梅原裕一郎◆「“運び屋”って、一言でバチッと決まるセリフが多いんです」2020/11/03
政治と警察の力が衰えたカンサイを舞台に、“アクダマ”と呼ばれる犯罪者たちの生きざまを描くオリジナルTVアニメ「アクダマドライブ」(BS日テレ、TOKYO MXほか)が現在放送中。本作のメインキャストである梅原裕一郎が「恋するVoice!」に初登場! オリジナルならではの世界観のつかみ方や演じている“運び屋”の役作りなどについて語ってくれた。
――「アクダマドライブ」は、サイバーパンクのようなビジュアルをはじめ、独特の世界観を持つ作品だと感じます。オリジナルアニメですが、どのように作品のイメージやキャラクター像をつかんでいきましたか?
「資料を拝見して『アクダマドライブ』特有の空気を感じるといったことはありましたが、基本的に徐々に作り込んでいくことがオリジナルアニメの醍醐味(だいごみ)だと考えているんです。もちろん、最初から皆さんにきちんとお届けできる完成度のものをお届けすることが前提ですが、アフレコを重ねていく中で少しずつ理解が深まり、肉付けされていくことこそが演じていて面白い部分ですね」
――先の展開が分からない中で衝動的に出る声は、オリジナルアニメでしか出せないものかもしれませんね。そう考えると、世界観や展開を全て把握することが必ずしも良いわけではないかもしれないということですよね。
「そうですね。なので、最終話まで見た後でまた1話に戻るとキャラクターの印象が違って見えるという、いわゆる“オリジナルアニメあるある”もあって、それが面白いんです。普通なら気付かないくらいのささいな変化かもしれませんが、それこそがオリジナルアニメの魅力ですね」
――アフレコの際は、監督などに相談はされたのでしょうか。
「してないですね。アフレコでのディレクションのみです。基本的に、セリフによってそのキャラクターがどういう人間かがだんだん分かってくると思うんですが、“運び屋”の場合、仕事のことを話す時にはセリフに意思を感じるんです。そういう台本上のヒントを拾い集めていくのが難しいところでもあり、楽しいところでもあります。それに、オリジナルアニメは見る人に作品やキャラクターのイメージが構築されていないので、ある意味自由に演じられるんですよ。監督さんたちも、イチから作品を作り上げられることを楽しんでいるように思います」
――“運び屋”を演じる上で、どのようなことを心掛けていらっしゃいましたか?
「“運び屋”は人に興味がないので、会話を広げようとせず聞かれたことに簡潔に答えるニュアンスや、クールさを強めに押し出すようにしていました。とはいえ、仕事に対しては真摯(しんし)なので、仕事がうまく進まないときは怒りの感情を出すこともあって…。クールと怒りという狭い幅の中で、“何とか表現しなきゃ”という意識はありました。それから、“運び屋”って、一言でバチッと決まるセリフが多いんです。例えば、何かの作品のオマージュとか…。なので、僕が個性や存在感を出すためにどうしようかと試行錯誤した以上に、セリフが“運び屋”らしさを出してくれたんじゃないかなと思っています」
――これまで梅原さんが演じられたクールなキャラの中でも、難しいタイプでしょうか?
「そうですね。最たるものかもしれないです。しかも『アクダマドライブ』は派手で前に出るキャラクターばかりなので、“埋もれないかな?”という不安も付きまといましたね(笑)」
――ちなみに、“運び屋”はお話にも出た通り、仕事人間で寡黙なキャラクターですが、梅原さんと似ている部分はありますか?
「あまり似ていないかもしれないですね。“運び屋”の仕事との向き合い方は、“僕がそうありたいな”と思っているような向き合い方で、“目指すべき場所”という感覚です。僕自身はもうちょっとふらふらしているので(笑)。僕が似ているキャラって誰なんだろう? チンピラ(木村昴)ほどへらへらしていないと思うんですけどね。近いキャラで言えばハッカー(堀江瞬)になるのかな? 今の僕は、周りの人たちに支えてもらって何とか成り立っている気がします。もうちょっと堂々とできたらいいんですけどね」
――では、もう一つ。“運び屋”のように大金を手に入れられたら何をしたいですか?
「あまり浪費家ではないので、使うよりは増やしたいですね」
――ラジオなどでも、よく投資が趣味だとおっしゃっていますよね。
「そうなんです。なので、投資で増やしたいですね。増やしたところで使い道はないんですけど、“お金はあればあるだけ良いだろう!”っていうことで(笑)。とにかく増やすだけ増やします。きっと“運び屋”の周りで動くお金は毎回高額でしょうから、土地で増やすのもいいかもしれませんね。あとは、“宝くじが当たらないかな”って毎日思っています(笑)」
――最後に…。「アクダマドライブ」は今後も目が離せない展開が続きますよね。
「キャラクターたちの個性を理解していただいて、徐々に“アクダマドライブの世界ってこうなんだ”と分かってきていらっしゃるところかと思います。ご覧になっている方たちは今後の展開を誰も知りません。それこそがオリジナルアニメの醍醐味なので、この先も存分に楽しんでいただきたいです」
【プロフィール】
梅原裕一郎(うめはら ゆういちろう)
3月8日、静岡県生まれ。魚座。O型。「アニメ カピバラさん」(テレビ東京系)に出演中。2021年1月からはアニメ「2.43 清陰高校男子バレー部」(フジテレビほか)、「天地創造デザイン部」「スケートリーディング☆スターズ」(ともにTOKYO MXほか)などが放送予定。
【作品情報】
[アクダマドライブ]
11月12日
BS日テレ
木曜 午後11:30~深0:00
TOKYO MX
木曜 深夜0:30~1:00
政治と警察の力が衰退し、犯罪が横行している架空の国・カンサイが舞台のオリジナル作品。そこで幅を利かせていた“運び屋”(梅原)ら犯罪者“アクダマ”と、彼らの犯罪に巻き込まれた“一般人”(黒沢ともよ)の姿を描く。アニメーション制作はstudioぴえろが担当。
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年11月4日正午~11月11日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」11月13日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html
取材・文/松本まゆげ 撮影/JOKEI ヘア&メーク/時田ユースケ スタイリング/高山良昭
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