Series 連載

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー2025/01/08

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

「声優をやっていなかったら、現実世界では生きていけなかったでしょう」

 1月31日に全国公開される劇場アニメ「メイクアガール」。天才科学者の高校生・水溜明(堀江瞬)が、ヒロインである人造人間の彼女・0号(種﨑敦美)を作ることで物語が展開していく。そもそも自分のパワーアップのために0号を作った明は、0号に興味を示さず研究に没頭。次第に彼女として人間味を増していく0号は、自分の中の抑えきれない衝動に戸惑い…!? 明を演じる堀江いわく、「ただのラブストーリーではない」という本作。作品の魅力や、登場するキャラクターについて話を聞いた。

――「メイクアガール」の見どころを教えてください。

「まず、絵がすごく奇麗で、思わず見入ってしまいます。アフレコの時からほぼ完成状態のクオリティーだったので、僕ら役者陣も“このまま公開されるのかな”と思って演じさせていただいたのですが、YouTubeの生配信の時に『アフレコの時点からさらにブラッシュアップする』とおっしゃっていて。完成した映像を見たら、人間の肌やキャラクターの質感、色彩が、それこそパワーアップしていました。また、カメラワークのスペクタクルさには目を見張るものがあります。ハリウッドで予算をかけて制作されたSF作品ばりに、カメラワークがグルグル回ったりしますし、チェイスシーンも迫力があって、あの臨場感はCG作品だからこそ出せるものだろうと思いました。CGアニメと聞くと、敷居を高く感じて食わず嫌いしている人も結構いると思いますけど、そういう人にも楽しんでいただける作品であると、胸を張って言えます。また、安田現象監督がSNSで公開されているショート作品とは異なり、愛と裏腹の憎しみや人間の負の感情もしっかりと描かれていて、ショート作品を見て安田監督の作品のファンになった方はすごく驚くと思いますし、話の構成も巧みなので、安田監督の作品を初めて見るという方でも、すごくハマれる内容です」

――いわゆるロボットと人間の恋という題材は、古くからSF作品の定番ですが、そういった過去作品のどれとも違う、まったく新しい解釈と展開だと思いました。“サイバーラブサスペンス”というキャッチコピーは、まさしくという印象です。

「はい。ただのラブストーリーではありません。それこそ僕自身も、ラブストーリーを前提にしたお芝居をしていませんし、これは僕が演じた明の受け止め方の問題ですが、むしろ“愛は呪いだ”と思いました。明にとってのターニングポイントになった、幼少期に母親からかけられた言葉があって。それが明にとっては励みでもあり、呪縛にもなったんです。愛というものは、いつどっちに転んでもおかしくないんだなと感じさせる脚本でした」

――アフレコの時点で映像はほぼできていたとおっしゃっていましたが、映像があって良かったと思えた部分はありましたか?

「脚本がしっかりできあがっていて、なぜこういう言葉を発するのか、というセリフの根拠もしっかりしていたので、映像がないと読み取れないみたいなところはありませんでした。でも、キャラクターとキャラクターがどれだけ離れているかなど、距離感を正確に把握するといった物理的な面では、映像があって助かったところがあったと思います。ちなみに、ディテールの部分で、完成した映像を見て“こういう場所でパソコンをカタカタやっていたんだ”とか、“おお! すげえ!”と感じたシーンもありましたけど、それはもう視聴者の目線という感じでした」

――明というキャラクターについて、どう思ったか教えてください。

「アフレコの時は、明と一心同体なので違和感は感じませんでしたが、いち視聴者として改めて明を見た時は、“結構ズレている人”だと思いました。そもそも自分が作った人造人間を学校に連れて来て、おそらく転入手続きもしたのだと思うし。その子を彼女にして、人間性を学ばせるためにファミリーレストランでアルバイトをさせるなど、考えてみるとかなり常軌を逸しています」

――そんな明と友達でいてくれる、大林邦人(増田俊樹)についてはいかがですか?

「邦人は、性別問わずみんなが好きになるタイプ。決して生徒会長タイプというわけでもなく、普通に遊びも知っていて。どの道に進んでも成功しそうです。将来は、証券会社でバリバリ働いて、営業成績もきっといいタイプでしょうね。明に対して変に同情するわけでもなく、とてもフラットに接していて。僕にはそういう友達がいなかったから、とてもうらやましいです(笑)」。

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

――学生時代に邦人みたいなクラスメートはいませんでしたか?

「いませんでした。一緒にお昼を食べる契約をした契約者(友達)はいましたけど、彼が学校を休んだ時は、1人で階段で食べていました(笑)。今も邦人みたいな人とあまり関係性を築けていないことを踏まえると、仮にそういう人と学生時代に出会っていたとしても、特に関わりなく過ごしていただろうなって思います」

――では、明が発明に夢中になったように、学生時代に堀江さんが熱中したことは?

「陸上部でしたけど、夢中になった覚えがなく…。ただ、夢中であるように見せかけることは得意でした。要は、サラリーマンの方が上司にゴマをすったり、OLさんがお局さまのご機嫌を取ったりするようなことを、学生時代からやっていたということです(笑)。強いて挙げるならアニメでしょうか。声優をやっていなかったら、現実世界では生きていけなかったでしょう」

――幼なじみの幸村茜(雨宮天)についてはいかがでしょうか? 明にちょっと恋心を抱いているようでもありますよね。

「茜は、どこかのグループに属しているとか何かのリーダーをやってるタイプでもなくて、“クラスにいたかも”と思えるすごくリアルな存在感があります。茜に関する好きなシーンがあるんですが、『友達とお昼ご飯を食べるように』と明に言われた0号が家事手伝いロボットのソルトと一緒にいるのを見て、食べ物を持った茜が、独り言のように『だって冷めちゃうでしょ』って言って、近くに座るんです。0号に対するさりげない気遣いがあって、そこに茜の良さが詰まっているなと思いました」。

――そして、物語のメインである、0号の魅力はどんなところだと思いますか?

「嫉妬をして、かわいい焼きもちを焼く瞬間もあって、いじらしくて、女の子らしいかわいさを感じます」

――0号は、最初はロボットっぽくて、だんだんしゃべりが滑らかになっていくので、種﨑さん的には苦労もあったのかなと。

「ああ、確かにそうですね。今、言われてハッとしましたけど、0号はそういう変化があるキャラクターなので、種さん(種﨑)は大変だったのかもしれません。ただ、明はそういうことに気付くタイプじゃないので、僕も言われるまで気付きませんでした(笑)」

――それくらい明に成り切っていたと。明はパワーアップするために0号を作りましたが、堀江さんにとって、あるとパワーアップするものは何ですか?

「猫とゲームとテレビです。家に帰るとまずテレビをつけて流しながら、膝に猫を抱えてゲームをします」

――「メイク“アガール”」に引っ掛けて、“気持ちがアガール(上がる)もの”ものは?

「龍角散のど飴です。“アガール(上がる)”と言うより“アゲール(上げる)”ですけど(笑)。口に含んでいないと不安で、ライブや朗読劇の時は、リスみたいに頬に入れています。しゃべりにくくもないし、口から出ちゃうこともありません。実は『メイクアガール』の収録中も、ずっとなめていました。皆さんには、気持ちが上がったり下がったり、いろいろ考えながら『メイクアガール』を楽しんでいただけたらうれしいです」

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

【プロフィール】

堀江瞬(ほりえ しゅん)
5月25日生まれ。大阪府出身。アニメ「妃教育から逃げたい私」(TOKYO MXほか)に出演中。2025年放送の「カラオケ行こ!」にも出演。

【作品情報】 

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

「メイクアガール」
2025年1月31日公開

SNS総フォロワー数が600万を超えるアニメーション作家・安田現象がクラウドファンディングで制作した劇場用長編アニメ。天才高校生の明(堀江)は、クラスメートの邦人(増田俊樹)の言葉で、人造人間の彼女・0号(種﨑敦美)を作る。明と0号の関係の行方は?

【プレゼント】

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:1月8日正午~1月15日午前11:59)

はがきでの応募方法は「TVガイド」1月17日号(P82)をご覧ください。

≪生写真告知≫

堀江瞬の生写真特典付きで販売中!
週刊TVガイド1/17号の関東版をアニメイト通販で購入すると堀江瞬の限定生写真を1枚プレゼント!!

※絵柄4種より1枚を選んでご購入いただけます。
※在庫には限りがございます。ご了承ください。
※詳細はhttps://www.animate-onlineshop.jp/

①堀江瞬 特典生写真A
https://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/3029933/

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

②堀江瞬 特典生写真B
https://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/3029934/

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

③堀江瞬 特典生写真C
https://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/3029935/

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

④堀江瞬 特典生写真D
https://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/3029936/

「メイクアガール」堀江瞬インタビュー

●週刊TVガイド関東版1月17日号 4冊セット【堀江瞬 特典生写真付き(4種)】
https://www.animate-onlineshop.jp/products/bulk_purchase_detail.php?id=29568

取材・文/榑林史章 撮影/コザイリサ ヘアメイク/松本江里子(M’s hair&make-up) スタイリング/青木紀一郎
 



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.