「EVOLVE」蒼井翔太インタビュー2024/04/03

「新曲ごとに新しい挑戦は毎回ありますが、『EVOLVE』を歌い終わって“こういう曲も歌えるんだな”と自分でも驚きました」

　昨年11月にリリースした約6年ぶりのニューアルバム「DETONATOR」を引っ提げて、大阪、愛知、東京の3都市4公演でライブツアーを行った蒼井翔太。息つく間もなく3月にリリースされた新曲「EVOLVE」は、主人公アレン役を担当するTVアニメ「出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした」（テレ東ほかで放送中）のオープニング主題歌にもなっている。蒼井翔太らしさを残しながら進化し続ける、その原動力とは？

――昨年リリースされたアルバム「DETONATOR」でも新しい蒼井さんを存分に堪能しましたが、今回の新曲「EVOLVE」ではさらなる進化を感じました。

「『DETONATOR』のリード曲『Freestyle Lover』にはタイトル通りいろいろな遊びを入れたのですが、そこからまた進化するということで、自分なりに表現したいことや自分の枠を超える歌い方など、さまざまな見せ方を考えました。今年2月のツアーファイナルで『EVOLVE』を披露したことで、蒼井翔太のこれから先への期待、ワクワク感を届けられたんじゃないかなと思っています」

――まだこんな一面があったのかと、うれしい驚きがありました。

「新曲ごとに新しい挑戦は毎回ありますが、歌い終わって“こういう曲も歌えるんだな”と自分でも驚きました。1曲1曲歌い終えるごとに、もっとみんなに伝えたいという気持ちが生まれてくるし、自分自身のその先がふっと明るく照らされた気がして、まだまだ行ける！と確信しました（笑）」

――楽曲に新しい一面を引き出された感覚でしょうか。

「もともと自分の中に眠っていたものを、自然と引き出された気がします。呼び覚まされた感じかな」

――どこまで進化していくのかと期待がどんどん高まります。

「進化っていろいろあると思うんです。これまで蒼井翔太として“変わらず変わる”…そんな七変化をしてきました。『EVOLVE』での進化はどのような表現にするのかと考えた時に、今まで本当にいろいろなことをやってきたなと。ある時は王子様のように、ある時は着物姿で麗しく。内面の進化を伝えるのもいいけれど、やっぱり目から入る情報ってすごく大事。最初に飛び込む情報だから、ビジュアルで“今回も違うぞ！”というサプライズを届けたい。そのために、これまでやってこなかった自分のコンプレックスを見せるというのもありかなと思って。顔の骨格をあらわにしてこなかった僕が、髪をオールバックにして顔をしっかり見せるだけで印象はガラッと変わる。“変わらず変わる”ということは蒼井翔太らしさも残すという意味で、“僕ならでは”のアイテムとしてアームウォーマーも取り入れました」

――蒼井さんのイメージを残しつつ進化させる…ファンの心をくすぐりまくりですね。ガラッと変わったビジュアルへの反響はいかがでしたか？

「見るたびにドキドキするとか、ゲームのキャラクターみたいとか、衝撃は受けていただきつつ美を褒めてもらっております。大成功です！」

――視線がとても印象的なので、皆さんがドキドキする気持ち分かります！

「カラーコンタクトをつけて目に光を当てて、しっかりと色を出しています。蒼井翔太自身、そして僕が演じるアレンというキャラクターが持つ、“まだすべてを知られてはいない”といった雰囲気が瞳に宿っている感じがして、とても気に入っています」

――まだまだ新しい蒼井さんが潜んでいるわけですね。

「そう思いたいです。僕自身が気づいていない蒼井翔太もいるかもしれないので」

――MVもめちゃくちゃカッコよかったです。

「会社帰りの方や、これから夜の街に繰り出す方たちが集まる繁華街などでも撮影しました。朝早くから夜中まで、さまざまなスポットに行ったので、体力的にはかなりハードスケジュールでした。でも、すごくやってみたかったシチュエーションだったから、すごく楽しくて。1日中ウキウキでバス移動していました」

――人が多く行き交う場所での撮影だったようですね。

「ビジュアルがガラッと変わっていたせいか、はっきり僕だと気付く人は少なくて。“蒼井翔太かもしれない”という書き込みを見かけました（笑）。繁華街という場所柄なのか、面白い勘違いもあって反応を見るのも楽しかったです」

――前回のインタビューはTikTokを開設したタイミングでした。スタートから半年ほど経ちましたが、いかがですか？

「みんなの“好き”が集まる場所だからすごく楽しいです。難しいのは、はやりに乗ること。分からないこともまだまだたくさんあるけれど、相談しながら自分なりに研究してやっています。人とかぶるのが好きじゃないし、あまのじゃくだからはやりの流れに逆行するのはすごく得意。だけど、かぶる・かぶらないではなく自分の好きを誰かの好きと共有してシンクロできる、すてきな場所だと思っています」

――同じタイミングで、華道や陶芸などにも挑戦したいとおっしゃっていましたが。

「言ってはみたものの、お花や陶芸って結構ハードルが高いなと思って（笑）。自分の心を表現するものを探していたのですが、最近やっと見つけまして…」

――見つかりましたか！

「コラージュノートを始めました。心をためていく…といった感じで、今の僕にすごく合っている気がします」

【プロフィール】

蒼井翔太（AOI SHOUTA）

8月11日、福井生まれ。B型。声優・アーティストとして活躍中。近年の主な出演作は「カードファイト!! ヴァンガードwill+Dress」（22～23年）、「名探偵コナン犯人の犯沢さん」（22年）ほか。出演する映画「ツキウタ。劇場版『RABBITS KINGDOM THE MOVIE』」が6月14日（金）公開。