柄本佑&金子大地、映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」で共演 「(柄本の妻役)黒木嬢も佐和子さんも不可思議な感じだよね」2021/09/08
漫画家夫婦に起きた不倫を、スリリング&ユーモラスに描いた映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」より、不倫した夫役の柄本佑&妻の不倫相手と疑われる教習所教官役の金子大地が登場!
── 完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
柄本 「漫画から現実、現実から漫画に切り替わる部分が事細かに書かれていたので、脚本の段階からどうなるのか楽しみでした。完成を見たら、まさに脚本どおり。監督は確信を持って書かれていたんだなと」
金子 「僕は佑さん演じる俊夫さんに感情移入してしまいました。哀愁があってチャーミングで、すてきですよね。もちろん不倫は悪いことですし自業自得ですが、とても優しい人だなと」
柄本 「そうかね?(笑)。俊夫は明らかに不倫に向いていなくて、“もののはずみ”でしちゃったのかなと、自分なりに解釈して演じてはいました」
金子 「僕が演じる新谷との仲を疑って、教習所にのぞきに行くくらい奥さんのことが好きなんだなと思いました。反対に、黒木(華)さん演じる佐和子さんの方が謎で怖かったです」
柄本 「黒木嬢も佐和子さんも不可思議な感じだよね。総じて、一番楽しんでいるのは奈緒さんが演じた浮気相手の千佳さん…」
金子 「一番悪いのに…」
── 堀江(貴大)監督とは、どのようなお話をされましたか?
金子 「妄想なのか現実なのか、どちらにも振れるように演じてほしいと言われました。漫画寄りにしつつ、現実のようにも見せなければいけなかったので、難しかったです」
柄本 「僕は、100%悪いのは俊夫だけど、見終わった後に“しょうがないやつだな”と思ってもらえるような、人間らしい人にしたいと言われていたので、そこは常に意識していました」
── お二人は今回、共演されてみていかがでしたか?
金子 「もうとにかく緊張しました。最後のシーンに出演者が全員集合するのですが、隣に風吹(ジュン)さん、正面には佑さんですから…。本当に貴重な経験をさせていただきました」
柄本 「金子くんは、うまくとれた煮干しのダシのような役者さんだなと。えぐみがなくてコクがあるというか。男前なのにどこか匿名性があって、これまでの出演作も毎回、顔が違うんです。だから今回のようなミステリアスで情報の少ない役はピッタリですよね。えぐみは出すよりも消す方が難しいので、さらりと消した芝居ができる、すてきな俳優さんだと思います」
金子 「うれしいです、すごく!」
── 現場では柄本さんから監督へ提案することもあったとか?
柄本 「提案できる空気に監督がしてくださっていたとは思います。不倫がバレた後、佐和子以外の人たちとご飯を食べるシーンがあるのですが、いよいよ佐和子と向き合うために2階にかけ上がっていくタイミングで、俊夫はオクラを持っていて…。その時、監督に“食べてから行きます? 食べずに行きます?”と聞いたら、“食べましょう”と。僕も食べるだろうと思っていたので食べてから上がったのですが、あらためて考えると、そういう時にオクラを食べるようなやつだから不倫もしちゃうんだなと。本当はオクラどころじゃなく、箸も捨てて上がっていかないといけないのに…」
金子 「確かに、普通に食欲があることがすごいですよね(笑)」
柄本 「選択を間違えちゃう」
金子 「この作品は、結婚している方としていない方とでは、感想が全く違うと思います。ただ、不倫モノなのにドロドロしていなくてポップに描かれているので、幅広い方々に楽しんでいただけるのではないかなと」
柄本 「監督は、老若男女が楽しめる王道のエンターテインメント作品を目指されていて、まさにそんな作品になったと思います」
【OUR『夫婦』MOVIE】
柄本 「小津安二郎監督の『風の中の牝雞』(1948年)。夫の復員を待つ田中絹代さん演じる妻が、子どもが高熱を出した時にお金がなくて、一度だけ身体を売ってそのお金で子どもを病院に連れて行くんです。戦地から帰った夫にそのことを話すんだけど、夫は許せなくて。“許してあげてよ”とも“言わなくてもよかったのに”とも思うんだけど、許せなかったし言わずにはいられなかったと。夫婦の情を描いた激しい映画です」
金子 「面白そうですね。なんだか佑さんの後に言うのが嫌だな…(笑)。僕は『ブルーバレンタイン』(2010年)。過去と現在が同時に進んでいく話で。とても仲の良かった夫婦の仲がどんどん悪くなって、顔つきも生活も荒んでいくんです。主演のライアン・ゴズリングが役作りで髪を抜いて挑んでいて、すごいなと思いました」
柄本 「最近だと『マリッジ・ストーリー』(19年)もいいよね。アダム・ドライバーがでかいのが面白くて」
金子 「僕も見ました! 独特な雰囲気で面白かったですよね」
【プロフィール】
柄本佑(えもと たすく)
1986年12月16日、東京都生まれ。射手座。近年の出演作にドラマ「知らなくていいコト」(2020年)、「天国と地獄~サイコな2人~」(21年)、映画「心の傷を癒すということ劇場版」「痛くない死に方」(ともに21年)ほか。来冬に「真夜中乙女戦争」が公開待機中。
金子大地(かねこ だいち)
1996年9月26日、北海道生まれ。天秤座。A型。近年の出演作にドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(2019年)、主演映画「猿楽町で会いましょう」(21年)ほか。ドラマ「#家族募集します」(TBS系)に出演中。22年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では源頼家を演じる。
【作品情報】
映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」
9月10日公開
結婚5年目の漫画家夫婦・佐和子(黒木)と俊夫(柄本)。佐和子の新作のテーマは「不倫」。夫婦に似た姿で描かれる物語に、佐和子の担当編集・千佳(奈緒)と不倫していた俊夫は焦る。さらに、物語は自動車教習所教官の新谷(金子)と佐和子の淡い恋へと急展開し…。
監督・脚本/堀江貴大 劇中漫画/アラタアキ 鳥飼茜
出演/黒木華 柄本佑 金子大地 奈緒 風吹ジュン
【プレゼント】
サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/news/present/
(応募期間:2021年9月8日正午~9月15日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」9月17日号(P98)をご覧ください。
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取材・文/石本真樹 撮影/山本絢子 ヘア&メーク/星野加奈子[柄本]、Taro Yoshida(W)[金子] スタイリング/林道雄[柄本]、千野潤也[金子] 衣装協力/ジョルジオ アルマーニ[柄本]
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