「青天を衝け」土方歳三を演じる町田啓太に北海道の地で独占インタビュー！「生きざまを見届けて」2021/09/14

　吉沢亮が“日本資本主義の父”と呼ばれる実業家・渋沢栄一を演じる、大河ドラマ「青天を衝け」（NHK総合ほか）。第26回（9月12日放送）では、故郷・血洗島に久々に戻った篤太夫こと栄一が、家族との再会を喜ぶ半面、尾高家に起きた悲しい出来事を知って衝撃を受ける姿が描かれた。一方、栄一のいとこ・成一郎こと喜作（高良健吾）が新政府軍と壮絶な戦いを続ける蝦夷地・箱館の様子も映し出され、ますます見逃せない展開になっている。

　劇中でも、箱館の戦地でひときわ異彩を放っているのが、土方歳三（町田啓太）だ。新選組副長を務めた土方は、幕臣の栄一とある任務で出会い、同じ農家出身と知ってから意気投合し、喜作のことは「もう1人の渋沢」と呼ぶ。第25回（8月22日放送）では、まげを落とした洋装姿で凛々しく登場し、視聴者の注目を集めた。

　このたび、ドラマの舞台となった北海道にあるNHK札幌放送局で、新放送会館オープンを記念してオンラインで行われた町田のスペシャルトークイベント会場で取材を敢行。町田への独占インタビューで、演じる土方への思いや今後の見どころを聞いた。

── 以前のインタビュー（https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-865166/）で「『青天を衝け』ならではの土方を演じたい」とおっしゃっていましたが、撮影を終えて手応えはいかがでしょうか？

「共演者の方々やほかの役者さんから声を掛けていただき、だんだん受け入れてもらったのかなという実感を持ちました。特に現場では、僕の撮影がアップした時、高良健吾さんから『新しい土方歳三役を作ったね』というお言葉をいただいたのが本当にうれしく、ありがたかったです」

── 町田さん演じる土方歳三の格好よさに、SNSを中心に大きな反響がありましたが、どうお受け止めになりましたか？

「衣装や髪形、照明などすべてのスタッフの皆さんと一緒に作り上げたものと思います。もちろん台本で印象的に描いてくださったことも大きいです。実は、土方の登場シーンは意外と短いのですが、その中でも、視聴者の印象に残るよう演出してくださったことにも感謝したいです」

── 物語の舞台となる北海道に、実際に来られたお気持ちはいかがでしょう？

「不思議な気持ちですね。北海道にはこれまで何度も仕事で来ていますが、箱館戦争を戦った土方歳三を演じた後に来たのは初めてで、同じ土地を踏んでいるかと思うと、感慨深いです」

── 北海道の思い出はありますか？

「プライベートでは、幼少期に家族旅行で来たおぼろげな記憶があります。自然の中で乗馬をしたような…」

── では、北海道で気になる場所はありますか？

「今回はスケジュールの都合で行けませんでしたが、やはり函館には行きたいです。土方の軌跡をたどってみたいですね」

── 第27回（9月19日放送）では、箱館・五稜郭の戦いの終盤が描かれます。撮影現場のエピソードをお教えください。

「高良さん演じる成一郎が発する熱がすごく刺さってきたので、僕も必然的に熱量が上がったことを覚えています。演出の方からも、『土方は今まで感情を高ぶらせることのないキャラクターでしたが、今回はありでは？』とアドバイスいただき、高良さんと2人でがっつり向き合うシーンをやらせていただきました。僕としては少し恥ずかしいですが、視聴者の皆さんからどんな感想をいただけるか楽しみです」

── 土方の最期の瞬間に注目が集まりそうですね。

「土方歳三は、新選組だったことをもちろん背負ってはいますが、それを和装といった分かりやすい形ではなく、概念として心に蓄積して最期を迎えます。そんな土方の生きざまを見てもらいたいですし、土方の熱を受け取った成一郎を演じた高良さんのお芝居も素晴らしいので、見逃さないでいただければうれしいです。また、土方と対比した、吉沢さんが演じる栄一の今後も見守っていただければと思います」

──「大河ドラマには強い思い入れがある」とのことですが、2作目の大河ドラマ出演を終えられた今の思いはいかがでしょうか？

「1作目『西郷どん』の時も感じていましたが、時代劇熱がものすごく上がっています！　僕にとっては、『青天を衝け』に関わらせていただいたことは、すごく大切な時間になりました」

── これから挑戦したい役や作品がありましたら教えてください。

「具体的には、やはり時代劇ですね。もっと時代劇にどっぷり浸かってみたいです。令和のこれからは、昭和の時代の物語も『時代劇』と呼ばれるようになると思います。それぞれに学びがあり、刺激があるので、そうした時代の変化を描く作品にもチャレンジしてみたいです」

── ありがとうございます。最後に、これから「青天を衝け」をご覧になる読者へメッセージをお願いします。

「僕の熱量を精いっぱい注いで土方歳三を演じたので、第27回の五稜郭シーンをぜひ見てもらいたいです。ドラマとしては明治に入る前、これまでの壮大な激動の時代がもっと変わっていく前の節目といえます。僕もこの先の台本はもらっていないので、一視聴者としてこれからの展開を楽しみたいです」

【プロフィール】

町田啓太（まちだけいた）　
1990年7月4日生まれ。群馬県出身。かに座。O型。劇団EXILEのメンバー。近年の主な出演作に、ドラマ「西荻窪三ツ星洋酒堂」（MBSほか）、「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」（テレビ東京ほか）、「今際の国のアリス」（Netflix）などがある。また、テレビ東京とめちゃコミックのコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください！それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」の主演・審査員を務める。ABEMAで「JAM -the drama-」が放送中。また「JAM -ザ・リサイタル-」が10月中旬より上演となる。また、10月にフジテレビ系でスタートする「SUPER RICH」に宮村空役で出演する。

第27回あらすじ（9月19日放送）

　篤太夫（吉沢）は、駿府藩の勘定組頭を命じられるが、水戸にいる徳川昭武（板垣李光人）のことを思って辞退する。しかし、この命が徳川慶喜（草彅剛）の配慮であることを大久保一翁（木場勝己）から聞かされ、駿府に残る決断をする。篤太夫はパリで学んだ知識を生かし、武士と商人が力を合わせて商いを営む「商法会所」を設立。駿府藩の財政改革に乗り出す。一方、箱館では、成一郎（高良）や土方歳三（町田）らが新政府軍を相手に必死の抵抗を続けていた。