「わたしの幸せな結婚」西山宏太朗 インタビュー2023/08/02
「あまり多くのことを求め過ぎないことが、幸せの定義ではないけど、幸せを感じるために必要なことなんじゃないかなって思います」
累計発行部数700万部突破(※電子・コミック含)の原作小説「わたしの幸せな結婚」(顎木あくみ著/月岡月穂イラスト)は、コミカライズのほか、今年3月に目黒蓮、今田美桜ら今をときめく豪華俳優陣によって実写映画化もされ、待望のテレビアニメ化が現在放送中。舞台となるのは、明治大正を思わせる架空の時代。心を閉ざしているエリート軍人・久堂清霞(石川界人)と、家で使用人同然の扱いを受け、継母・斎森香乃子(植田佳奈)と異母妹・斎森香耶(佐倉綾音)らに虐げられ続けていた斎森美世(上田麗奈)の、政略結婚から始まるラブストーリーとなっている。冷酷無慈悲とうわさされていた清霞に最初こそつらく当たられた美世だが、日々彼のために料理を作るうち、少しずつ心を通わせていく。だが、2人の前には、まだまだ数々の障壁が立ちはだかることとなる。物語の序盤、そんな美世の支えになっていたのは、彼女の幼なじみである辰石幸次。彼を演じている西山宏太朗に、作品について話を聞いた。
――放送スタートの約1カ月前となる6月4日に、「わたしの幸せな結婚」のキャストトーク付きリアル&オンライン同時先行上映会が開催されました。そこには、上田麗奈さん、佐倉綾音さん、五道佳斗役の下野紘さんと共に出演されていましたが、どんなイベントでしたか?
「ステージからちらっと客席を見た時に、すごく作品を楽しみにしてくれているのを感じたし、老若男女、年齢も性別も関係なくいろんな人が見に来てくれていたんです。作品の話をしている時も、すごくリアクションをくださって。おそらく原作ファンの方がたくさんいらっしゃったと思うんですけど、同じ作品を愛する者としてあの場にいれて、とても幸せでした」
――西山さんが演じる辰石幸次は、美世の幼なじみで、美世が屋敷で香乃子や香耶に虐げられてつらそうな時、唯一の支えになっていました。でも、香耶と婚約をするという家同士の取り決めに逆らうことができずに、余計傷つけることになってしまうわけですが…。
「幸次は、支えになっていたというところでは優しい人だと思うんですけど、美世に手を差し伸べてあげたいけど、なかなかあと一歩が踏み出せなかったんですよね。そのあたりの心理描写もすごくリアルで、めちゃめちゃ共感してしまいました」
――時代背景的に、家同士の取り決めが絶対で“異能”の力が必要な世界でそれも足りないとなると、従わざるを得ない気持ちも、痛いほど分かるんですよね…。
「仕方ないよな~って思いますよね…。女性からしたら、“もっと引っ張ってほしい”とか、“もうちょっとグイッてきてくれたらいいのに!”って思うんでしょうけど、もう一歩が踏み出せない。そういう意味で、幸次は自分自身にも優しかったんだろうなって思います」
――でも、幸次にもこれから変化はありますからね。
「そうですね。今のままでの幸次では終わらないでほしいし、“彼も見せる時は見せるんだよ”っていうシーンもあるので。彼の美世に対する優しさに、うそ偽りはないので、それは見てほしいです」
――逆に香耶は、美世よりも上にいなければいけないと思って、美世に執着していますけど、それもある意味かわいそうというか。
「香耶もある意味で被害者なのかなって思ってしまいます。ああいう環境で育ったからそういう風になってしまっていて、両親を見ていて誰かを傷つけるのが当たり前になってしまったというのはあると思うんですよね。ただ、そんな香耶も変化していくと思うので、これからどうなっていくのかは楽しみにしていてください。でも、香耶のことをかわいそうだと思いながらも、香耶みたいな人がいるから物語が動いているんだなと思うんですよ(笑)」
――確かに、香耶がいい子だったら何も起こらないで終わってしまいますからね。
「そうなんです。結局、香耶は美世が幸せであることが許せないだけなんです。だから、美世の持っているものを全部自分のものにしてしまおうとする。彼女には、もっと自分の幸せを見つけてほしいなって思います」
――この作品のタイトルにちなんで、“幸せ”と“結婚”についても伺いたいのですが、まず“幸せ”って何だと思いますか?
「僕、犬を飼っているんですけど、犬が好きなことをして楽しんでいるのを見ているのが好きで、そういうのが幸せだなって思うんですよね。そういう日常がすごく幸せだから、すごくそばにあるものなんだと思うんです。『幸せになりたい』って言ったら、今が幸せではなくなるみたいな感じがするし、今が幸せだと思っていたら幸せになれるような…。あまり多くのことを求め過ぎないことが、幸せの定義ではないけど、幸せを感じるために必要なことなんじゃないかなって思います。ありがたいことっていっぱいあるので」
――本当にそう思うんですけど、それっていつ頃から実感し始めたのですか?
「きっかけとかは特にないと思うんですけど、なんとなく5年くらい前?(笑) この仕事をしているので、欲はもっと持っていなきゃいけないと思いますし、何か頑張った後においしいごちそうを食べて、“幸せ!”ってなったりもしますけど、日常的に、ああなりたいとかこうなりたいと考えすぎると、結構しんどくなるじゃないですか。幸せって探せばいっぱいあるのになって思ってしまうんですよね」
――では、“結婚”についてはどうですか?
「周りを見ていると、“大変そう~”って思ってしまうんですけど(笑)。でも、うちの両親はすごく幸せそうにしていたなって思うんです。ケンカをしているところはほぼ見せなかったかな。もちろん抱えていることや悩みはあったんだろうけど、言い争っているのは見たことがなく、仲良く過ごしているので、うちの両親を見ると理想だなって思います(笑)。しかも、父は公務員で土日が休みだったので、幼少期はよく遊んでくれたんです。だから『わたしの幸せな生活』って感じでした(笑)。なので、親孝行しないとなって思っています」
――8月でTVガイドが61周年を迎えたのですが、西山さんは何か長く継続していることってありますか?
「継続中なことはピラティスなんですけど、リラックスのためにやっているというよりは、インナーマッスルを鍛える目的で始めたんです。最初に姿勢を正されて、『重心が偏っていますね』っていうところからトレーニングをするんですけど、始めてからだんだん姿勢が良くなり、歩く時も立っている時も楽になったんですよね。“姿勢だけでここまで生きやすくなるんだ!”と思いました。まだ、ずっと姿勢がいいというところまではできていないんですけど、正しい姿勢を知っておくだけでも大切だと思うんです。この作品のお仕事で和装を着たりもするので、そんな時も、こういう風に立ったらこう見えるというのを理解しておくだけで役に立つなと感じます。なので、今後も続けていきたいです。実は、めちゃめちゃ飽きっぽい性格なんですけど、3カ月を越えて半年続いているので、次は3年を目指していきたいです(笑)」
――では、テレビに関する思い出はありますか?
「ずっとテレビを見ていたから、好きな番組はたくさんあるんですけど、小学生の頃、テレビ東京でお昼にやっていた『ハロー!モーニング。』(2000~07年)が好きで、めちゃめちゃ見ていたんです。モーニング娘。が好きだったのですが、アイドルたちがコントをしたり、ゲームをしたり、バラエティーを思い切りやっている姿を見て、さらに好きになったんですよね。それで今、『ハロドリ。~HELLO!PROJECT 25YEARS~』(テレビ東京)のナレーションを僕が担当させてもらっているんですけど、好きで見ていたものに関われることに幸せを感じています」
【プロフィール】
西山宏太朗(にしやま こうたろう)
10月11日、神奈川県生まれ。B型。10月5日より放送予定の「魔法使いの嫁 SEASON2」(TOKYO MXほか)などに出演。「ハロドリ。〜HELLO!PROJECT 25YEARS〜」(テレビ東京)にナレーターとして出演中。「オハ!よ〜いどん」(NHK Eテレ)ではオハローの声を務めている。
【作品情報】
「わたしの幸せな結婚」
8月9日
TOKYO MXほか
毎週水曜 午後11:30~深夜0:00
今年実写映画化もされた話題の小説がアニメ化。親の勝手な取り決めのせいで、美世(上田麗奈)は幼なじみの幸次(西山)からも離れ、冷酷無慈悲とうわさされた清霞(石川界人)のもとへと嫁ぐことになった。だが、彼と触れ合ううちに、そのうわさが事実でないことに気付いていく。
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(応募期間:8月2日正午~8月9日午前11:59)
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取材・文/塚越淳一 撮影/為広麻里 ヘアメイク/AKi スタイリング/村留利弘(Yolken)
衣装協力/男の着物たけもと、BJ CLASSIC COLLECTION
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