鈴木梨央&倉科カナがドキュメンタリードラマ「命のバトン」で共演! 「この作品を見て、命についてあらためて考えていただけたら」2021/11/17
11月18日にNHK BS1で放送される「命のバトン ~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~」。愛知県の児童相談所が30年以上前から取り組んできた、新生児の特別養子縁組“赤ちゃん縁組”をモチーフにしたドキュメンタリードラマです。
“思いがけない妊娠”に直面した高校2年生の桜田結(鈴木梨央)が、児童相談所の児童福祉司・成瀬千春(倉科カナ)との出会いを通して養子縁組制度を知り、「赤ちゃんの幸せにとって何が大切なのか」を真剣に考えていくドラマと、実際に養子縁組した家族のドキュメント映像を織り交ぜた演出で、命の尊さと多様な家族の形を伝えます。今回は鈴木梨央さんと倉科カナさんに、作品や役に対する思い、お互いの印象などを伺いました。
──まず、最初に台本を読んだ時の印象をお聞かせください。
鈴木 「初めて台本を読んだ時は、自分が結に寄り添えるのか不安な気持ちがありました。読み進めていくうちに『結に寄り添いたい』という気持ちがどんどん大きくなっていき、実際演じてみて、ちゃんと結に寄り添えたように思います」
倉科 「台本を読んで、“役者としての使命感”みたいなものを感じました。私が演じることによって、少しでも小さな命が守られればいいなとか、思いがけない妊娠をした方に『ひとりじゃないんだよ。赤ちゃんもあなたも救われる選択肢があるんだよ』というメッセージを伝えることができるんじゃないかなと思いました」
──お二人は強い意志で本作品に臨まれたと思いますが、実際に出演して感じた気付きなどはありましたか?
倉科 「子どもの虐待死で最も多いのは、生まれたその日に亡くなるケース(新生児0日死亡)だという現実に驚がくしましたし、私は“赤ちゃん縁組”についても知らなかったので、もっとたくさんの方に知ってほしいと思いました。“赤ちゃん縁組”は女性が赤ちゃんを育てることが難しい場合、産まれてすぐに育ての親に託す取り組みです。赤ちゃんと育ての親が自然な愛着関係を結びやすいという点で注目されているそうで、素晴らしいなと思います」
鈴木 「私も、たくさんの赤ちゃんが命を奪われているということを知って心が痛くなりました。赤ちゃん縁組によって、ひとりでも多くの命が救われているんだと思うと、自分自身も作品を通して命の大切さにあらためて気付くことができました」
──今回の役を演じるにあたって、事前に“赤ちゃん縁組”のドキュメンタリー映像を見たそうですね。
倉科 「『小さき命のバトン』というNHKドキュメンタリーの中で、“赤ちゃん縁組”によって“お母さんが2人生まれた瞬間”がとても印象に残っています。命のバトンを渡した生みの母と、バトンを受け取った育ての母が2人とも涙されていたんですよね。とても素晴らしいシーンでした」
鈴木 「はい、拝見させていただきました。養親(育ての親)に育てられた子どもたちが、成長するにつれて『生みの親に会いたい』という気持ちが芽生えてきたり、育ての親のことが大好きでも『お母さん』と呼べない場合もあるなど、いろいろな思いを抱えているということを感じました」
──お互いの印象はいかがでしたか?
倉科 「以前共演した時、梨央ちゃんはまだ小学生で、久々にお会いしたらこんなに立派な女性になっていて。しかも、赤ちゃんをおなかに宿すという役柄で、すごく感慨深かったです。梨央ちゃんは、瞬発的にお芝居にグッと集中する力があるので、それを邪魔しないように頑張ってました(笑)」
鈴木 「以前共演したことを覚えていてくださっていて、とてもうれしかったです。結が不安な気持ちになっている時は、千春さんの一言一言が結の心に響き、心を開いていくきっかけにもなりました。今回ご一緒させていただき感謝しています」
──鈴木さんは、結のどんな姿を視聴者の方に見てもらいたいですか?
鈴木 「最初は誰にも相談できずに戸惑っていた結が、千春さんの言葉や励ましによって、どんどん気持ちが変化していくんです。同世代の私から見ても、実際に結の立場になってみたらどう受け止めればいいのかすごく悩むと思います。この作品を同世代からお年寄りの方まで見ていただいて、それぞれに感じた気持ちや思いを共有しながら、命についてあらためて考えていただけたらと思います」
──倉科さん演じる千春は、“赤ちゃん縁組”をどう受け止めて、結と向き合おうとしたのでしょうか?
倉科 「千春は結のように戸惑っている女性に対して、赤ちゃん縁組だけを勧めているのではありません。本人に寄り添いながらさまざまな選択肢を示し、その人にとって最善の選択をしていくのが仕事だと思っているんです。産まれてくる赤ちゃんと女性の未来にとって何が最善なのかということを、常に頭の中で考えている女性です。演じる上で意識していたのは、“寄り添う”ということ。女性たちの思いや意思を尊重するということが大切だった気がします」
──赤ちゃん縁組について、実際まだ知らない方も多いと思います。社会的な問題に対する、役者やエンターテインメントの役割についてどう思われますか?
倉科 「ニュースや事件として耳に入ってくる社会的な問題は、どこか人ごとの話にも聞こえてしまったりすることもありますが、今回のようなドキュメンタリードラマという形にすることによって、登場人物たちの心情や状況を、エンターテインメントとして人の心に訴えかけていくというのはとても良い方法だなと思いました。俳優としてのやりがいを感じます」
鈴木 「思いがけない妊娠や、育てたくても育てられない状況の方が、少なくないと伺っています。その方たちの悩みや打ち明けられないことを、作品を通してあらためて知るきっかけとなりましたし、その方たちの気持ちが見ている方にも届いたらいいなと思いながら演じました。今回の作品に関しては“ドキュメンタリードラマ”ということもあって、より、今まで以上に役に入り込むことができ、自分と照らし合わせながら結の気持ちを考えたり、一つ一つの言葉の重みを感じることができたので、私が演じた思いを皆さんに伝えることができたらうれしく思います」
──ありがとうございました!
【番組情報】
ドキュメンタリードラマ「命のバトン ~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~」
NHK BS1
11月18日
前編 午後8:00~8:50
後編 午後9:00~9:50(8:50~9:00は中断ニュース)
NHK担当・M
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