細田佳央太&大友花恋、短い撮影期間で距離を縮めた驚きの行動とは…?――「初情事まであと1時間」インタビュー2021/09/07
MBSほかで放送中のドラマ「初情事まであと1時間」。本作では、情事に向かうカップルのリアルな感情の機微がネット上でも話題となったノッツ氏による同名漫画を、演出を務める橋口亮輔、三浦大輔、大九明子、谷口恒平ら豪華監督陣の脚本で映像化。恋人たちが初めて結ばれるまでの直前1時間を切り取り、心も体も裸になってつながるまでの、めくるめく恋と性の駆け引きを描いた恋愛オムニバスドラマです。
第8話「鍋の中」に出演するのは、2021年4月期に放送された「ドラゴン桜」(TBS系)の原健太役で一躍話題となった細田佳央太さんと、ドラマのみならず、最近ではバラエティー番組などにも引っ張りだこで、「ラヴィット!」(TBS系)の水曜シーズンレギュラーも務める大友花恋さん。細田さんは映画監督を目指す相良裕司を、大友さんは女優志望の胡桃沢まみ子を演じ、5人の男女が鍋を囲んで繰り広げる、一方通行の恋模様が描かれます。今回は、お二人に本作の見どころや撮影でのエピソードを語っていただきました。
2人が演じる独特なキャラクターの魅力とは
──お二人が演じた相良&まみ子のキャラクターと、演じてみて感じたことを教えてください。
細田 「相良くんは映画監督を目指している男の子。好きなものに対する純粋な熱量がすごくて、それが大きな特徴だと思います。そこに共感してくださる方もいらっしゃるんじゃないかな。自分の好きなものに真っすぐで一生懸命になれるところは、彼の一番のチャームポイントじゃないでしょうか」
大友 「まみ子ちゃんは誰に何を言われても、自分の意見を変えようとしない、自分を信じる力がとても強い子です。友達にいたら嫌だな、と思われてしまうキャラクターかもしれないですが、こういったまみ子ちゃんの心(しん)の強さは、SNSなどで自分の核が乱れがちな現代に、とても新鮮に映ると思います。そこをポジティブに受け取っていただけたらうれしいです」
──連続ドラマと違って、たった1話の中で自分が演じる役のキャラクターをつかむのは大変だったかと思います。連ドラとの違いや意識したことがあれば教えてください。
細田 「僕は意外と気を張ったり、意識することはなかったです。セリフ量が多かったこともあり、そこから相良くんがどういう人間なのか割と理解しやすかったからかもしれません。また、橋口監督の教えもあったので、迷うことなくお芝居できました」
大友 「まみ子ちゃんは特徴的でありながら、どこかつかめない特殊な女の子でしたが、台本からイメージできるキャラクターを考えて、現場で合わせてみるという流れは、いつもとあまり変わらない部分でした。でも、やっと自分の中でまみ子ちゃんのテンポ感がしっくりきたタイミングで撮影が終わってしまって…。そこが連ドラと違って寂しい部分でした。1話で完結する話なので、見てくださる人が分かりやすいように演じることを意識していました」
──橋口監督の教えもあったとのことですが、あらためて監督の印象を教えてください。
細田 「細かく丁寧に心情を教えてくださる監督でした。撮影前に一度リハーサルを行った時、相良くんが自身の思いを語るセリフで何を伝えてほしいかを話してくださいました。撮影期間が短くて怒濤(どとう)のスケジュールだったのですが、そんな中でもじっくり話してくださって、大事なシーンほどかみ砕いて説明していただけたのでとても助けられました」
大友 「演出のことだけではなくて、お芝居のことを一から教えてくださったので、お芝居ってこんなに楽しいんだ!と、あらためて感じることができました。現場では、橋口監督が相良やまみ子ちゃんを実演してくださって、監督が演じる2人が一番すてき!と思っていました」
──特に印象に残っているアドバイスはありますか?
細田 「相良が堀北真希さんの魅力を伝えるシーンがあるのですが、最初はどうしていいか分からずいろいろ考えながらやっていたんです。リハーサルやテストでも何回か演じてみたのですが、その時に『お芝居が毎回一緒にならなくていいよ』とアドバイスをくださいました。決まりきったお芝居ではなく、その時々の相良の感情を第一に考えてくださっていたんです」
大友 「監督から『まみ子ちゃんはいろいろ考えて行動している子で、受け取り手によっては違った見え方をする子だけれど、あざとい子ではないんだよ』って言っていただけて、そこから自分の中でのまみ子ちゃん像が見えてきた感覚がありました。私にとっては、その監督の言葉がキーポイントでした」
──相良とまみ子を演じるにあたって挑戦はありましたか?
細田 「鍋を囲んでの会話劇は僕にとって挑戦でした。そもそも会話がメインで繰り広げられるお芝居の経験がなかったのと、何かをしながら演じることも初めてでした。食べたり、うつわを用意したりとか、日常の些細な動作なはずなのに、いざお芝居でセリフを言いながらってなると難しくて。一生懸命頑張ったので一番見てほしいシーンです」
大友 「私は、本作の全体的なテーマ自体が挑戦だと思っています。それぞれのカップルの初情事に迫る作品だと初めてお話を伺った時はびっくりしましたし、そんなところにフォーカスする作品に挑戦させてもらえることに緊張もしました。他の皆さんの作品はまだ見られていないのですが、私たちが出演する『鍋の中』は、割とマイルドなお話だと思います。皆さんの回の放送を見るのも楽しみです!」
──確かに初情事に迫るって挑戦的ですよね。ちなみに、お二人が最近仕事やプライベートで経験した初めてのことってありますか?
細田 「僕は『ドラゴン桜』で原健太を演じるにあたって体作りをしました。減量はやったことがあったのですが、今回は増量をすることになって。どちらも経験してみて、僕的には増やす方が大変だなと感じました。増量に励んでいた時は、コンビニにあるもの全部制覇したのではないかってくらい頑張りました。でも、一番つらいのは増やしてから減らす時なんですよね…」
──もう体重は戻りましたか?
細田 「やっと半分戻りました。基本は食事管理で調整しています。走りに行ったりもし始めたのですが、久々に走ったら筋肉痛になってしまいました…(笑)」
大友 「私は今、人生で一番髪が長くて、長さを日々更新しています。いろいろな撮影が重なって切るタイミングをなくしてしまったので、夏の暑さとドライヤーが大変だなと思いながら切るのを我慢する日々です。せっかくの長さなので何かお仕事につながるとうれしいです」
短い撮影期間で親交を深めた方法とは?
大友「なぜか佳央太くんが部屋の隅の地べたに座っていて…(笑)」
──撮影期間が短かったそうですが、撮影で大変だったことはなんでしょうか?
細田 「リハーサルが1日、撮影が2日というスケジュールだったのですが、ちょっと怒濤すぎて…もうとにかくすごかったんですよ!(笑)」
大友 「本当にすごかったよね! 鍋を囲んでみんなでご飯を食べながら、立ち上がったり座ったりと動きをつけて会話劇を繰り広げるシーンがあったのですが、そのシーンをワンカットで撮影したのが特に大変でした。みんなの結束力が試されるシーンでした」
細田 「そうそう。最初に『ワンカットでやるよ』って言われた時、全員が『え?』っていう顔になって(笑)。いい緊張感を持って臨めたので楽しいシーンでもありましたね」
──その鍋を囲んでいるシーンでは5人での会話劇が繰り広げられますが、そんな中でも相良とまみ子の2人だけが共有している独特な空気感が出ているのが印象的でした。撮影期間が短い中でその雰囲気を出すのはとても難しかったと思うのですが、どのように工夫されましたか?
細田 「2人だけが共有している空気感があるの、僕も分かります…! でも、意外とそれってまみ子に引っ張られた相良がいるだけなのかなって。大友さんが出してくださったまみ子ちゃんの空気に引っ張ってもらったんだと思います」
大友 「お芝居をする上で、佳央太くんのことをとても信頼していたので、一緒に頑張ろうという気持ちはもちろんありました。そういえば、机と椅子が用意されている待合室で待機していた時に、なぜか佳央太くんが部屋の隅の地べたに座っていて…(笑)。椅子に座らないの!? どうして? と思って、同じ気持ちになるために私も地べたに座ってみたことがありました。もしかしたらそれが良かったのかな?(笑)」
細田 「その時は本当にびっくりしました(笑)。他の方々はちゃんと椅子に座っていたのにね」
大友 「そうそう、椅子が足りないわけではなかったよね!」
細田 「そうなんです。僕はただ単純に年下だからと思って遠慮して席を空けていたのですが、そこでそう考えていらっしゃっとは…今初めて知りました(笑)」
細田「いつか自分で映画を撮ってみたいなと思っています」
──相良とまみ子は、監督や女優になるという目標に真っすぐな若者ですよね。ご自身との共通点はありますか?
細田 「共通点があるかどうか聞かれると、自信満々でありますとは言いづらいのですが、あってほしいと思います。このお仕事に関してもそうですが、好きだからやってることなのでそうありたいなと」
大友 「まみ子ちゃんの心(しん)のある姿は、あまり自分自身とは似ていないと思っています。私は周りの皆さんからのアドバイスや提案に影響を受けるタイプなので、そういった方々に自分を作っていただいている感覚が強いです。だからこそ、自分の意思で決めて動けるまみ子ちゃんを尊敬していますし、憧れです」
──お仕事でもプライベートでもいいのですが、お二人の目標もお伺いしたいです。
細田 「いつか自分で映画を撮ってみたいなと思っています。監督をやりながらお芝居もする方がいらっしゃいますが、僕は二つのことを同時にできるようなタイプではないので、監督に専念という形になると思うのですが、いつか、できたらなと思っています…!」
大友 「えー! そうなの!?」
──相良と同じ目標を持っているなんて奇遇ですね! どんな作品にするかなどの構想は練られているのでしょうか?
細田 「実は、第1稿の脚本は書き終わっているんです…。でも、人生経験と言葉数の少なさで、『俳優って大変なんだ!』っていうのをぶつける自己満足な作品になってしまったので、その第1稿は家で眠っています(笑)」
大友 「もう脚本まで取り掛かってるなんて!」
──本当に驚きです…。憧れている監督はいらっしゃるのでしょうか?
細田 「橋口監督をはじめ、今までご一緒させていただいた石井裕也監督や沖田修一監督みたいな作品が作れたらなと思っています」
大友 「私は、皆さんとコミュニケーションを取りながら作品を作るのが大好きなので、これからもお仕事を続けていければと、ざっくりと考えていました。それに加えて、今の佳央太くんの目標を聞いて、もし映画を撮るのであれば、その脚本を一緒に書かせていただけたらなと思いました。雑誌でオリジナルの短編小説を書く連載をさせていただいたり、ブログなど文章を書くことが好きなので、一緒に作品を作れたら楽しいだろうなと思います」
──お二人の作品がいつか実現することが楽しみでなりません! 今日はありがとうございました!
細田&大友 「ありがとうございました!」
写真撮影中、話している様子が分かる写真が撮りたいと伝えると、すぐに2人で和気あいあいと話し始めてくれました。大友さんは「その衣装ってどうなってるの? どうやって着るの?」と、細田さんの衣装が気になる様子。細田さんも「こうやってボタン留めるしかないよね(笑)」など実演しながら、楽しそうに会話を弾ませていました。インタビュー部屋に移動してポラプレゼントにサインを書いていただいていると、大友さんが記者のボイスレコーダーについた大きめのストラップを発見。興味深そうに、でも控えめにチョンチョンと触るかわいらしい一幕もありました。インタビューは終始リラックスしたムードで行われ、記者が最後の質問を終えると、大友さんから「あっと言う間だ〜!」という声が。その後、お二人はカメラマンと記者に丁寧にお礼を述べた後、次のインタビュー会場へと軽やかに向かっていかれました。
【プロフィール】
細田佳央太(ほそだ かなた)
小学2年生で活動を始める。以降、ドラマ「検事・沢木正夫3 共犯者」(テレビ東京/2015年)、ドラマ「川獺(かわうそ)」(NHK総合/16年)、映画「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」、dTVオリジナルドラマ「テラフォーマーズ/新たなる希望」など、ドラマや映画で活躍。18年にはドラマ「FINAL CUT」(関西テレビ)で主人公の高校生時代を演じ、同年、テレビ東京特撮ドラマ「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」に出演した。そして19年には、1000人越えの応募者の中から抜てきされ、石井裕也監督作・映画「町田くんの世界」にて主演。「さくらの親子丼」(東海テレビ/20年)で連続ドラマ初レギュラー出演を果たす。21年1月には坂元裕二脚本・土井裕泰監督作「花束みたいな恋をした」に出演したほか、同年4月期の日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)で演じた原健太役が話題に。現在、沖田修一作・映画「子供はわかってあげない」が公開中、10月から水曜ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)に出演。
大友花恋(おおとも かれん)
2012年にドラマ「結婚同窓会~SEASIDE LOVE~」(CSフジテレビTWO)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「恋仲」(フジテレビ系)、「お迎えデス。」(日本テレビ系)、「チア☆ダン」(TBS系)、「いつか、眠りにつく日」(FOD/フジテレビ=連ドラ初主演)、「あなたの番です」(日本テレビ系)、「新米姉妹のふたりごはん」(テレビ東京系)、映画「案山子とラケット~亜季と珠子の夏休み~」「君の膵臓をたべたい」など。また、13年に「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得し、「Seventeen」(集英社)専属モデルを歴代最長の8年間務め、21年の9月号をもって卒業。「ラヴィット!」(TBS系)にも水曜シーズンレギュラーとして出演中。
【番組情報】
ドラマ特区「初情事まであと1時間」
MBS 木曜 深夜0:59~1:29
tvk 木曜 午後11:00~11:30
チバテレ 金曜 午後11:00~11:30
テレ玉 水曜 深夜0:00~0:30
とちテレ 木曜 午後10:30~11:00
群馬テレビ 木曜 午後11:30~深夜0:00
<配信情報>
見逃し配信:TVer、MBS動画イズム、GYAO!(全8話)
見放題独占配信:TELASA、J:COMオンデマンドほか(全12話)
【プレゼント】
サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
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https://twitter.com/TVGweb/status/1435154416563195906
【締切】2021年10月4日(月)正午
TBS担当 A・M 撮影/蓮尾美智子
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