Shrink（シュリンク）―精神科医ヨワイ―2024/09/02

記者会見情報

NHK総合ほかで放送の「Shrink（シュリンク）―精神科医ヨワイ―」の会見が行われ、主演を務める中村倫也と、共演の土屋太鳳が出席した。精神科開業医・弱井幸之助役を演じた中村は、「何とも言えない気持ちになるニュースが多い中、精神医療を扱う内容で、作る意義のあるドラマだなと実感しています。たくさんの人に見てもらって知っていただくことが大切なのかなと思います」と本作の内容に触れ、看護師・雨宮有里役を務めた土屋は、「大切なことに向き合う物語。見てくださる方々の心の根っこを温かくできる作品です」とアピールした。お互いの印象について中村は、「（土屋は）すごく細かいことに気が付いて、物づくりする上でしっかり一つ一つを気にかけながら作る方」とコメントすると、土屋は「（中村は）現場の空気と作品の空気をふわ～んと重ねて、溶け込んでいくように役に入っていくような方だと思いました」とそれぞれ語った。

主は病と病に向き合う人で、僕は主演だけれど主演じゃないドラマだと思います（中村倫也／弱井幸之助）

変な言い方になるかもしれませんが、（僕が）主演だけど、主演じゃないドラマです。主は病と病に向き合う人で、そのことを多くの人に知ってもらうための作品。病が真ん中に来ているのはすごく新鮮でしたし、病にフォーカスしてほしかったのでうれしかったです。俳優の仕事としては、病をテーマに演じることは難しくて繊細で、すごくエネルギーがいることでした。基本的に台本以外に活字を読まないのですが、今回は分厚い本を10冊ぐらい読みました。精神科医役なので、リアリティーを言葉に載せられるように勉強したのですが、切りがなくて…。やってみたい役柄を問われた時に「演じたことのない医者ですかね」と答えていたのですが、簡単に言っちゃ駄目でした。特に難しかったのが、医者としての患者さんとの距離感。弱井が「患者の問題に踏み込みすぎなんだよ」と言われるシーンがあるのですが、弱井ほど患者に寄り添う精神科の先生は、実際にはいない。人としてはつらい状況の患者に心が引き寄せられるけれど、医者として、その場に居続けなきゃいけない。「こんな先生がいたらいいな」という理想と、精神医療で正解だとされてるリアリズムのバランスを常に探していました。

弱井先生と視聴者の架け橋になるつもりで演じました（土屋太鳳／雨宮有里）

自分の出ている作品を見るのが苦手で、自分の出演作を見ていると、反省ばかりしてしまうのですが、（今回第1話を見て）そういった不安や緊張も、弱井先生が温かくてりんとしたまなざしで包み込んでくれたので、たくさんの方の心を温かくする作品になると感じました。（中村は）現場の空気と作品の空気をふわ～んと重ねて、溶け込んでいくように役に入っていくような方だと思いました。倫也さんの性格だったらもっと空気を壊すことはできるんだろうけど、患者さんのお芝居もあるので、空気を壊さないようにその場に座ってシーチキンのおにぎりを食べて、突然歌いだすという…。それに監督が乗って…いい声で歌っていました（笑）。歯医者で治療を受けるように、心もケアが必要だと思うんです。心の中の必要ないものを取り除いてくれる場所がもっと増えてほしいですね。雨宮のキャラクターは原作とは少し違うので、どう演じるか悩みましたが、弱井先生が先生らしくいてくれるおかげで、雨宮の役割は変わらずに済みました。視聴者の皆さんが『なんで？』と思う部分を、雨宮が代わりに聞くことで、弱井先生が答えてくれる。弱井先生と視聴者の架け橋になるつもりで演じました。