アガサ・クリスティとドラマ「名探偵ポワロ」ゆかりの地をめぐるオンラインツアーをリポート！2021/10/08

　オプショナルツアー専門予約サイト・ベルトラは、ミステリー専門チャンネルのAXNミステリーの企画協力の下、アガサ・クリスティ社公認の「アガサ・クリスティオンラインツアー」を催行。全4回開催で、ギネスブックが史上最高のベストセラー作家と認めたミステリーの女王、アガサ・クリスティゆかりの地やドラマのロケ地などをオンラインでめぐる。7月にはロンドンにあるアガサに関連した場所を訪ねる第1回ツアーを実施し、10月17日にアガサの故郷・トーキーを紹介する第2回ツアーを開催する。第1回ツアーは好評で、9月には追加ツアーが実施された。その模様をリポートする。

　ツアーは9月21日の午後9：00（ロンドンは20日午後1：00）にスタート。当日のツアーガイドはロンドン在住25年で自身もアガサの大ファン。約1時間というコンパクトな時間の中で、ロンドン中心部に点在するアガサゆかりの場所やドラマ「名探偵ポワロ」（1989～2013年）のロケ地の数々を回った。

　最初に訪れたのはチャーターハウス・スクエアにあるマンション、フローリンコート。「名探偵ポワロ」で、ポワロが住んでいるホワイトヘイブン・マンションの外観に使用されている。アールデコ様式の建物で、1930年代に建てられたが、現在も使われている。

　続いてはウエストエンド地区の劇場街へ。劇作家としても活躍したアガサが51年に発表した戯曲「ねずみとり」が、52年から現在までロングラン上演中だ（74年3月まではアンバサダーズ・シアターで、それ以降はセント・マーティンズ・シアターで上演）。本作は20年3月にコロナウイルスの流行で公演を中断したものの、現在でも世界で最も長い連続上演記録を保持している。上演50周年となった02年には、エリザベス女王夫妻も鑑賞した。本作は上演されている間は映像化されない契約になっているとか。

　ウエストエンドには「ねずみとり」上演60周年を称えて造られアガサの記念碑が。本の形をした記念碑の中央にはアガサの彫刻があり、下部にはアガサの著作から、ファン投票によって選ばれたアガサの60作のタイトルが刻まれていて、ファンならじっくり見たくなるだろう。

　その後、アガサの追悼式が行われたセント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会や観光名所でもあるトラファルガー広場をめぐりアドミラルティ・アーチへ。ここでは「名探偵ポワロ盗まれたロイヤル・ルビー」（92年）で、ポワロが車に乗せられて外務省に向かうシーンが撮影された。かつては海軍本部やイギリス政府の施設に使われていたが民間に売却され、今後はホテルとして再開発される予定だ。

　そして、「名探偵ポワロ」に何度も登場するスコットランド・ヤードことロンドン警視庁の外観に使われたビルも紹介。ここは実際に1890年代から1960年代まで警視庁として使われていたもので、煉瓦造りの壁が印象的だ。その後、ウエスト・ミンスター寺院やビッグ・ベンの愛称で親しまれている時計塔のエリザベス・タワー（現在は修復工事中）などを眺めながらテムズ川沿いに到着したところでツアーは終了した。

　ツアーの途中にはアガサがロンドンで住んだ家の数々をまとめたVTRのコーナーや、アガサの著作に関するクイズ、ツアー参加者からガイドへの質問コーナーもあり、盛りだくさんの内容だった。ツアー実施日のロンドンは快晴で、ガイドによると、この時期には珍しく気温が高かった。まだまだ人出は少なかったが、青空の下でのんびりと散策する人たちの姿も見られた（文中の写真はツアーのスクリーンショット）。

【番組情報】

「1日まるごと名探偵ポワロ」　
AXNミステリー　
11月23日　午前6：00～24日　午前5：30

【アガサ・クリスティオンラインツアー】

第2弾：アガサ・クリスティの故郷トーキー　
開催日時：10月17日　午後4：00～5：00　
料金：20ポンド（約3,150円）
※現地通貨での決済となるため、日本円での請求金額が変動します。　
URL：https://www.veltra.com/jp/europe/uk/london/a/169434　
※参加にはツアーへの申し込みが必要です。

取材・文／青木純子