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町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第1回「夢であいましょう」最終回(1966年)>2020/10/03

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第1回「夢であいましょう」最終回(1966年)>

 平成3年生まれのシンガー・ソングライターである私、町あかりは、自分が生まれる前の昭和時代の音楽番組に興味津々なのです!

 ネットで検索しただけでも、かつて各局でたくさんの音楽番組が放送されていたことが分かります。それは令和時代に音楽活動をしている身としてとてもうらやましく、憧れます…。そんな珠玉の昭和の音楽番組について熱く語る連載企画がスタート。第1回は、NHKの音楽バラエティー「夢であいましょう」の最終回の放送を、NHKオンデマンドを利用して見てみました。

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第1回「夢であいましょう」最終回(1966年)>

 「夢であいましょう」は、1961年から66年まで放送された30分の生放送番組。映像はモノクロです。土曜午後10時台からの放送とのことで、大人向けのラグジュアリーな番組なのかな……と背筋を伸ばしつつ、再生ボタンをポチッ。最初は、坂本スミ子さんがオープニング曲「夢であいましょう」を艶(つや)と深みのある美声で優しく歌います。

 ウットリと聴いていたところ、フランキー堺さんと黒柳徹子さんが登場。来週からの新番組「夢をあなたに」について紹介しているのですが、2人の掛け合いが軽妙でおかしい! そして突然、坂本九さん、渥美清さん、田辺靖雄さんがピコピコハンマーでたたき合う、トリオ漫才なんかも始まっちゃいました。

 よかったー! お金持ちの大人しか見ちゃダメな番組ではなかった(笑)。誰でもクスクスと笑いながら見られる楽しい音楽バラエティーでした。

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第1回「夢であいましょう」最終回(1966年)>

 楽曲のテーマからも、ターゲットの年齢層の広さがうかがえます。なんとこの番組の「今月のうた」というコーナーから、「上を向いて歩こう」(坂本九)、「遠くへ行きたい」(ジェリー藤尾)、「こんにちは赤ちゃん」(梓みちよ)などの大ヒット曲がたくさん生まれたのだそうです。ビックリ! 私は初めて知りました。すべて作詞は永六輔さん、作曲は中村八大さんによるものです。

 この最終回でも、番組がきっかけで誕生したさまざまな名曲たちが披露されています。田辺靖雄さんの「背のび」という曲では「背のびするのに疲れてしまった」という思春期の憤りがみずみずしく歌われています。

 九重佑三子さんの「抱きしめて」は、結婚前夜の娘が父に対する思いを歌ったハート・ウォーミングな一曲。次に歌われたフランキー堺さんの「坊や」という曲は逆にパパ目線で、幼い子どもを思う愛にあふれた曲。

 渥美清さんが歌う「ひとりもの」という曲は、独身生活を謳歌(おうか)するさまを歌った軽快なワルツ。ちなみにこの3年後、渥美さんは「男はつらいよ」という伝説的映画で主演を務め、その後何十年にもわたって独身男性を演じ続けることとなるのですよね。それを予言しているかのようなユニークな一曲です。

 ほかにも、坂本スミ子さんの「あいたくても」、坂本九さんの「僕と今夜」という大人の恋愛ソングや、歌のないインストルメンタルの曲もあり、そのジャンルの幅広さに驚かされます。どれも人の心に寄り添ったテーマで、あらゆる世代の人々のハートにヒットするような音楽ばかりだと感じました。

 個人的には、特に坂本九さんの歌声にめちゃくちゃ感動してしまいました! 声だけで「坂本九さんだ!」と分かる特徴的な歌唱法。それが日本語なんだけど英語のようにも聴こえるグルーブ感があって、スウィングのリズムにピッタリはまって本当にカッコイイ! 名曲「上を向いて歩こう」で何度も耳にしていた歌声ですが、海外でも大ヒットしたというのはそういった魅力もきっと理由の一つだったのですね。今回、大変勉強になりました。

 そして、コントの時間もたっぷり。現在NHKで放送されている「LIFE!~人生に捧げるコント~」の元祖ともいえますね!

 歌って、演じて、お笑いもこなす出演者の皆さんはまさに「タレント(才能)」と呼ぶに相応しい存在だと感じます。そして、このような歴史的番組に対して私なんかがおこがましいのですが……、こんなに面白くて素晴らしい番組、私も出たい! 歌いたい! 渥美清さんたちとピコピコハンマーでたたき合うコントもやりたいよー!(笑)。

【ご意見・ご感想etc.を募集中!】

町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」に関するご意見・ご感想、ご要望は下記アドレスまで。抽選で、町あかりさんのアルバムを7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp

町あかり

シンガー・ソングライター。2010年から活動を始め、作詞・作曲、編曲、執筆、イラストや衣装制作まで自身で行う。19年には、ビクターエンタテインメントからメジャー5thアルバム「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」をリリース。20年10月に、日本コロムビアから初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。ほか、アーティストへの楽曲提供も行う。映画「男はつらいよ」と昭和歌謡曲、そして文鳥を愛する。

★公式WEBサイト:https://mcakr.com
★オフィシャルTwitter:https://twitter.com/mcakr



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