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町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」 <第9回 森川夕貴さん(アナウンサー)>2020/02/08

町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」 <第9回 森川夕貴さん(アナウンサー)>

シンガー・ソングライターの町あかりが、テレビの裏側を支える「テレビの仕事人」から、あんな話やこんな話を聞いちゃう連載企画! 前回お会いした、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)のアシスタントディレクター・小山テリハさんからのご紹介で、今回はテレビ朝日アナウンサーの森川夕貴さんにお話を伺いました。

町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」 <第9回 森川夕貴さん(アナウンサー)>

<情報収集は、とにかくテレビのニュースを見る>

── テレビ朝日の「報道ステーション」の金曜日キャスターを務める森川さん。ほかの曜日ではニュースのコーナーなども担当されています。森川さんの1日の大まかなスケジュールを教えてください。

「専門家の方に会いに行って、自分が疑問に思ったことを聞くニュースコーナーを担当しているので、まず出社してからは、ディレクターやデスクの方と話し合ってその日のネタを決めます。例えば一昨日だったら『防衛省でAIが人事を決める』というニュースがあって、それについてAIの専門家の方に聞きに行きました。その収録が終わって、帰社してから衣装に着替えて本番です。午後11時15分に番組が終わって、その後、反省会をします。帰宅するのは夜中の1時頃。それからその日の出演を確認して、寝るのは朝方4時頃です」

── 昼夜逆転の生活なのですね! 世の中のニュースからネタを毎日ピックアップするのは大変そうです。情報収集はどのようにされているのですか?

「とにかく、テレビのニュースを見ますね。世間が何に一番興味を持っているのかを知るには、テレビを見るのが一番早いんです。新聞を読むにしても、まずラ・テ欄を見てどんなことが注目されているのかチェックします。今は、情報というものが膨大にあるので、とにかく主要な部分から選んでいくことが重要ですね」

<マイルールは「現場を大切にすること」>

── アナウンサーは、小さい頃からの夢だったのですか? 森川さんがこのお仕事に就かれたきっかけを教えてください。

「いいえ。中学生の頃は英語を使う仕事をしたいと思っていましたが、大学に入ってからは何をやったらいいのか分からなくなって…。そんな時に、サークルで『題名のない音楽会』(同系)を見に行く機会がありまして、そこで先輩の本間智恵アナウンサーがとてもキラキラされていたんです。この世にはこんな職業があるんだなと。それがきっかけで興味を持ち始めました」

── 人生のターニングポイントが「題名のない音楽会」だったとは! テレビ朝日に就職されて、テレビ番組を作る側の立場になって気付いたことはありますか?

「一つの番組を作るのに、本当に多くの方が携わっていることですね。『報道ステーション』は100人以上の方が携わって作られています。見えないところにプロフェッショナルの力が詰まっていると知って、感動しました。1日中取材をしても、オンエアされるのは2~3分。たくさんの方々が時間をかけて動いたものが、1本の番組になっているのだと実感しています。被災地で取材をした時、携帯電話の電波がつながらないことがあったんです。中継の時間が迫っているのにディレクターと合流できなくて。その後なんとか合流できたのですが、時間がなくて打ち合わせをせずに中継をしました。ドキドキしましたね…。それでもスタッフの皆さんはプロフェッショナルで、カメラマンも打ち合わせなしでも必要なものをしっかり映してくださいました」

── そんなこともあったのですか。まさにチームプレー! 視聴者が知ることのない、裏側のエピソードですね。森川さんがこの仕事をされる中でのこだわりは何ですか?

「とにかく『現場を大切にすること』です。特に被災地の取材の時は、その場にいないと分からないこと、事実をお伝えしたいので中継前の打ち合わせでしっかりと自分の意見を出します。何が正解かは分からないですが、現場の状況を一番分かっているのはその場にいる私ですから…。ありのままをお伝えすることが大切だと考えています。西日本豪雨の取材でのエピソードですが、最初の頃は『テレビ取材陣が入っていっていいものか…』と本当に躊躇しました。どうしても、そこに住んでいらっしゃる方のお宅のチャイムを鳴らすことができなくて。その際にディレクターさんから『取材で事実をしっかりと伝えることで物資が届くかもしれない。ボランティアが集まって、より早く復興できるかもしれない。ちゃんと意味があることだから、おこがましいけど”お手伝いさせていただく”という気持ちでやってみようよ』と言われました。それでも戸惑いながら進めるうちに、先輩から『取材がきっかけで実際に物資が届いた』という話も聞いて。今も悩みながらですが、それからは、そのような気持ちで取材させていただいています。大変ありがたいことに、被災地の皆さんがとても協力的で優しくて…。取材以外にも、一緒に瓦礫を運んだり、お手伝いをさせていただくこともあります」

<実はネガティブ…徹底的に準備します>

── スタジオで原稿を読むことはもちろん、時事にまつわる取材や中継レポートなど、さまざまな形でニュースを伝えている森川さん。お仕事をされる中で、どんな時に達成感を感じますか?

「達成感ですか…。『やった! 今日はよくできた!』と思ったことは一度もないんです。『これでいいのかな?』って、いつも悩みながらやっています。私、ネガティブで不安症なんです。だからその日のニュースに関してはとことん調べますし、発声練習も社内のブースで毎日欠かさず1時間はやります。そうでないとスタジオに入る時に不安になるんです。緊張しない方法は、とにかく準備をしていくことです」

── 思ってもみなかった回答でビックリです! けれども「ネガティブで不安症」という性格が、報道番組のアナウンサーという職業においてむしろ長所となっていると感じます。最後に、森川さんの今後の目標を教えてください。

「何か一つのことを突き詰めている専門家の方にお会いすることが多いこともあり、私も『これだったら任せて!』という専門分野がほしいと感じています。私は海外のことに興味があるので、国際政治、アメリカの政治など…。今は勉強中です!」

──「報道ステーション」でも冷静で落ち着いている印象の森川さん。とにかく真面目な方なのだろうな、というイメージを持ってインタビューさせていただきましたが、その「真面目」の理由が「ネガティブ」な性格であり、なおかつそれがご自身の長所となっている点に興味深さを感じました。このたびは貴重なお話をありがとうございました!

 さて、読者の皆さまから「テレビ番組のこんなことが知りたい」「こういう職業の人の話を聞いてみたい」というリクエストや、ご感想も大募集しています。次回もどうぞお楽しみに!

【ご意見・ご感想etc.を募集中!】

町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」に関するご意見・ご感想、ご要望は下記アドレスまで。抽選で、町あかりさんのアルバムを7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp

町あかり

シンガー・ソングライター。作詞・作曲、編曲、イラスト、衣装制作まで自身で行う。2017年ビクターエンタテインメントからメジャー3rdアルバム「EXPO町あかり」をリリース。現在、絵本&CD「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」が発売中。他の歌手への楽曲提供も行う。文鳥を溺愛中。

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