斉藤壮馬◆「安心できる兄弟と共にすさまじい先輩方と戦っていけることに、とてつもない楽しさを感じました」2020/11/18
19世紀末のイギリスで腐敗した階級制度を変えようとする、卓越した頭脳を持った青年ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。「シャーロック・ホームズ」シリーズに登場するモリアーティ教授をモデルに描かれた彼が考えた革命の手段は“犯罪”だった――。人気コミックをアニメ化し、現在好評放送中の「憂国のモリアーティ」(TOKYO MXほか)で、どこか本心がうかがい知れない主人公・ウィリアム役を演じているのが、斉藤壮馬だ。原作ファンだという斉藤のウィリアム役への思いや、共演者とのエピソードとは?
――元々、原作コミックのファンだったとお聞きしました。
「書店で本を“表紙買い”するのが趣味の一つなんですが、ウィリアムが表紙になっている原作第1巻を見て、“これは面白そう”だと手に取ったのが出合いです。それに、クライムサスペンスは大好きなジャンルなので、実際に読んでみて、それはもう“面白い!”と思いましたね」
――ウィリアム役はオーディションで決まったとか。
「オーディションは、決まらない時は決まらないもの。自分としては、あまり高望みをしないようにしているんです。やりたければやりたいほど、落ちた時の悔しさがありますし…。それも次への糧にはなるんですけどね。この作品は、原作が好きだったので、なおのことウィリアムを担当してみたい思いが強かったです。実は選考の進捗(しんちょく)を耳に挟んでいて、だんだん候補が絞られている中で『まだ残ってます』と…(笑)。ドキドキしながらそれを聞いていました。結果的にご縁があって出演させていただけることになって、本当にうれしかったですね」
――モリアーティ教授が描かれている「シャーロック・ホームズ」シリーズに対してはどんな印象をお持ちでしょうか?
「『“シャーロキアン”(シャーロック・ホームズの熱狂的ファン)の方たちのように好き』みたいなことは全然言えなくて、シリーズを何冊か読んだことがあるぐらいなんです。モリアーティ教授といえば、僕は大槻ケンヂさんがすごく好きなんですが、筋肉少女帯の『ペテン』という歌の歌詞にも、“ライヘンバッハの滝の上~”とあるんです(ライヘンバッハの滝の上で、ホームズとモリアーティが対決する)。モリアーティ教授のイメージというと、その影響がありますね。個の力で都市を掌握しようというのは、一読者としてすごく興味深い立ち位置です。『憂国のモリアーティ』でのウィリアムは、『シャーロック・ホームズ』シリーズに敬意を表しつつ、新しいですよね。今の時代にマッチしていて、すごくカッコいいです」
――ウィリアムと共に行動する兄のアルバート・ジェームズ・モリアーティ役が佐藤拓也さん、弟のルイス・ジェームズ・モリアーティ役が小林千晃さんなどキャストも豪華ですが、共演者の方のお名前を聞いた時はいかがでしたか?
「漫画を読んでいる時は、“このキャラクターはこの方が声を当てられそうなイメージだな”と考える時もあれば、考えない時もあります。『憂国のモリアーティ』の場合は、そこまで考えずに作品を楽しんでいました。ふたを開けてみると、皆さん、そうそうたるメンバーで……! あと、みんな情報が早いんですよ。フレッド・ポーロック役の(上村)祐翔くんは別の現場でお会いした時、『よろしくね!』と言ってくれたけれど、その時、僕はまだフレッド役が祐翔くんとは知りませんでした(笑)。役者としても人としても尊敬している皆さんとご一緒できるので、これから掛け合いをしていく中で、どんなものが生まれていくかがすごく楽しみです」
――アフレコ現場の雰囲気はいかがですか?
「アルバート役の佐藤さんは、もうずっと長くお世話になっている方。ルイス役の千晃くんとは、最近現場で一緒になることが多くて、何だろうな…本当に兄と弟みたいな雰囲気です。お二人ともすごく穏やかで優しい方なので、休憩中はのんびりした雰囲気が漂っています。1話(10月11日放送)のアフレコで、“アルバートとルイスはこういう感じ”とちゃんと分かったことが印象的でした。最初に3兄弟でしゃべるシーンがあって、そこでの違和感がまったくなかったんです。“すごくいい3人組になれるだろうな”という予感がありました。それがとてもうれしかったですね。それと、ゲストの方が豪華すぎる! 1話では、てらそま(まさき)さんが敵役を演じられました。アドリブでの息のお芝居一つ、呼吸一つで全てが伝わる感じが圧倒的でしたね。安心できる兄弟と共にすさまじい先輩方と戦っていけることに、とてつもない楽しさを感じました」
――ウィリアムと頭脳戦を繰り広げるシャーロック・ホームズ役は古川慎さんですね。
「古川さんとは、いろいろな形で共演をさせていただいているのですが、今回のような立ち位置での掛け合いは、今までなかったかもしれません。古川さんもすごく達者な方なので、楽しみですね!」
――演技について、ディレクションはあったのでしょうか?
「『その依頼、クライム・コンサルタントの、このウィリアム・ジェームズ・モリアーティがお引き受けしましょう』というセリフがあるんです。オーディションにもありましたし、今後も彼が言っていくことになるセリフです。しっかりと決まり文句的に際立たせるか、あくまで紳士的なウィリアムとして表現するか、どちらもありえると思いました。最初、はっきりした口調で演じてみたら、音響監督のはた(しょう二)さんから『大事なセリフではあるけれど、音としてくっきり印象付け過ぎなくていいよ』とディレクションをいただきました。そんなふうに、細かいバランスはアフレコが進む中で今後も調整していくと思います。でも、他にはあまり『こうしてください』とは言われなくて。与えられるだけでなく、自分自身でしっかりとウィリアムの考えをそしゃくしディスカッションしていけば、良いものを作っていけると思っています」
――それでは最後に、この先、作品に期待していることを教えていただけますか。
「原作のどういったエピソードをこれから描いていくのか、まだ僕自身も分からないのですが、みんなで作戦を遂行していくようなエピソードは特に興味深いですね。先の話だと、ボンドを誰が演じるのかが気になっています! それぞれのエピソードに映画のような壮大さとスピード感があって見応え十分なので、これからも引き続きお楽しみください」
【プロフィール】
斉藤壮馬(さいとう そうま)
4月22日、山梨県生まれ。牡牛座。B型。アニメ「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima」(TOKYO MXほか)に出演中。12月25日には映画「HoneyWorks 10th Anniversary “LIP×LIP FILM×LIVE”」が公開。
【作品情報】
[憂国のモリアーティ]
11月22日
TOKYO MXほか
日曜 午後10:30~11:00
19世紀末のイギリスで、ウィリアム(斉藤)らが犯罪によって腐敗した階級制度を打ち砕こうと暗躍する。人狩りをしていると噂のある貴族のエンダース(鈴木達央)を仲間たちと共に追い詰めていくウィリアム。シャーロック(古川慎)との出会いは、計画にどのような影響を与えるのか…!?
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年11月18日正午~11月25日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」11月27日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html
取材・文/仲川僚子 撮影/Tim Gallo ヘア&メーク/紀本静香 スタイリング/本田雄己
衣装協力/wizzard/TEENY RANCH、iot tokyo
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