下野紘◆「チームワークは会った時から出来上がっていた」 津田健次郎◆「芝居優先で僕たちにはぜいたくな録り方」 鈴木達央◆「声だけ聞いていても、きっと面白い」2019/11/27
架空の東京を舞台に、凶悪犯罪組織に立ち向かう刑事の姿を描くテレビアニメ「警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-」(TOKYO MXほか)。今回の「恋するVoice!」には、本作に出演する主要キャストの下野紘&津田健次郎&鈴木達央が登場! オリジナルアニメへの挑戦に期待と楽しさとやりがいをにじませる3人に、作品の魅力や役作り、アフレコの裏側を聞いた。
──「トクナナ」はオリジナルアニメなので、放送が進むごとにキャラクターの輪郭がハッキリ見えてきていますよね。お三方も、演じることでキャラクターをつかんでいかれたかと思いますが、いかがですか?
下野 「そうですね。最初は、僕の役の七月(清司)は比較的オーソドックスで演じやすいキャラクターだなと思っていたんです。だけど、単に熱血で猪突猛進というわけではなく、冷静さも持っているんですよね。実際に演じてみるとそのバランスの難しさに戸惑いを感じたんですが、“常に熱血というわけではないんだ”“基本的には冷静で、一気に血が上るタイプなんだ”と分かってからは、だいぶ演じやすくなりました」
津田 「僕が演じる一ノ瀬(栞)は、基本何を考えているのか分からない人。マイペースで本心を見せないところは最初からスムーズに受け入れられましたし、キャラクター像は1話でほぼ固まりました。もちろん、何を考えているか分からない分、抱えているものがあるので、後々語られていく一面もあります。その感情の出し引きみたいなものは、都度修正しながら作っていきました」
鈴木 「僕が演じている二条(クジャク)は、“解決したいこと”があってトクナナにいるキャラクターなんです。彼には隠された秘密があるのを事前に聞いていたので、序盤からそれをどのくらい出そうか考えて演じていたんです。その際、制作サイドから『まだ抑えてほしい』『まだ出したくないんです』というお話がありました。来たるべき時が来るまで刑事として淡々と任務を遂行するのが二条なんですよね。たぶん僕が一番ディレクションが多かったと思うんですが、そういうやりとりの中からキャラクターを作っていきました」
──それぞれの役が、とても細かなキャラクター造形の上で成り立っているんですね。では、ご自身と演じている役を比較して、似ているところと似ていないところはどこでしょうか。
津田 「(下野をじっと見て)下野くんは…正義感かな?」
下野 「それはどっちですか? 正義感があるところが似ているのか、似ていないのか?(笑)」
津田 「どうでしょう?」
下野 「(笑)。まあでも、僕自身からすると正義感があるところは似ていると思います。ただ、七月は行動に移せるんですよ。僕にはそこまでできないので、そのあたりは似ていないところになるのかもしれません」
津田 「僕が似ているところは声ですかね~。あとはクセ毛?」
下野 「やっぱり、顔が似ているからキャスティングされたんですよ! 似てますもん!」
津田 「ホント? 自分では顔が似ているかは分からないけど、似ていないところは…頭の良さかな? 一ノ瀬はIQが150以上ありますし、人の心を読めて才能にあふれまくっているので。たつ(鈴木)はどうだろうね?」
下野 「似てないところは、耳?」
鈴木 「エルフ耳ね。シュッとしていてカッコいいですよね。唯一似ていないところです(笑)。あとはさっきの話にも通じますけど、二条って感情の沸点を感じられないんですよ。そこは少し似ているかなと思います。ただ、僕の場合は時と場合によるので、二条くらいコントロールできたらいいのになって思いますね」
──アフレコの現場はいかがでしたか。
鈴木 「総監督の栗山(貴行)さんが、『自分たちの“間”でお芝居してほしい』とおっしゃったんです。僕らは本来、演出の方が付けたタイミングに合わせてセリフを言うんですけど、それを無視していいと」
津田 「元々はゆったりしたテンポだったけど、かなり速くなったよね」
鈴木 「結局、全体尺の3分の1くらいにまとまったんですが、『その方が面白いからもっとアイデアがほしい』と言ってくださいました」
──つまり、収録で生まれたタイミングに合わせて、新たに画を描き直したということですね。
下野 「全編通してそういう録り方でしたよね?」
津田 「そうだったね。『決められたタイミングに合わなくてもいいです。芝居優先で』という感じで。僕たちにとってはぜいたくな録り方をさせていただきました」
下野 「それに、情報量がすごく多いアニメでもあるので、テンポが速くなった方が良かったみたいなんですよ。尺を短くできるから。“3分多いからアフレコでどうにか短くならないかな”みたいなことがありましたね」
──アフレコはさぞかし時間がかかったのでは?
鈴木 「いや、それが、サクッと終わりましたね」
津田 「すごく早かったよね。だから、毎回のように食事会をしていました! 1話のアフレコから早かったよね」
──なるほど、キャストが百戦錬磨の方たちばかりですもんね。ではチームワークも早々に出来上がったのでしょうか?
下野 「早い段階からというか、会った時から出来上がっていました。よく知っている人たちばっかりだったので!(笑)。だから、『アフレコが終わったら飲みに行く?』っていう会話が自然と生まれていました」
鈴木 「作品作りに関しても『こうした方がいい』っていうのをみんなが分かっているんです。意思疎通ができているから、『もう1回いいですか』も言いやすい環境でしたね」
──そういったところが作品の魅力にもつながっているんでしょうね。
鈴木 「そうですね。声だけ聞いていても、きっと面白い作品だと思います」
下野 「“会話ってテンポだな”ということが、この作品を見ていただければ伝わると思います。結構な事件が起きているのに、すごく日常会話をする人たちが描かれているんですよね。しかも、ポンポンとテンポよく会話をしていて、そこに笑ってしまうというのも魅力なのかもしれないですね」
津田 「そういうのって、アメリカの刑事ものみたいなテイストでもあるんだよね。だから軽妙で楽しい作品になっていると思います。ぜひこれからも応援していただけるとうれしいです!」
【作品情報】
「警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-」
TOKYO MX1ほか
日曜 午後11:00~10:30
銀行強盗に巻き込まれたことをきっかけに、凶悪犯罪組織・ナインに対抗する部署「特殊凶悪犯対策室 第七課-通称トクナナ」へ配属される。新米刑事の七月(下野)。個性的なメンバーに振り回されながら事件解決に挑む七月の奮闘とナインの謎に迫る!!
【プロフィール】
下野紘 Hiro Shimono
4月21日東京都生まれ。B型。アニメ「アフリカのサラリーマン」、「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」、「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」(いずれもTOKYO MXほか)に出演中。映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が2020年公開。
津田健次郎 Kenjiro Tsuda
6月11日大阪府生まれ。O型。アニメ「無限の住人-IMMORTAL-」(Amazon Prime Video)、「僕のヒーローアカデミア」(日本テレビ系)、「アフリカのサラリーマン」(TOKYO MXほか)などに出演中。ゲーム「DEATH STRANDING」が発売中。「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」が2020年放送。
鈴木達央 Tatsuhisa Suzuki
11月11日愛知県生まれ。O型。アニメ「七つの大罪 神々の逆鱗」(テレビ東京系)、「アフリカのサラリーマン」、「アサシンズプライド」(ともにTOKYO MXほか)などに出演中。「ソマリと森の神様」が2020年1月から放送。所属するOLDCODEXが「トクナナ」のオープニング主題歌を担当。
取材・文/松本まゆげ 撮影/峰フミコ
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