「REAL」畠中祐 インタビュー2022/10/19
「僕の思いとシンクロしている歌詞なので気持ちは乗りやすかったです」
自身の誕生日である8月17日に、2ndアルバム「REAL」をリリースした畠中祐。今回は、アルバムリリースのきっかけや、楽曲制作のテーマとなった“リアル”に込めた思い、そしてリード曲についてインタビュー。自身の楽曲を繊細に歌いこなす畠中の表現の源に触れることができた。
――今回のアルバムの制作は、いつ頃どういったきっかけで始まったのでしょうか?
「2019年に1stアルバムをリリースしてライブをやったんですけど、『じゃあ、2ndアルバムはどうしようか』と話し始めたところでコロナ禍に入ってしまったんです。僕にとっては、“アルバムを作る=ライブができる”で、なおかつライブをやるならお客さんと直接会って、同じ空間を共有できるリアルライブがいいんですよ。でも、それがかなわない状況になってしまいました。なので、一旦はタイミングを見計らっていたんですが、ありがたいことにその間にタイアップをたくさん頂いて…。“(時間が経って曲の持っている熱が冷めてしまわない)温かいうちにアルバムにしたいな”という思いが強くなったんです」
――なるほど。既存曲を優先した部分も大きいと…。
「ライブを優先すると、正直もう少し先になる気がするんです。でも、世の中的にもリアルライブを開催できる環境になってきましたし、すでに1stアルバムから約3年経っていたので“これ以上は…”と。そこで年始あたりから動き始めました。一般的なアルバムの制作期間からすると、結構短いと思います」
――今回はタイトルと同じくテーマも“リアル”ですが、このテーマになった理由は?
「僕の現状や今考えていることをすごく率直に伝えたところ、“リアル”がいいだろうという話になったんです。今の僕は“リアルに囲まれている”んですよ。コロナ禍になって配信や動画コンテンツが急増して、スマホがリアルを占める割合がすごく増えたと思うんですが、同時に直接会えなくなるというリアルも増えました。それに、配信の視聴数で話題性は測れるようになったけど、会場の熱気や興奮度合いは分かりづらくなったし…。いろいろ考えていると、正直“どれが本当のリアルなんだろう”と思うようになってきたんです。コロナ禍以前よりも、強く…。だからこそ、全部ひっくるめてリアルを表現したくて、テーマにしました」
――それだけいろんなリアルが詰まっているんですね。
「そうです。例えば、アニメの分散収録もそうです。今は全員で集まって収録するスタイルを取れなくなってしまったから、共演者なのに最後まで会えない方もいるんです。でも、みんなでこの作品を録ったのは間違いなくリアル。“この状況を受け入れて戦っていく前向きさが絶対必要だ”、“でも、このシーンは全員で大事に録りたかったな”という両面の思いは間違いなくあるんです」
――収録現場という一つの事柄をとっても、これだけ思うことはあるということですね。そうしてまず作り上げたのが「Feel the Real」だと…。
「さっき言ったような、“リアルって良い面も悪い面もあるよね。誰しもそうだよね”という今の僕の気持ちが反映された曲になりました。すごく共感できる曲になったと思いますし、聴いてくれた方がどう捉えたのか気になる曲でもありますね。このアルバムに収録した既存曲は、タイアップですしかなり強い曲が多いんです。『DYING WISH』なんてすごく濃いし、『Promise for the future』もそうだし。なので、そこと肩を並べるくらい濃くて強い曲であるべきだと思っていたんですが、そもそもテーマが強いので、自然とメッセージ性のある強い楽曲になりました。プロデューサーいわく最高難度の難しさでレコーディングも結構大変だったんですが、僕の思いとシンクロしている歌詞なので気持ちは乗りやすかったです」
――では、特に気持ちを込めた部分や刺さった歌詞はありますか?
「うーーーーん! 難しいなあ…」
――全体的にインパクトがあるというか、刺さる言葉が多いですもんね。
「そうなんですよ。ただ、強いて言うなら2番は、とてもしっくり来ました。このご時世、スマホやパソコンがあったからつながりを感じられたよなという瞬間ってすごく多いんです。〈世界の裏側だって同じ喜びを分け合える〉という部分なんて、少し前まで夢物語だったけど今はリアルじゃないですか。それってすごくロマンチックですてきなことだなと思うんですけど、一方でむなしさも感じます」
――表裏一体ですよね、そこは。
「だから、〈昔描いた未来は この手の中にあって どこかあっけないエンディングのようだ〉になるんですよね。この混在している感じは、2番ですごく丁寧に描かれている気がしてすごく共感します。久しぶりのフルアルバム制作でしたけど、前回とは違った“濃い表情”を見せる事ができたと思います。正直、最初に曲をもらった時は“こんな曲を歌うんだ!”と意外に思ったし、戸惑いもあったんですけど、歌った結果ちゃんと俺が歌っているイメージに行き着いた気がします。自分としても新体験。面白かったです」
――ちなみに、以前「TVガイド」に出ていただいたのは、20年の4thシングル「HISTORY」の時でした。当時はインプットの大切さを語っていらっしゃいましたが、今はどうでしょうか?
「インプットの時間は、かなり持てるようになってきました。分かりやすいところだと、映画を見たり音楽を聴いたり本を読んだり、美術館に行ったりしています。あとは、感染対策を万全にした上で声優仲間と集まって、一緒に芝居をする時間も作るようになりました。普通に過ごしているとサボっちゃうので、“今日は映画を見よう”、“空き時間に美術館に行けそうだな”と意識的に動いている感じですね。少し前に息抜きをしようと思って山中湖まで一人旅に行ったんですけど、宿で読んだのは芝居の本だったので“これじゃあ、家とやってること同じじゃん!”と絶望しました(笑)」
――そこまで意識して動いているとなると、ご自身の中でも変化を感じているのでは?
「そうですね。以前は、無理矢理自分をコントロールしていたんです。“今はポジティブな方がいいよな”、“ここはネガティブが良さそうだな”みたいな感じで。それを、ちょっとやめてみようかと思うようになりました。もっと子どもっぽく、思うままに動いてもいい気がして…。悲しい時は悲しんでいいし、うれしい時は等身大の喜びを出していますね。…もちろん、ファンの人の前に出る時はちゃんとしますよ(笑)? だけど、表現をする上で子どもみたいな気持ちって結構大事なので、いっそ振り回されてみようと。あくまでもまだ意識改革なので、実際に表面には表れていないと思うんですけど、長い目で見てどういうふうに変わっていくのか楽しみですね」
【プロフィール】
畠中祐(はたなか たすく)
8月17日、神奈川生まれ。O型。今年は映画「夏へのトンネル、さよならの出口」などに出演し、「TASUKU HATANAKA LIVE 2022 -REAL-」も開催した。東京公演は23年10月27日~11月5日予定の「音楽座ミュージカル『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』」で主演。
【作品情報】
2ndフルアルバム「REAL」
発売中
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】¥4,400 【通常盤(CD)】¥3,300 ※写真
Lantis
1stアルバム「FIGHTER」から約3年半の時を経て発売された、畠中の2ndフルアルバム。「ナカノヒトゲノム【実況中】」(19年)や「憂国のモリアーティ」、「ウルトラマンZ」(20年)のタイアップ曲を含む、全12曲を収録。
【プレゼント】
サイン入り写真を1名様にプレゼント!
応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:10月19日正午~10月26日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」10月28日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html
≪生写真告知≫
畠中祐の生写真特典付きで販売中!
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※絵柄6種のうちいずれかランダムで1種(種類は選べません)
※在庫には限りがございます。ご了承ください。
※詳細はhttps://www.animate-onlineshop.jp/
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取材・文/松本まゆげ 撮影/LUCKMAN ヘアメイク/加藤ゆい(fringe) スタイリング/内田考昭(A-T)
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