福山潤◆「僕は、櫻井さんの情けない役が好きなんです」 櫻井孝宏◆「“まだまだこういうキャラいけるね、福山くん!”って思っていました(笑)」2020/02/11
超ツッコミ気質の高校生・小雪芹が、ツッコミどころしかない最強の中二病高校生・花鳥兜たちと共にドタバタを繰り広げるアニメ「ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。」(通称「ぼくはか」)。現在放送中の本作から、小雪役の福山潤と花鳥役の櫻井孝宏が登場し、作品やお互いについて語ってくれた。気心知れた2人の掛け合いに注目!
──「ぼくはか」は ’16年にドラマCDがリリースされていて、今回のアニメではその時と同じキャストの方々が出演されています。当時、ドラマCDにキャスティングされた時の印象を教えてください。
福山 「小雪は、若手の頃によくやっていたようなツッコミキャラ。なので、率直な感想ですが驚きましたし、かなり戸惑いました。原作も読めば“何となくこういう感じで演じれば良いな”と理解できるんですが、久しくそういった演技をしていなかったので、“今やるのか”と、考えを巡らせた記憶があります」
櫻井 「僕も困りましたね。花鳥は肉体労働系のキャラなので“彼をやるには年を食ってるな”と(笑)。それから、演技だけで全てを形作るのが難しい作品であると感じました」
──言われてみれば、若手の方がハマりそうなキャラクターでもありますよね。
福山 「そうなんですよね。なので、“できる、できない”の話ではなく、普通にキャスティングを見てびっくりというか、意外だと思いました。だからアニメでもキャストがそのままと聞き、さらにびっくりで!」
──そんな驚きもありつつ、アニメで約4年ぶりにそれぞれの役を演じることになりましたが、どのようにキャラクターを再構築しましたか?
福山 「ドラマCDの時は役作りが難しかったんです。過去にボケキャラもツッコミキャラもやった経験がありますし、“この座組なら、このテンポでやればうまくかみ合うな”という肌感覚もあったんですけれど、小雪の場合、モノローグでツッコんでいるので厳密に言うとツッコんでいないんですよ」
──演じる時には声を放つ相手との距離感が重要かと思いますが、モノローグだとそもそも距離感がないですもんね。
福山 「そうです。なので、どうツッコむのがいいのか、ツッコミにおけるラインをどこに設定すればいいのかなというところがドラマCDで一番難しいところでした。けれど、今回はドラマCDと違って絵があるアニメなので、タイミングや表情、どういうカット構成になっているのか次第だなと思っていました。絵によっては原作のテイストのままいけるケースもありますし、アニメになることで等身が変わる可能性もあるし、まずは見てから考えようと!」
櫻井 「僕は、ドラマCDの時からノリでやった部分が大きいんです。花鳥はそもそも奇抜な子なので、芝居でも奇をてらう必要はありません。だから、割とステレオタイプというか、みんなが“そうそう、こんな感じ!”と思うようなキャラにしたいなと思って、用意されているセリフや周りからどう思われているのかといったイメージから読み取って役を作っていきました。アニメで久々に花鳥をやることになりましたが、再構築というほどではなく、ドラマCDを聞いてみてリマインドする感じでしたね。何より、絵が素晴らしかったので!」
福山 「少なくとも7話くらいまでは絵がない白いところが一つもない状態でしたし、最終回もほぼ入っていました。情報がとても明確に頂けていたので、組み立てやすかったです」
櫻井 「しかも、技術を詰め合わせたようなテクニカルな映像なんですよ。だから僕も、絵に任せた部分が大きかったです。それくらい、想像以上の動きをしていたので」
福山 「おかげで、収録がすごく楽しかったです。原作を読んでいますし、ドラマCDもやっていますが、アニメでまた新しい面白さが花開いた感じです!」
──絵がそこまでできている状況だと、キャストの皆さんも気合が入ったのはないでしょうか。
福山 「そこまでしていただくと、“尻に火が付く”と言いますか、言い訳ができなくなりますよね。なので、“僕らもやるしかない!”という状況でしたね。台本も、近年では珍しいくらい密度の濃い内容でした。中には、小雪が話している後ろで花鳥が騒いでいて、その更に後ろで誰かが話しているという、セリフが三つ重なるシーンもあるんですが、そこの台本は目が追い付かなくなるほどでした」
櫻井 「そうなんだよね。違う人のセリフを読んじゃうくらい、大変だった(笑)。でも、やりがいのようなものは感じましたね。あと、さっき話に出ましたけど、小雪は福山くんが若手時代にやっていたようなキャラクターなので、現場で見ていたら若かりし頃の福山くんと重なる瞬間があったんです。“まだまだこういうキャラいけるね、福山くん!”って思っていました(笑)」
福山 「まあ、たまにならいいですかね(笑)」
櫻井 「ははは(笑)」
──ちなみに、お二人が小雪や花鳥と同じ高校生にもし戻れるとしたら、何をしたいですか?
福山 「大学受験をして、大学に行きたいです。当時はそういった思いはなかったんですけど…。大学で学びたいのは国文科。日本文学や日本語学を専攻したいです」
櫻井 「どうだろう…。でも、勉強してこなかったのでもうちょっと真面目に頑張れば良かったなっていう思いはありますね。あとは、友達付き合い。高校時代に大きな影が落ちているわけでもないのですが(笑)、もう少し10代らしい高校生活を送ってみたいなと思います」
──では、「ぼくはか」の今後の見どころも聞かせてください。
福山 「『ぼくはか』は、小雪をイジるという前提がある作品ですが、後半でちょっと涙を禁じえない話があります。もちろん、いい話とかじゃなくて、小雪、よく生きていられるなって思いましたもん(笑)」
櫻井 「小雪がひどい目に遭うんだけど、最終的に“友達、最高!”という方向にまとまる不思議な作品なんですよね。そろそろ、主要キャラが出そろうのでこれからますますにぎやかになります。出てくる人がみんな変な“日常っぽい非日常アニメ”を、リラックスして見てもらえたらと思います」
──最後に、お二人は昔から共演が多いですが、お互いに演じるのを見てみたいのはどんなキャラクターですか?
福山 「僕は、櫻井さんの情けない役が好きなんです。黒幕でもなければ才能があるわけでもなく、宿六として生きている侍みたいな役を見てみたいですね」
櫻井 「宿六! 難しい役だね、それは」
福山 「でも、難しい役って楽しいじゃないですか。普通の人を普通に演じるということもとても難しいことだとも思います。そういう役をごく当たり前にできる人は尊敬するので。櫻井さんが演じるところも見てみたいです」
──では、櫻井さんは福山さんのどんな役を見てみたいですか?
櫻井 「言い方が難しいんですけど、『ドラえもん』のスネ夫とか『キテレツ大百科』のトンガリのような役ですかね。子ども向けのアニメに出てくるような、地声を消して“ザ・声優スキル”をいかんなく発揮できる役は見てみたいです。そういうキャラクターって、どこか鼻持ちならないじゃないですか(笑)。なので、面白いんじゃないかなと!」
福山 「あぁ、いいですね! それから、僕、本当に性格が悪い役もやってみたいんですよ!」
櫻井 「そう本人が言っているので(笑)、僕も見てみたいです!」
【作品情報】
「ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。」
TOKYO MX1ほか
日曜 午後10:00~10:30
亜樹新による同名漫画をアニメ化。文化祭に向けて、小雪(福山)と花鳥(櫻井)たちのクラスでも出し物を決めることになった。すると、教室に般若の面をかぶった見慣れない人物が…! 彼の名前は最上君影(立花慎之介)で、この日転入してきた小雪の小学校の頃の友達だった。
【プロフィール】
福山潤 Jun Fukuyama
11月26日大阪府生まれ。A型。「七つの大罪 神々の逆鱗」、「あひるの空」、「妖怪ウォッチJam『妖怪学園Y~Nとの遭遇~』」(いずれもテレビ東京系)、「織田シナモン信長」(テレビ東京ほか)などに出演中。「キングダム」(NHK総合)が4月放送開始。
櫻井孝宏 Takahiro Sakurai
6月13日愛知県生まれ。A型。「ダイヤのA actⅡ」(テレビ東京系)、「織田シナモン信長」(テレビ東京ほか)、「空挺ドラゴンズ」(フジテレビほか)、「宝石商リチャード氏の謎鑑定」(TOKYO MXほか)などに出演中。「啄木鳥探偵處」(TOKYO MXほか)が’20年春放送開始予定。
取材・文/松本まゆげ 撮影/Marco Perboni
ヘア&メーク/木村ゆかこ[addmix B.G](福山)、MAIMI(櫻井)
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