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前野智昭◆「現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです」2020/01/29

前野智昭◆「現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです」

空飛ぶ龍が生息する世界で“龍捕り”と呼ばれる人たちが過ごす日常を描くアニメ「空挺ドラゴンズ」が、フジテレビ「+Ultra」で現在放送中。本作で主人公・ミカの声を務める前野智昭に、作品の印象やミカを演じる上で意識したこと、主人公を演じる際の心構えなどを直撃取材した。

──初めて「空挺ドラゴンズ」という作品に触れた時、どんな印象を受けましたか?

「オーディションの際に原作を読ませていただいたのですが、本当に引き込まれました。ファンタジーとグルメの要素がうまく合体した新しい作品だと感じたんです。龍の扱い方も特殊ですよね。これまでにも龍を扱った作品はたくさんありましたし、僕自身読んだこともありますが、まさかそれを捕って調理して食べるとは! 僕にはない発想だったので、そこも新しいな、と思って読ませていただきました。それに、登場人物もみんな個性的ですし!」

──物語の舞台となる捕龍船「クィン・ザザ号」にはミカをはじめ、新人のタキタ(雨宮天)や生真面目なジロー(斉藤壮馬)ら、大勢の乗組員がいます。

「そんな彼らのバックボーンも、深く描かれていますよね。中でもミカは、だらしなくて頼りない一面があるのですが、いざという時の行動力や信念は底知れません」

──ミカは、ギャップが激しいですよね!

「そうですね。いわゆる“やる時はやる”キャラクターですね。男性から見るとこういうキャラクターってすごくカッコよく見えるんですよ。ぜひミカを演じてみたいと思っていたので、実際に演じることができてすごくうれしく思っています。ただ、ギャップがあるからこそ、その二つの面のバランスを取るのが難しかったです」

──だらしない時とアグレッシブな時で、どのくらい差を付けるのかによって、キャラクターの印象は大きく変わりますからね。

「はい。なので、食い意地が張っているようなだらしない時のミカはちょっとギャグ寄りにして、龍と相対した時のミカは一転してシリアスに…というように意識して演じました」

前野智昭◆「現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです」

──収録を重ねていって、ミカがご自身になじんだ瞬間はありましたか?

「今回の収録はプレスコだったので、画が出来上がった段階で微調整するためにリテークを行うんです。その時、スタジオでニコ役の櫻井孝宏さんが『前野のミカ、すごくよかったよ』と言ってくださったんですよ。オーディションで選んでもらった以上、自信を持って演じていたのですが、やはり完成するまで不安はあったんです。そんな時、大先輩の櫻井さんにそう言っていただけたので救われました! “なじんだ”というなら、この時ですね」

──すてきなお話ですね。今、お話に出ましたが、プレスコで収録されたんですね。

「そうです。僕らの芝居をもとにして画を作っていくという完全なプレスコ収録でした。収録の段階では画がないので、アクションシーンやキャラクターの立ち位置、構図を思い描いて芝居をするのが難しかったです。特にアクションシーンは、どんな動きをするのかによって息遣いが変わります。例えば、ミカがジップラインのようなもので移動して龍の背中に乗るシーンは、何秒くらい移動しているのかが分からず苦労しました。それに、キャラクター同士の会話シーンも、どのくらい距離が離れているかで声の掛け方が変わりますし…。収録が始まるギリギリまで原作を読んで、イメージを膨らませてから挑んでいました」

──いつも以上に神経を使うでしょうね。

「ともあれ、半分以上僕らのイメージした通りにやらせていただきました。そこまで大きなご指摘はなかった印象です」

前野智昭◆「現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです」

──皆さんとのチームワークはいかがでしたか?

「すごく良いチームワークでした。毎回ほぼフルメンバーで収録できたので、イメージしやすかったのも大きいと思います。また、先輩たちがやりやすいように僕たちを導いてくださったのも有難かったです。『空挺~』で共演している方とは別の作品の現場で会うことも多かったので、そこでよくお話をしていました」

──そんな前野さんですが、「空挺~」の現場では主人公です。真ん中に立つ上で意識していることはありますか?

「皆さんがやりやすい空気でアフレコできるよう、努めています。例えば、現場で『このシーンって、原作ではどうなっていたっけ?』と言われたら、『こうですよ』と答えられるよう、原作を頭にたたき込んで現場に臨むようにしていましたし、自由に確認できるように、現場に私物の原作コミックスを持ち込んでいました」

──それはすばらしいですね!

「いやあ、皆さん百戦錬磨なので、何もなくても収録は円滑に進みますよ、きっと。ですが、真ん中に立たせていただくからには、こだわりは持っておきたいと思っています。現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです。身が引き締まる思いがしますし、今回のように取材していただけたり楽しいと感じることが多いですね」

前野智昭◆「現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです」

【作品情報】 

前野智昭◆「現役で声優をやらせていただいている身として、これからも主人公は挑戦していきたいです」

「空挺ドラゴンズ」
フジテレビほか
水曜 深夜0:55~1:25

空飛ぶ龍を捕獲して生計を立てている“龍捕り”の暮らしを描いたファンタジー。龍の捕獲数が少なく、生活に困窮している捕龍船「クィン・ザザ号」の乗組員。大好きな食事が質素なものになり、ミカ(前野)は落ち込んでいた。そんな時、救難信号を出した船を発見し…。

【プロフィール】

前野智昭 Tomoaki Maeno
5月26日茨城県生まれ。ふたご座。A型。アニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(TBSほか)、「うちタマ?!~うちのタマ知りませんか?~」(フジテレビほか)、「魔術士オーフェンはぐれ旅」(BSフジほか)に出演中。映画「KING OF PRISM ALL STARS–プリズムショー☆ベストテン–」が公開中。

取材・文/松本まゆげ 撮影/藤木裕之 
ヘア&メーク/横手寿里 スタイリング/MASAYA 衣装協力/tashiro



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