橋本祥平×鳥越裕貴インタビュー「文ストの新たな可能性を引き出したい」──映画「文豪ストレイドッグス BEAST」2022/01/05
シリーズ累計850万部突破の人気漫画「文豪ストレイドッグス」の実写映画作品となる映画「文豪ストレイドッグス BEAST」が1月7日に公開。本作は、実在の文豪の名をいだくキャラクターによる“異能”アクションバトル。鳥越裕貴さん演じる中島敦と、橋本祥平さん演じる宿敵・芥川龍之介が所属する組織が逆だったら…?という“if”のストーリーが描かれます。
今回は、舞台版「文豪ストレイドッグス」でも同役で共演されている橋本さんと鳥越さんに、撮影中のエピソードや裏話、作品への思いなどを伺いました!
──「文豪ストレイドッグス」が実写映画化すると聞いた時の心境はいかがでしたか?
橋本 「映画化が決まった時、キャストは一新するのかなって思っていたのですが、製作陣の皆さんが舞台のメンバーで、と決めてくださったんです。それを聞いて、すごく愛を感じました。『文豪ストレイドッグス』の新たな可能性を引き出せたらいいなと思いましたし、まずはやっぱりうれしかったです」
鳥越 「僕はもうガッツポーズでしたね(笑)。これまで舞台で積み上げてきたものもあるので、実写化をやるなら絶対僕たちで! という思いが強かったです。その分プレッシャーもありましたけど『この“if”のストーリーはアニメでもやっていないし、僕らが初の映像化なんや』って思うと、楽しみでしかなかったです」
──プレッシャーより楽しみという気持ちの方が大きかったのでしょうか?
橋本 「そうですね」
鳥越 「え……? 橋本さんは撮影の初日にね、知らない役者さん来たのかな?っていう距離感で来ましたよね?(笑)」
橋本 「……すごくプレッシャー感じてました!!(笑)。これは舞台とは別物と捉えてチャレンジした方がいいのか実はすごく迷っていたんですけど、鳥越さんが来てからはいつもの感じで絡んできてくれたので、迷いはなくなりました」
鳥越 「僕、見えましたもん。異能力『緊・張・感』(笑)。そんな祥平はなかなか見れないので楽しかったです」
──舞台と同じキャストでの映画化ですが、現場ではどのような雰囲気だったのでしょうか?
鳥越 「舞台と変わらず和気あいあいとしていましたね。坂本(浩一)監督をはじめ、カメラマンさんやスタッフさんみんながとても優しくて愛のある現場だったので、伸び伸びやらせていただきました」
橋本 「1回も押した日なかったよね。とても和やかに進みました」
──“所属する組織が逆”というパラレルワールドの世界を演じるにあたって、どう役作りをしたのでしょうか?
橋本 「基本は変わらなかった気がします。いる環境が違うだけで、人物自体は今まで作り上げてきた芥川を演じようと思いました。前もって作っていくというより、現場で周り方の演技を受けて芥川の感情を表現するという芝居をしていたので、一から新しく役作りするのとは違った感じでしたね」
鳥越 「これまでの舞台で中島敦という役を積み重ねていたこともあって、作品が“if”の物語であるように、自分も“もしも”の感覚で敦を演じることができたので、やりやすかったと思います。『こういうことが起きたら、敦ならこうするな』というふうに。確かに難しい部分もたくさんありましたけど、特別に役作りはしないで臨みました」
──本作はアクションシーンも見どころではないかと思います。撮影のために準備したことはありますか?
鳥越 「舞台だと、アクションをする時に筋肉がないと受け身とかが本当にしんどいんですよ。『中島敦は孤児だから、筋肉もなくガリガリ』って僕も分かっているんですけど、どうしても舞台の場合は筋肉をつけないと動けないんです。ただ、これが映画になるとあまり関係ないので、できるだけ削ぎ落としました。食生活はもちろん、できることはやったつもりです。体形でいうと、今までで一番、中島敦に近いかもしれないです(笑)」
橋本 「僕たち2人のアクションシーンが多かったのですが、今まで何回も芝居で殺し合ってきている仲なので、呼吸はうまく合わせられました。でも、映像と舞台のアクションって本当に違うんですよね。映像だと、ほんの数センチの差で全然当たっていない感じに見えてしまったりするので、舞台でやっているパンチでは通用しなくて……。映像ならではの角度とかが難しいな~って勉強しながら、毎回アクションしていました」
──VFXが使われるシーン(見えていないものと戦う現場)はどのように撮影を進めたのでしょうか?
橋本 「完全に1人アクションです(笑)。イメージで『ここに敵がいる』というのを教えてもらった上で、本番は自分の呼吸でアクションするんですけど、僕が必死に戦っている時に遠くの方を見ると、とりくんが『何やってんだこいつ』っていう目で見ているんですよ(笑)」
──(笑)。
鳥越 「あの現場を見たら本当に『何してんねん』ってなりますよ(笑)。大変そうやな~って思いながら見ていました」
橋本 「VFXを使う戦闘シーンを、クランクインして一番最初に撮影したんですよ」
鳥越 「そうそう! だから、焦ってる顔も覚えてる(笑)」
橋本 「アクションをその場で教えてもらうんですけど、次から次へと違うことを教えてもらうので、頭がパンクしていました」
鳥越 「僕はそれを最初に見られたので、気合が入りましたね。テンパってる祥平を見て、ちゃんと学習しました(笑)」
橋本 「初日の現場がすごすぎて、先が怖くなりました(笑)」
──初日からあのハードなシーンだったとは驚きです…。お二人にとって、芥川龍之介と中島敦はどんな存在でしょうか?
鳥越 「中島敦というキャラクターと自分はあまり似ていないとずっと思っていたのですが、意外と共通する部分もあったりするんだなと最近は感じますね。初演の時から、人間としても役者としても成長させてもらっている役でもありますし、今回“if”の世界では敦の違う部分も演じることができたので、役者として楽しみをくれる存在ですね。お互い支え合いながら、共に歩んでいる感じがします」
橋本 「これまでにいろんな原作ものの作品をやらせていただきましたが、一緒に歩んでる時間がこんなにも長い役というのは、芥川龍之介くらいなのかなと思います。最初、役者として何もできなかった自分に、お芝居の楽しさを教えてくれましたし、この役と出合ってから、殻が割れたような感覚があるんです。芥川の残酷さだけではない、かわいさも僕は知っていますし、この先もずっと一緒に歩いていきたいなと思えるような存在です」
──では、舞台やドラマなどで多数共演されているお二人は、お互いどういう存在なのでしょうか?
鳥越 「いつの間にか腐れ縁の仲になったなと感じてます。後輩というイメージももうないですし。なんなら後輩というイメージを使ってくる感じは腹立ちますし(笑)。でも本当に初共演した時から、『またどこかで一緒にやりたいね』って言ってたような気がします」
橋本 「純粋にリスペクトしています。芝居に関してはもちろんですし、そこから一歩離れたら同じラインで接してくれますし。たまにちょっとうるさいなって思うぐらいに…(笑)」
鳥越 「え、思ってんの?(笑)」
橋本 「(笑)。でも、一緒に銭湯に行って裸の付き合いができる人って、僕の中ではかなり親密になっている証拠なんですよ! すごく数少ないんです」
鳥越 「いや、この前57人いるって言ってた。祥平は太鼓持ち役者なんで、さっきから言ってることは『全部うそです』って書いてください(笑)」
──(笑)。橋本さん、実際のところいかがですか?
橋本 「僕と裸の付き合いができる人が他にもいるとして、その中のピラミッドの頂点です!」
鳥越 「こんなこと言ってますけど、ご飯の誘い3回ぐらい断られてますからね。なんなら当日ドタキャンもされました。これ、有名な話です。僕が有名にさせてます(笑)」
橋本 「そういうことも今となってはいい思い出のエピソードとして、鳥越さんは話してくださるのでありがたいですね」
鳥越 「なんでネタを提供されてんねん!(笑)」
──お二人のコンビ感、面白すぎます(笑)。最後に、2022年の抱負を教えてください。
橋本 「願わくばこの作品が大ヒットして、また『文豪ストレイドッグス』という作品の幅を広げられたらいいなと思いますし、また舞台にも戻ってきたいですね。『文豪ストレイドッグス』が、より大きくなれる1年になったらいいなと思います」
鳥越 「売れたいです!(笑)。今年とは言わないですけど、2030年までには売れたいですね。僕の中で2030年までのプランがあるんですけど、まず今年は『文豪ストレイドッグス』を成功させるという願いをかなえたいです」
──ありがとうございました!
撮影中もインタビュー中も、まるで兄弟のように仲のいいお二人。橋本さんのコメントに鳥越さんがすかさずツッコむ…という、息の合った掛け合いで笑いが絶えない現場でした! 普段の姿からは想像できないような、クールで格好いいお二人の姿が見られる、映画「文豪ストレイドッグス BEAST」。ぜひ、劇場でご覧ください!
【プロフィール】
橋本祥平(はしもと しょうへい)
1993年12月31日、神奈川生まれ。山羊座。A型。ドラマ「あいつが上手で下手が僕で」(2021年)に出演。舞台「機動戦士ガンダム00 -破壊による覚醒-Re:(in)novation」が22年上演予定。
鳥越裕貴(とりごえ ゆうき)
1991年3月31日、大阪生まれ。獅子座。B型。舞台では「イナズマイレブン」(2010年)で初舞台。ドラマ「寝ないの?小山内三兄弟」(19年) 、「ただいま!小山内三兄弟」(20年)、「あいつが上手で下手が僕で」(21年)などに出演。
【作品情報】
映画「文豪ストレイドッグス BEAST」
1月7日 全国公開
異能者ひしめく混沌都市、ヨコハマ。貧民街の路地をねぐらに生きた孤児・芥川龍之介(橋本)は「武装探偵社」で働きはじめる。そこへ現れた、組織に敵対する者を無慈悲に殺す「ポートマフィアの白い死神」中島敦(鳥越)。運命の別れ道で差し出された手に翻弄(ほんろう)された2人の少年の行く末は…。
原作/角川ビーンズ文庫「文豪ストレイドッグス BEAST」
監督/坂本浩一 脚本/朝霧カフカ
出演/橋本祥平 鳥越裕貴 谷口賢志 田淵累生 紺野彩夏 桑江咲菜 植田圭輔 輝馬 長江崚行 桑野晃輔 堀之内 仁 広川 碧 齋藤明里 村田 充 岸本勇太 南 圭介 荒木宏文
【プレゼント】
サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
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【締切】2022年2月1日(火)正午
取材・文/M 撮影/蓮尾美智子
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