浪川大輔◆「曲を通して皆さんにこれからも思いを伝えて歩んでいきますといった意志も込めています」2021/07/07
人気声優の浪川大輔の最新フルアルバムが発売中! “轍”という意味の「Ruts」と題したアルバムは、実に6年半ぶりとなるフルアルバムで、子役時代から活動してきた浪川の過去、現在、未来を詰め込んだ作品になっている。今回、制作秘話や収録の魅力について語ってもらった。
――2ndにして6年半ぶりとなるフルアルバム。制作のきっかけは?
「アーティストデビュー10周年を迎えたということもあり、いいきっかけかなと思って作らせていただきました。ソロプロジェクトでフルアルバムを作る時、1曲制作するだけでも結構なエネルギーが必要で、それが今回のように収録曲が10曲となると、テーマを考えるだけでも大変なんです。ユニットだと、他の方の意見を『なるほど! そういう考えもあるんだ』と聞きながら作ることができるのですが…。もちろん、ディレクターさんなどは相談に乗ってくださるのですが、1人だとどうしても行き詰っちゃう部分があるんですよね」
――アルバムのコンセプトを教えてください。
「生まれた時から未来まで、皆さんそれぞれにさまざまな人生のファクターがあると思うんです。僕の年表を何となく裏に交ぜつつ、歩んできた道が未来へつながっていくことを全10曲で表現しています。だから、タイトルは“轍”を意味する『Ruts』なんです」
――リード曲はアルバムの1曲目となる「“0”」ですね。
「これは、分かりやすく“誕生”を歌っています。どれだけ経験を積んでいろんなことができるようになっても、今の状態から次へ行く時、ゼロからスタートしなきゃいけないことは必ずあると思うんです。そういった意味での“誕生”です。今回のアルバムは、この曲に限らず、皆さんの人生にも何となく当てはまるように作っています」
――2曲目は「Run@Way」です。
「テーマは“デビュー”です。僕の年表で言えば、子役としてのデビューは9歳ですが、人によって、いろいろな“デビュー”がありますよね。例えば、初めて縄跳びをしたとか、初めて人を好きになったとか…。好きなものにがむしゃらに取り組んでみる経験は、ちっちゃい時に、必ずあるはず。そういったマインドは今でも大事なことなのかなと思ったんですね。それで、今の年齢にも当てはまるように“何かを始める”をテーマに作りました」
――では、3曲目の「I am what I am」は?
「これは“思春期”をテーマにしています。思春期には皆さん、いい思い出もあれば、つらい思い出もあると思います。何かにつけて悪態をついて『中二病』なんて言われたり、何かにつけて必殺技を出してみたり(笑)。うまくいかないことがほとんど…といったイメージもあります。歌詞では、そんな状態を分かりやすく表現しています。曲調は、氣志團さんの曲のようなやんちゃなイメージです」
――4曲目の「Great reversal」は、浪川さんのライブではギタリストとしておなじみの大内慶さんが作詞・作曲・編曲を手掛けていらっしゃいますね。
「毎回、バンドメンバーに1曲は書いてほしいと思っているんです。これは“青春”がテーマ。思春期と青春は、ちょっと違う気がするんですよね、僕は。青春時代は、アホなことを言っていてもそれが正解のように聞こえて楽しかったんです。でも、『何が楽しかった?』と問われても『分かんないけど、楽しかった』みたいな(笑)。そんな中で、逆に何か悔しい思いもして…。歌詞に『逆転ホームラン』とあるように、いきなり大逆転が起きることもあって、間違っているかもしれないけれど、一生懸命、突き進んでいくパワーみたいなものが大切なのかなって思うんです。それをあえて子どもっぽい感じで表現しています」
――6曲目の「太陽」は恋愛の歌にも聴こえます。
「テーマは“葛藤”。僕が大学卒業ぐらいの時に思ったことをイメージしています。実は、これはカバー曲なんです。恋愛を連想させる歌詞ではありますが、“気にし過ぎてうまくいかない”という内容なんですね。それって、社会人にもあるんじゃないかなと思うんです。“こうやったら先輩とうまくいくんじゃないか”、“こうやったらなじめるんじゃないか”と探るけど、うまくいかない…。皆さんにも絶対あるはず。そういうことをイメージしながら、カバーさせていただきました」
――8曲目の「GAZE」は浪川さんの人生でいうと…?
「これは“挑戦”を歌った曲ですね。僕の年表でいうと、事務所独立です。“これだったらできるかもしれない”というちょっとした希望や望みを一生懸命たぐり寄せて、何かにチャレンジしていく…。その際には、スピード感が必要だったり、かなり踏んばらなきゃいけないこともあったりしますよね」
――10曲目「未定の未来」まで、浪川さんの人生を順序立てて振り返る構成になっているんですね! では、ジャケットのコンセプトも教えていただけますか?
「今まで見てきたもの、歩んできた道、作ってきた一方で壊れていったものなど、人生を表現しています。月が満ちて欠けるといった過ぎ行く時間の中で、曲を通して皆さんにこれからも思いを伝えて歩んでいきますといった意志も込めています。撮影では、雨が降りました。ある意味、順調です。“雨男”とよく言われるので(笑)。好きなカメラマンさんに撮っていただけたこともうれしかったです」
――では最後に、このアルバムを“こんなふうに楽しんでほしい”というファンの方々へのメッセージをお願いします。
「このアルバム全体の狙いがありまして、何かをしながらの“ながら聴き”もしやすいこと。なので、ゆったりとしたミディアムテンポな曲が多めです。ただ、やっぱり自分らしさも出したいので、激しめの曲も入れてバランスは取ったつもりです。リモートワークなど、おうち時間のお供にしていただければうれしいですね」
【プロフィール】
浪川大輔(なみかわ だいすけ)
1976年4月2日、東京都生まれ。牡羊座。B型。アニメ「SCARLET NEXUS」(TOKYO MXほか)に出演中。「声優と夜あそび2021」(ABEMA)に木曜MCとして出演中。7月17日、18日に「Kiramune Presents Daisuke Namikawa 10th Anniversary “LIVE IN POP”」を大阪城野外音楽堂で開催予定。
【作品情報】
2ndフルアルバム「Ruts」
発売中
リード曲の「“0”」のほか、MICROの作詞・作曲による「Run@Way」と「Prisoner」、森久保祥太郎の作詞・作曲による「DISSONANCE」など、ミディアムチューンからロックテイストの楽曲まで全10曲が堪能できる。
【豪華盤(CD+BD)】¥4,620
【通常盤(CD)】¥3,300(写真)
Kiramune Project
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2021年7月7日正午~7月14日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」」7月16日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html
取材・文/仲川僚子 撮影/JOKEI ヘア&メーク/川又由紀(HAPP’S.) スタイリング/村田友哉(SMB International.)
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