「AYAKA ‐あやか‐」上村祐翔 インタビュー2023/05/24
「幸人と尽義みたいに、寺島さんとも打ち解けられてきているなと感じています」
脚本家集団・GoRAとキングレコードがタッグを組んでおくるオリジナルアニメーション「AYAKA ‐あやか‐」。物語は、上村祐翔演じる八凪幸人が、10年ぶりに故郷である綾ヵ島に戻るところから始まる。“ミタマ”(命脈を流れるエネルギーの塊が地表に出現したもの)という不思議な存在が生息する奇妙な島――。そこで幸人は、亡き父の弟子である沙川尽義(寺島拓篤)、鞍馬春秋(鳥海浩輔)、伊吹朱(梅原裕一郎)の3人と関わり合いながら、島の人たちとも触れ合うことで、閉ざしていた心を開いていく。
――幸人役はオーディションで決まったのですか?
「オーディションです。『AYAKA ‐あやか‐』はオリジナルアニメということで、資料をたくさん用意していただけました。ストーリーやあらすじは大方把握できたので、人間関係が複雑に絡み合いながら幸人が成長していく物語なんだ、面白そうだなと思いました。幸人はいろんな感情の振れ幅があって、自由度が高い中でキャラクターを作れそうだなと思ったので、ご縁があればいいなと意気込んでオーディションに臨みました。だから、演じることができてうれしかったです」
――他のキャストを知った時はどう思いましたか?
「すごいキャスト陣だなと思いました。寺島さんとは共演歴がありますけど、ガッツリ2人で掛け合いでお芝居をすることはなかったんです。幸人にとって尽義はお兄ちゃん的存在になっていくし、2人の空気感は大事にしたいなと思ったので、第1話の収録を楽しみにしていました」
――アフレコでは、お二人で雑談とかもしたり?
「そんなにたくさんは話していません。でも、幸人も尽義と出会ってちょっとずつ打ち解けていくので、キャスト間のコミュニケーション的には、最初からそんなに寄り添わなくてもいいのかなと思ったし、マイク前で生まれるものを大事にしながらアフレコができました。実際、合わせのせりふだったり、かぶりのせりふも多かったので、幸人と尽義みたいに、寺島さんとも打ち解けられてきているなと感じています」
――オリジナル作品ですが、実際に台本を読んでみていかがでしたか?
「幸人として読んだ時に、台本がいろんなことを教えてくれるんですよね。綾ヵ島はこういうところで、“脈接ぎ”(“ミタマ”が暴走し“アラミタマ”となった際に、それを鎮める術者)というのはどういうものなのかっていうのを、父の弟子である3人がしっかり教えてくれる。だから、幸人と同じ気持ちで、“ここはこういう世界なんだ!”って理解していくことができたんです」
――どんな世界観なのかは、幸人に感情移入をして見ていれば分かりそうですね。
「そうだと思います。僕も幸人に身を置きながら読み進めていたのでめっちゃ楽しかったですし、台本から幸人の感情の動き方がしっかりと感じられたので面白かったです」
――アフレコはいかがでしたか?
「収録段階で画が結構できていたので、キャラクターの表情はくみ取りやすかったです。しかも、せりふの尺に関しても『お芝居の方に合わせます』と言ってくださったので、すごく温かい現場だなと思いました。なので、裏でアドリブが入れられそうな時や表情がちょっと変わったところでは息を入れてみたり、トライ&エラーができました」
――画ができていたら尺は決まっているので動かさないのが普通ですけど、良い芝居であれば画の方を変えると言ってくれたということですね。ちなみにアドリブは多かったのですか?
「幸人はだんだん表情が豊かになっていくので、少しずつアドリブが増えていくような感じでした。元々尽義の方がアドリブが多かったので、それを見習いながら…でした」
――尽義については語っていただいたので、鞍馬と伊吹の印象も聞いてよろしいですか?
「鞍馬は、幸人として憧れというか、すごく尊敬している存在ですね。2人の会話の空気感も和やかだし、鞍馬の“アラミタマ”に対する考え方にも、幸人が良いなと本能的に思う部分があると思います。鞍馬の方も幸人をかわいがってくれている感じがあります。伊吹に関しては、攻撃的な印象を受けてしまいます。幸人も頭では分かっているんですけど、彼の抱えているものの激しさに、どこか納得し切れないところがあるのかなと。鞍馬と伊吹は考え方がまるで違うんですけど、そこで間を取り持つのが尽義なので、どんどん尽義が頼もしく思えてきます」
――では、アニメで見てもらいたいところはどんなところですか?
「“アラミタマ”との戦闘シーンは迫力があると思いますし、“アラミタマ”のデザインが面白いんですよ! とても和を感じる化け物というか…。“ミタマ”がかわいらしいふわっとした感じなので、そういうところも楽しみにしていてほしいですね。CGの使い方もすごくいいので」
――最後に、上村さんはSparQlewとしても活動されていますが、昨年はアルバム「neon」のリリースや「Kiramune Presents SparQlew LIVE TOUR 2022」もありました。今年も8月と9月に「Kiramune Presents SparQlew Live Tour 2023」がありますが、今のSparQlewについてお聞かせください。
「22年はアルバムのリリースとライブツアーがあって、活動を始めて約5年になるんですけど、新しい試みをみんなでできたのはすごくよかったです。ツアーを通して結束も深まった感じがするので。普段は個人で活動していて、SparQlewになるとみんなで力を合わせて一つのものを作っていく…。そういう仲間がいること自体が、まず僕にとって大きいですね。レコーディングとかイベントで定期的に会うと、みんなの変化を感じたりして、“自分も頑張らないとな!”って思うんです」
――刺激をもらえる関係なんですね。
「役者の上村祐翔として、SparQlewでどう楽曲に臨んでいくのか、どんなパフォーマンスができるのか…。SparQlewの活動では役者をしている時とは違う捉え方をしたりするので、そこも面白かったりするんです。相互作用があるというか。なので、アーティスト活動は自分のもう一つの居場所になっていますね。帰ってきて、『また別の場所でもまれてきます!』と言って別れて、また帰ってくる。そんな場所です」
――ちなみに、メンバーの堀江瞬さんや吉永拓斗さんにも「恋するVoice!」にご登場いただいているんですよ。
「そうなんですね! 拓斗は僕の6歳下なんですよ。そういう後輩の成長を間近で見られることって普通はなかなかないと思うので、“僕もこの時はこういう感じだったな”って初心を思い出すというか、振り返ることができます。なので、彼の存在も僕にとって大きいです(笑)」
【プロフィール】
上村祐翔(うえむら ゆうと)
10月23日、埼玉県生まれ。O型。7月スタートのアニメ「シュガーアップル・フェアリーテイル」(第2クール)にも出演。KiramuneレーベルのSparQlewとして8月2日に2ndミニアルバム「we will….」をリリース。
【作品情報】
「AYAKA ‐あやか‐」
7月スタート
TOKYO MX、BS11
放送日時未定
日本のアニメ界が誇る脚本家集団・GoRAとキングレコードがタッグを組んで描く、切なくも美しい絆の物語。本土の児童養護施設で育った幸人(上村)は10年ぶりに綾ヵ島に戻り、父・真人の弟子の尽義(寺島)、鞍馬(鳥海)、伊吹(梅原)と関わりながら新たな暮らしを始める。
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:5月24日正午~5月31日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」6月2日号(P98)をご覧ください。
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取材・文/塚越淳一 撮影/Marco Perboni ヘアメイク/福島加奈子 スタイリング/村田友哉(SMB International.)
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