飯豊まりえ「後でじんわり怖さがやってくるような作品」──「怖い絵本」インタビュー2022/01/05

　注目の俳優が怪奇絵本を朗読、さらに、異世界ミニドラマの主人公を演じて視聴者を恐怖の世界へといざなう番組「怖い絵本」（NHK Eテレ）。これまでシーズン3まで放送され、話題となっている同番組の新作3本が、1月7日に一挙放送されます。

　TVガイドwebでは、新作に出演する3人の主人公にインタビューを敢行！　2人目に登場するのは「おいでおいで…」に出演する飯豊まりえさん。撮影時のエピソードや、絵本にまつわる思い出などを伺いました。

──絵本「おいでおいで…」を読んだ感想を教えてください。

「鮮やかな絵ではあるけど奇妙な世界観にゾクッとしました。登場人物も、表情豊かというよりは淡々と静かに進んでいくんです。“怖いおばけが出てくる”という、分かりやすい絵ではないのが逆に怖かったです。明るい絵で静かな文章というのが魅力的だなと思いました」

──子どもの頃に読んだ絵本で思い出に残っている作品はありますか？

「祖母からもらった『おやすみなさいおつきさま』です。絵がきれいで、いまだに読みたくなりますし、友人にプレゼントをしたこともあるぐらい好きな絵本です」

──大人になってからも絵本を読む機会があるのですね？

「そうですね。最近では『アンジュール　ある犬の物語』という絵本がすごく好きです。文章がなく鉛筆で描かれていて、少し切ないお話です。ちなみに、怖い絵本の存在は今回初めて知りました。読み聞かせをすると怖がらせてしまいそうですね（笑）」

──本作の朗読を収録する際に、工夫されたことはありますか？

「緩急や読み方に気をつけました。基本的にゆったりと、表情が分からないよう淡々と読むというのを意識しました。声の大きさも朗読しながら調整した感じです。自分の声を聞きながら『どう言ったら怖いのかな？』というのを探りながら録音しました」

──特に難しかった部分はありますか？

「やっぱり『おいでおいで』と言うセリフですね。 “人間の声ではない声”にしたいと思っていたんですけどなかなか難しくて…。視聴者の方が『いつの間にか後ろから聞こえている…？』と錯覚するような感じにしたいと思ったので、吐く音を多めにしてウイスパーボイスで朗読しました」

──では、ドラマパートで注目してほしいシーンはどこでしょうか？

「漫画喫茶が舞台なのですが、漫画喫茶というと、私の中では少しだけ不気味な感じがするんです。そんな少し不思議な空間と『おいでおいで…』という作品がすごくリンクしているなと思います。奇妙な世界観です」

──撮影中の印象的なエピソードがあれば教えてください。

「最近、漫画を購入する機会が増えたんです。今回、漫画喫茶で働いている女性の役だったので、引き寄せたのか引き寄せられたのか…。『漫画は大切なことをもう1回思い出させてくれるよ』と教えていただいたこともあって、撮影の休憩中に『スキップとローファー』という、初めて自分で購入した漫画をもう一度読み返しました」

──漫画も絵本もたくさん読まれているんですね！　もし、ご自身で絵本を作成するとしたらどんな絵本を作りたいですか？

「実は絵本を出したくて、学生の時にプロットを書いたことがあったんですけど、いまだに眠っています（笑）。『星の王子さま』がすごく好きなので、一緒に考えられたり、捉え方がいろいろあるような絵本を描きたいです。一つの夢です」

──いつか絵本を出版されるのを楽しみにしています！　2022年はどんな年にしたいですか？

「久々に朝ドラ（NHK総合「ちむどんどん」）にも出演させていただくことが決まりましたし、他にも続編ものの作品があるので、しっかりと期待に応えたいです。何より楽しんでできたらいいなと思います。プライベートでは、最近、中国茶を好きになったので、中国茶のおいしい入れ方だったり、紅茶も最近いろんな種類を味わったりしているので、もっと勉強して詳しくなりたいなと。完全に趣味です（笑）」

──最後に「おいでおいで…」の見どころをお願いします！

「『おいでおいで…』という作品は、物静かでどこか奇妙な雰囲気がありながらも、実際に子どもの頃に経験したかも…？と思わせられる物語ではないかと思います。“あの頃もしかして出会っていたんじゃないか？”と、後でじんわり怖さがやってくるような作品です。新年早々、怖がらせてしまいますが、ぜひ楽しんでいただけたらと思います！」

──ありがとうございました！