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町あかりのプレイリストリスト~テレビのうた~◆その7:心温まる昭和アニメソング5選2022/12/13

「町あかりのプレイリストリスト~テレビのうた~」その7:心温まる昭和アニメソング5選

 日本でテレビ放送が開始してからおよそ70年。ドラマ主題歌やCMソングなど、テレビによって国民に周知された楽曲は無数にあります。平成3年生まれのシンガー・ソングライターの町あかりが、昭和から令和までテレビを通して愛された楽曲について、独自の目線で語る連載が「町あかりのプレイリスト」です。

 いよいよ冬本番。クローゼットから厚手のコートやセーターを取り出す日が増えました。夜はぐっと冷え込んで、帰り道に白い息を吐きながらセンチメンタルな気持ちになることも…。

 第7回は「心温まる昭和アニメソング5選」と題して、昭和のアニメにまつわる珠玉の楽曲をセレクト。冬に聴きたい、心がホッと温かくなるようなプレイリストを作ってみました。

 1曲目に挙げるのは、1970年代から活動する男女フォークグループ、ダ・カーポの「地球へ…(Coming Home To Terra)」(80年)。こちらはラジオドラマやテレビアニメ(2007年/TBS系=MBS制作)にもなった原作漫画「地球へ…」の映画版アニメ主題歌。はるか遠い未来を生きる人々の孤独と葛藤が描かれた、スケールの大きなSF作品です。本曲の歌詞には、地球へ帰ることを望む登場人物たちの思いが込められており、地球が美しい愛の星として描かれています。「SFブーム」と一言で片付けることができない、われわれ人類の世界情勢に一石を投じるようなメッセージも感じられます。

 ふと、先日、NASAが月探査ロケットを打ち上げたニュースを思い出しました。たとえほかの星に住むことができるようになっても、地球が人々にとって「帰りたい故郷」であるような、美しく平和な場所であってほしいと切に願います。

 次は、やまがたすみこ「虹になりたい」(82年)。「南の虹のルーシー」(フジテレビ系)の主題歌。こちらは「世界名作劇場」の8作目で、原作はフィリス・ピディングトン氏の小説「南の虹」です。オーストラリアの開拓時代にイギリスから移住してきた農家一家の物語。本曲はそんな、自然のパワーを支えとしながら希望に燃える登場人物たちの誠実な心が描かれています。やまがたさんのピュアで澄んだ歌声を聴いていると、目の前に色鮮やかな虹が見えてくるよう! 困難な状況でも大きな夢を持ち続ける美しさを教えてくれます。疲れた人々を温かく包み込むような、たおやかなアレンジにもグッときます。頑張る人の背中をそっと押してくれる名曲です。

 次は、尾崎亜美「世界中の羊数えさせないで」(88年)。テレビアニメ「陽あたり良好!」(フジテレビ系)の後期エンディングテーマで、原作はあだち充氏による漫画作品。女子高校生のヒロインが、下宿を営むおばの家で暮らすことになり、そこで暮らす同級生とのやりとりを描いた青春ストーリーです。本曲では、恋に悩み眠れぬ夜を過ごす繊細な乙女心が映し出されています。最大の魅力は、亜美さんによるマイナスイオンたっぷりの優しい歌声。聴く人を穏やかな気持ちにさせ、眠る前に聴けばいい夢が見られそう。また、クリスタルなサウンドも印象的で、凍てつくような帰り道を美しい景色に変えてくれるようなアレンジは、まるで冬の魔法のようです。

 4曲目は、ちのはじめ「やつらの足音のバラード」(74年)。テレビアニメ「はじめ人間ギャートルズ」(TBS系)のエンディングテーマで、作曲はかまやつひろし。原作は園山俊二氏による漫画で、本曲の作詞も作者本人が担当しています。架空の原始時代に繰り広げられる、原始人たちの大らかかつ突飛な日常を描いたギャグストーリー。その独特のユーモアや世界観で大人気を博しました。

 本曲では、地球の誕生から人類の登場までが描かれています。「なんにもない なんにもない まったくなんにもない」ところから、長い月日を経て今の地球があるのだと教えてくれる素直な歌詞。説教や教訓のようなことは一切言っていないのに、大きなメッセージが込められているように感じるのはなぜでしょう。「人類は地球によってどんな存在なのだろう?」と深く考えさせられてしまうのです。一度聴けばすぐに歌えるようなシンプルさと、のんびりとした三拍子が乱れた心のリズムを整えてくれます。

 最後は、飯島真理「愛・おぼえていますか」(84年)。アニメ映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の主題歌。映画は、真理さんが声優も務めたテレビアニメシリーズ(TBS系)の大ヒットにより制作されたそう。星間戦争が繰り広げられる中で、「歌」が大きな力を持つ世界観のストーリー。昭和から令和の今もなお熱く、世界中で愛されている大人気SFアニメ作品です。真理さんの歌声がどこか神秘的で美しく、冬の澄んだ夜空を見上げながら聴くのにピッタリ。時代が変わっても人間同士の温もりや愛情が大切にされる世であってほしい…そんな思いがこみ上げてくる名曲です。

 いかがだったでしょうか? 今回のプレイリスト(Spotify)はこちらから!
>>https://open.spotify.com/playlist/1ec2IQwNvS5zOa9YuO2p0M?si=29bf9b58175e45df

町あかりのプレイリストリスト #7「心温まる昭和アニメソング5選」Spotify

 「師走」という名の通り、12月は大忙しの方も多いことでしょう。忙しさに追われると、つい自分の身の回りのことばかりに目が行きがちですよね。そして行き詰まった時こそ今回のプレイリストがオススメ! アニメソングには宇宙をテーマにした楽曲が数多くあります。冬は特に星が綺麗に見える季節。宇宙に思いを馳せることで、自分の悩みの小ささや、また可能性は無限なのだと気づくことができるでしょう。星空を見ながら、この一年をあらためて振り返ってみるのはいかがでしょうか。あっという間に過ぎ去ってしまう日々だからこそ、一日一日を大切に、充実した年末年始にしたいですね♪

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町あかり

シンガー・ソングライター。2010年から活動を始め、作詞・作曲、編曲、執筆、イラストや衣装制作まで自身で行う。19年には、ビクターエンタテインメントからメジャー5thアルバム「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」をリリース。20年10月に、日本コロムビアから初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。ほか、アーティストへの楽曲提供も行う。映画「男はつらいよ」と昭和歌謡曲、そして文鳥を愛する。最新アルバム「総天然色痛快音楽」が好評発売中。

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