【WATCH的イケメン図鑑】Vol.37 ジャック・オコンネル2021/11/25
過酷な捕鯨船で孤軍奮闘するすてきだけど危うい船医役
「不屈の男 アンブロークン」ではアンジェリーナ・ジョリー、「マネーモンスター」ではジョディ・フォスターと、ハリウッドを代表する2大女優の各監督作に主演した経歴を持ち、英国俳優の中でも異彩を放つジャック・オコンネル。そんな彼が北極海を行く捕鯨船で大ピンチ!? イアン・マグワイアのベストセラー小説をドラマ化したミステリー大作「北氷洋」で、過去に傷を抱える元軍医、パトリック・サムナーを演じている。
戦場帰りのサムナーが捕鯨船の船医となり、北極海を目指して出港するところから始まるこのドラマ。ところが、船にはむくつけき漁師がいっぱい。戦場を経験したとはいえ、ワイルド不足のサムナーは出港早々船酔いしちゃうし、漁師たちからはそこはかとなくばかにされるし…。防寒対策のモコモコ服はかわいいけれど、船を下りるころにはすっかり身ぐるみはがされそう!? にもかかわらず、サムナー自身はわりと無茶にもやる気満々でアザラシの捕獲にチャレンジしたりするのだが、ゲットした獲物が重たくて運べないどころか冷たい海に自分が落ちちゃってカチコチに…。不安要素しかないサムナーに、「だ、大丈夫?」と声をかけたくなる。
そんなこんなで船長からは「船にいろ!」と言われてしまう始末だが、とはいえ診療時はお医者さん然としたたたずまいがやはり頼もしくてすてき。もともと思慮深く、骨太な面もきちんと持ち合わせてはいるのだ。だからこそ、船上生活を通してたくましく成長できるかも? いや、でも待って。そういえば彼が過去に抱えている傷って何? 過去の記憶から逃れるため、どうもアヘン(麻薬)に頼っているみたいなんですけど!? しかも、サムナー自身の危うさと呼応するかのように、船内では殺人事件が起き…。
捕虜収容所に送られるスポーツ選手を演じた「不屈の男 アンブロークン」しかり、ある犯罪に走らざるを得なくなる男を演じた「マネーモンスター」しかり、過酷な状況に追い込まれる主人公役が非常にお似合いのジャック。刑務所に入れられる少年を演じた「名もなき塀の中の王」や、敵地で孤軍奮闘する兵士を演じた「ベルファスト71」なども、その系譜に沿った作品といえるかもしれない。けれど、この「北氷洋」は過酷なジャック・オコンネル史を更新する1作になるかも? 何せ監督は“人間”を描くことに長けた名匠のアンドリュー・ヘイだし、むくつけき漁師の中には不穏な空気を放つコリン・ファレルがいるし。なんだかヒヤヒヤさせるサムナー先生と一緒に、過酷な状況下のミステリーを楽しんで。
【プロフィール】
ジャック・オコンネル(Jack O’Connell)
1990年8月1日生まれ。イギリス出身。映画「THIS IS ENGLAND」(2006年)などで注目を集めた後、名作青春ドラマ「スキンズ」(07~13年)のジェームズ・クック役でブレーク。「ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇-」(11年)、「300 <スリーハンドレッド>~帝国の進撃~」(14年)、「ナチス第三の男」(17年)など、話題作への出演が続く。Netflixの西部劇ドラマ「ゴッドレス -神の消えた町-」(17年)では、放送映画批評家協会賞の主演男優賞にノミネート。次回作に、エマ・コリン共演の「チャタレイ夫人の恋人」などが予定されている。
【番組情報】
「北氷洋」(全6話)
12月4日
AXNミステリー
午後4:00~10:15(字幕) ※一挙放送
文/渡邉ひかる
この記事をシェアする