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聖なる夜に笑いの神を降臨させた総合演出・三宅恵介が語る「明石家サンタ」の魅力&まだ間に合う、はがき採用のコツ!2021/12/11

聖なる夜に笑いの神を降臨させた総合演出・三宅恵介が語る「明石家サンタ」の魅力&まだ間に合う、はがき採用のコツ!

 フジテレビ系で1990年12月に始まり、今年は12月24日に放送される「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」。番組のコンセプトは放送開始から変わっていないと語るのは、番組開始当時から総合演出を務める三宅恵介氏。その年に視聴者自身に起きた「寂しい」「不幸」なネタをはがきで募集し、その中から明石家さんまさんが面白いと思った人に電話をかけ、合否を決定。合格をもらった人がプレゼントをもらうというシンプルな内容だ。

◆2017年、笑いの神が下りてきた要因はテレビの原点「生放送」

 2017年に放送された回は、「いろんな要素があって、笑いの神が下りてきた回」だという。「毎年さんまさんと『素人さんはすごいよね、勉強になるな』と話しをするが、この番組の肝と言うのが凝縮されていた回だと思う。毎年、どうなるか分からないというところが生放送のテレビの原点だと感じている。バラエティー番組の基本が網羅されている回」と振り返る。

 素人、そして電話越しだからこそ生まれる「間」。その「間」が、この番組ならではの楽しさではないだろうか。深夜帯、素人、生放送、明石家さんま…この組み合わせだから起きる化学反応が、聖なる夜の笑いを支えている。

 「笑いの神が下りてきた要因は生放送と、素人扱いの第一人者であるさんまさんが電話でやりとりすることがポイント」なんだとか。 “素人×明石家さんま”という組み合わせがうまくハマり、毎年番組は大盛り上がりだ。「『あっぱれさんま大先生』(同系)を始めた時からそうだが、(さんまさんは)皆さんに対等。子ども、社長、芸能関係に関わらず、一律に接しているところや、誰に対しても忖度(そんたく)なくズバッと言えちゃうのがすごい。人のいいところをツッコんで引き出し、笑いにしていくことが世界一うまいと思う」と40年以上タッグを組むさんまさんの魅力について明かした。

聖なる夜に笑いの神を降臨させた総合演出・三宅恵介が語る「明石家サンタ」の魅力&まだ間に合う、はがき採用のコツ!

 さて、番組を見ている人が気になって仕方がないであろうはがきの採用方法。ネット上では、「話のオチを分かりやすく」「本当の不幸話は不採用」「スタッフへの気遣い」など、さまざまなことが記載されている。果たして、本当はどうやって選ばれているのか。どうやら、はがきを送って来た本人のキャラクターも大事なんだとか。

◆ハガキを選ぶ基準は…笑いになる不幸ネタと本人のキャラクター

 「ネタとしては電話で伝えることもあり、なるべく簡潔なネタが好まれる。はがきで読むことと電話で伝えることは全く違うので、できれば、『いつ』『こういうことがあって』『こうなった』という起承転結がはっきりしている方が伝わりやすい、伝えやすい気がする」と三宅氏。

 続けて、「ここ1、2年、コロナでみんな大変。あまりにも深刻なネタは外している。自分にとっては不幸だけど、他人から見れば面白い、笑いになるという素材を選んでいる。それから、毎回さんまさんも言っているが、はがきのネタは3割。そして、(はがきを送ってきた)本人のキャラクターが7割」だそう。

 やはり生放送。さんまさんがイジれて、面白く話ができる人が選ばれやすい。届いたはがきはまず三宅氏と作家で50枚程度に選定後、さんまさんが20枚前後にしぼっていくのだという。そして、選ばれた本人に放送当日、番組を見ていられるのか確認の電話を入れている。「どんなキャラクターでも(さんまさんには)受け皿はあって、笑いにしてもらう。(確認の)電話をした時にどんな対応の仕方だったか、明るくてハキハキしている人などキャラクターをチェックしている」。つまり、はがきに完結に書き記せ、キャラクターが立てば採用される率がアップするのだ。

 しかし、生放送である…。「いざ生放送で電話でとなると難しい場面も。でも、そこがいい!」と三宅氏は語る。「プロの芸人さんのようにスラスラとネタを言うと、ウケようと思っているのではないかと思われる。本当の話でも、うまくできすぎると笑いになりづらい。生放送、さんまさん、八木亜希子さん、素人さん、そして対面ではなく電話でというところが肝だ」。

 そして、SNSなど簡単に幅広くネタを集められるようになった世の中だが、それでもはがきと電話にこだわる理由は何なのだろうか。

◆「書く作業をすることでうそは書かないだろう」

 「メールでもなんでもいいじゃないか、という話がある。でも、それはダメ。聞いた話やうそが多くなる。まずは、はがきに書くことで罪の意識が一つ減る(笑)。少し盛ることはあるかもしれないけど、うそを書かないだろう。広がるのもいいが、広がると(話の内容が)薄くなる。薄くならないためにははがきと電話にこだわっている」と真意を。

 さて、まだ間に合うはがきの応募方法をここでおさらいしておこう。はがき応募の締め切りは12月17日(消印有効)とのことなので、残り1週間ほど、この1年を振り返ってみるのもいいかもしれない。筆者の寂しい話は…つい先日、大好きな兄が結婚したことだろうか。めでたいことだが、筆者的には大ダメージである…。皆さんも自分にとっては「寂しい」「不幸」だと感じているが、他人にとっては「面白い」「笑いになる」話をぜひはがきに書いて応募し、さんまさんに笑いに変えてもらってほしい。(応募方法は次のページに)

 そして、合格のベルを鳴らされた人が引けるプレゼント。ここで起こるハプニングも見どころの一つだ。次のページでは、三宅氏が「予定不調和だから面白い」と語るこの番組の見どころなどを紹介する。

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