っています」
──なるほど。数多くのファンがいる作品だと思いますが、ファンの皆さんの反応をどう見ていましたか?
「『そういう捉え方もあるんだ!』のように、ネットではさまざまな見方があって。面白いなって思いながらエゴサーチしていました(笑)。あとは、好きなシーンの絵とかを書いてくださる方もいて。そういうのを見るのは癒やされますよね」
──そんなファンの皆さんに、千葉さんから“作品を見返す時にはここに注目!”というシーンはありますか?
「見直す時は、戸次重幸さんが演じる四宮(要)さんに対する成瀬に注目してほしいですかね。今思えばそういうことだったのか…というシーンなどもあると思うので。最初は四宮さんにズケズケ言ったり、春田さんへの思いを後押しすることもありましたが、今思えば…ね(笑)」
──なるほど(笑)。では、四宮の話も出たところで、成瀬ではなく千葉さん視点では、どのキャラクターと恋をしたいですか?
「四宮さんに対しては、年上なんだけどじれったいのが『もう!』ってなるというか(笑)。そういう意味でほっとけないのも分かるんですけど、春田さんと一緒にいる時は話を聞いてもらったりして甘えつつも、『おい、コラ』みたいなテンションでも言い合えるんです。楽しいし、僕は一緒にいるなら春田さんがいいかな…」
──春田はやはり特別な存在なんですね。
「成瀬と春田さんとの関係は、最初は嫌いに近かったような気もします。徐々に触れていく中で、人間愛じゃないですけど、春田さんみたいな人がそばにいてくれたら救われるなというのは、成瀬も感じていたと思うし、僕自身も強く感じましたね」
──吉田鋼太郎さんが演じる黒澤武蔵キャプテンはどうでしょう?
「キャプテンは…どうなんだろう(笑)。でも、かわいいですよね。もちろん成瀬といる時はそういう感じじゃないですけど、春田さんといる時のキャプテンは純粋でかわいいなって思います。なので、ちょっと好かれてはみたいかな」
──キャプテンから成瀬への恋心はなかったですもんね。
「そうですね、そこはちょっと残念。でも、第6・7話とかでは一緒に動くシーンがあって。居酒屋やバッティングセンターなどに一緒に行ったんですけど、楽しかったですね」
──続編があれば、成瀬とキャプテンの恋路も楽しみにしていますね! では、最後にファンの皆さまへ見どころとメッセージをお願いします。
「最後は、なんて言うんでしょう…。予想がつかない展開ではあったんですけど、今まで紡いできたものが迎える結末という意味での面白さもあると思います。あとは、演じていて“みんなが大好きだな”というのを強く感じましたね。人としても、役としても。この現場にいられることが何よりうれしいし、楽しくて。入った時よりも毎日その量が増えていったので、そんな現場で作ってきたものが、見てくださっている皆さんを優しくできたらいいなと思いますね。いろんな見方があっていいと思うので、皆さんが見た時に感じた気持ちを大事にしてほしいです」
──ありがとうございました!
【プロフィール】
千葉雄大(ちば ゆうだい)
1989年3月9日生まれ。宮城県出身。2009年、「天装戦隊ゴセイジャー」(テレビ朝日系)で、主人公・アラタを演じ俳優デビュー。以降は「桜蘭高校ホスト部」(TBS系)や、「SUMMER NUDE」(フジテレビ系)、「今日は会社休みます」(日本テレビ系)など、さまざまな話題作に出演。以降は「家売るオンナ」シリーズや「もみ消して冬~我が家の問題なかったことに~」(ともに日本テレビ系)などに出演。20年2月21日には自身が主演を務める映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の公開が控えている。
【番組情報】
「おっさんずラブ-in the sky-」(12月21日・最終回)
テレビ朝日系
土曜 午後11:15~深夜0:05
テレビ朝日担当 I・S
撮影/中越春樹
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