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「東京放置食堂」主演の片桐はいりが語る東京・大島の魅力「島には自転車で走りたい道がいっぱいある!」2021/09/29

「東京放置食堂」主演の片桐はいりが語る東京・大島の魅力「島には自転車で走りたい道がいっぱいある!」

 テレビ東京で放送中の連続ドラマ、水ドラ25「東京放置食堂」は、片桐はいりさん演じる元裁判官の真野日出子が、移住した東京・大島で第二の人生を歩む姿を描く人情味あふれる物語。毎話登場する個性的なゲストが演じる旅行者と、彼らを気持ちよくお説教する日出子が織りなす人間模様、そして大島の自然豊かな景色やご当地グルメなど、見どころ満載の作品です。

 主人公・日出子を演じ、今作が連続ドラマ初主演となる片桐はいりさんに、ドラマと大島の魅力を語っていただきました。

――本作への出演が決まった時の感想をお聞かせください。

「企画をいただいた時、主演と書いてあって何かの間違いかと思いました。また、作品の舞台である『大島』を江東区の大島地区だと思っていたのですが、伊豆諸島の大島だと分かってすごく驚きましたね(笑)。50代の女性がメインで活躍する作品ってなかなかないじゃないですか。常々、もっとそういった作品があってもいいのにと思っていたので、今作のお話を伺った時、私がこの作品に関わることでこういう作品が生まれる流れができたらいいな、と思いました」

――日出子に共感できる部分などありますか?

「同じく仕事にいちずに生きてきた50代の女性として、『もう少しで定年だけど、限界!』っていう気持ちに共感を覚えました。あと、役作りの際、私はその役の弱点や欠点を見つけた時にがぜんやる気になるんですよ(笑)。裁判官という仕事は、とんでもない仕事量を毎日こなすスーパーエリートのイメージなんです。しかも日出子は曲がったことが嫌い。そんなきっちりした日出子を演じるというのが、私にとっては雲をつかむような話で。だから、弱点があったら共感できるな、と思っていました。台本を読んでいくにつれて、怖いものがたくさんある一面が見えてきたので、そこからさらに共感が生まれました。私も怖いものがたくさんあるので。例えばセミとか(笑)」

――ドラマの舞台である大島の印象に残っている場所を教えてください。

「自転車に乗っているシーンは本当に最高でしたね。車の通りも少ないし、伸び伸び走れるんですよ。大島って自転車で走りたくなるような道がたくさんあるんです。そういった道を見つけるたびに、監督に『ここも自転車で走りたい!』ってお願いしました(笑)。こんなご時世だからかもしれないんですけど、人通りも少なくて…。その人の少なさが、逆に心地よく感じました。最初の撮影の場所が、大島にある日本で唯一の砂漠・裏砂漠だったんですけど、立っているのもやっとなくらいの風とすごい霧で。この大自然には小手先の芝居で太刀打ちできるものじゃないぞと思いましたね。国立公園なので、整備が最小限にとどめられているからだと思うのですが、ガードレールや標識などの人工物が少なくて、手付かずの広大な自然という印象でした」

「東京放置食堂」主演の片桐はいりが語る東京・大島の魅力「島には自転車で走りたい道がいっぱいある!」

――日出子が自転車に乗っているシーンは、とても自由で気持ちよさそうでした。片桐さんご自身は、リフレッシュのためにすることは何ですか?

「旅行に気軽に行けていた時は、ちょっとした旅に出るのが好きだったんですけど、最近ではそれも難しいですよね。去年の自粛期間の時に自転車を買って、それ以来よく乗るのですが、自転車で風を切って走っていると、いろんなものが吹き飛ばされていく感じがして気持ちがいいんです。日出子も自転車によく乗るんですが、室内のシーンや難しい撮影の後、自転車のシーンを撮影すると言われると『やったー!』って思います(笑)」

――特に印象に残っているシーンなどありますか?

「第1話で、ゲスト出演者の近藤公園さん演じるIT企業の社長を『あんた部下の名前や誕生日、好きなもの言える!?』って日出子がお説教をするシーンがあるんですけど、そこで“あれ、私座長だけどスタッフの名前全員言える?”って思って(笑)。次の日から頑張って全員の名前を覚えました。照明さん、衣装さんって認識でも仕事はできるんですが、きちんと個人としてのお付き合いをした方が、私自身が楽しく現場に居られるんです。普段舞台で座長をする時はスタッフの名前は覚えるようにしているのですが、今回は、舞台より関わってくださっている人数が多かったので、日出子のお説教にドキッとしてしまいました(笑)」

――日出子のお説教はとても印象的ですが、ご自身の今までの人生で心に残っている“金言”はありますか?

「このドラマを撮影するにあたり思い出したのは、俳優で監督や演出もされている岩松了さんに言われた『自分の見た目と声だけ信じとけ』という言葉です。自分の見た目や声は変えられないですもんね。自分の今の見た目、今の声でできる精いっぱいのお芝居をしようと、撮影に臨んでいます」

――最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「都会の暮らしからそう遠くないところに、こんなにすてきな自然豊かな離島があると知っているだけで、気持ちが少し違うと思うんです。ちょっと休めば、あの島に行けるんだという気持ちというか。週の半ばで疲れている時に、このドラマを見て大島の景色に癒やされてほしいなと思います」

 片桐さんの日出子への思いを伺って、「東京放置食堂」を見るのがますます楽しみになりました。心だけでも大島にトリップできたら、日々に疲れた心が少し楽になるかもしれません。ぜひ、ドラマを見て小旅行してみてください。

【番組情報】

水ドラ25「東京放置食堂」
テレビ東京ほか
水曜 深夜1:10~1:40 ※10月6日放送より水曜 深夜1:00~1:30

テレビ東京担当 S・N



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