連続ドラマW　ゴールドサンセット2025/03/31 00:00

記者会見情報

「連続ドラマW ゴールドサンセット」の完成報告会が行われ、主演の内野聖陽と、監督の大森寿美男さんが登壇した。白尾悠さんによる同名小説を元に、後悔、追憶といった人生の機微を描く本作。内野は、一人大声をあげたり、どこかおかしな振る舞いで隣人の女子中学生に不審がられる謎の老人・阿久津勇の、30代以降から80代までを演じる。その年代を内野に依頼した意図について、大森さんは「阿久津はむちゃぶりが多くて難しい役。さすがに20代は平埜生成さんにお願いしたのですが、30代から老人までは一気に流れを見せなくてはいけないという設定で、一人の役者さんにやってもらわないと時間の流れや心のうつろいが表現できないと思ったので、内野さんにやってもらおうとお願いしました」と、思いを吐露した。対して、内野は「最初、20代の頃も全て俺がやるという話がありましたが、それはもう勘弁してくださいと断りました」と笑った。

老いを見つめることは、そんなに苦しいことじゃないと希望を感じていただけたら（内野聖陽／阿久津勇）

原作を読んだ時、ちょっと難しいし、とっつきにくいなと思ったのですが、2度目に読了した後、拍手したくらい「なんて素晴らしい本なんだ…」と思いました。これを、信頼している大森さんが監督すると聞いて「ぜひやりましょう！」と。撮影当時、私は55歳でしたので、自分に80歳近いおじいさんの役ができるのか不安でした。でも、監督から「年を取った阿久津を見たいのではなくて、精神が老けてしまっている阿久津を見たい」と言われて、それならできるかもと思って参加しました。われわれも確実に老いていくわけで、「老い」は大きなテーマの一つだと思います。そういうものを扱い、なおかつその中で生き直しじゃないですけれども、老いてさらに豊かにならんとする姿勢って、これからはとても大事なのかなと思います。そういったテーマがこのドラマにちりばめられていて、僕は本当に宝石のようなお話だなと思いました。なので参加させていただいたわけですけれども、皆さまも同じように老いを見つめることは、そんなに苦しいことじゃないんだと、希望を感じていただける作品になっていますので、どうぞじっくり楽しんでいただきたいなと思っております。