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村瀬歩◆「胸を借りる気持ちでやらせてもらっています」 木村良平◆「仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かる」2019/11/05

村瀬歩◆「胸を借りる気持ちでやらせてもらっています」 木村良平◆「仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かる」

NHK Eテレで放送中のアニメ「魔入りました!入間くん」で、メインキャストを務める村瀬歩と木村良平。これまでに共演経験も多く信頼し合っているという2人だが、ここまで密に掛け合う役は珍しいそうだ。コメディー色の強い作品で、どのようにキャラクターに向き合っているのか? 役作りについてはもちろん、本作で共演できたことの心境、ここに至るまでの関係性の変化などを聞いてみた。

──「魔入りました!入間くん」は、魔界を舞台にしたにぎやかなギャグコメディー。お二人が演じている鈴木入間(村瀬)とアスモデウス・アリス(木村)も、その世界観にいるだけあってすごく個性が際立っていますね。

村瀬 「入間くんは、のほほんとしていますが、やる時はやるキャラクター。1話(10月5日放送)では周りに流されてばかりでしたが、“やる時はやるぞ!”精神を発揮して徐々に図太くなってきました。時にツッコミを入れる場面もあるんですが、これがまた楽しいんですよ! 入間くんの魅力を感じられる部分でもあります」

木村 「アスモデウスは、優秀でカッコよくて貴族然としていながら、入間には従って、ツッコミ役に回る場面もあるという“極端に異なる三つの顔”を持っているんですよね。そこが個性でもあるのかなと」

──確かに! すごく複雑な役どころですね。

木村 「だけど、そのメリハリが面白いなと思いました。オーディションの時から感じていたところです。回を重ねるごとにはっきりギャップを出せるようになってきて、演じるのが楽しいです」

村瀬 「あと、僕が入間くんを演じたことで思ったのは、“新鮮味を失ってはいけない”ということでした。今年でこの業界に入って10年近く経つので、経験していることもかなり増えてきているんです。そうすると、その場の空気に乗っかることがわりと簡単になってしまうんですよね」

──デビュー当時はできなかったことができている。ただ、その分新鮮味が失われているということですね。

村瀬 「そうなんです。入間くんの場合、魔界に行って初めてのことばかりを経験しているので“新鮮な気持ち”って大切だと思うんですよ。それを音響監督の郷田ほづみさんにご指摘いただいて、あらためて意識しつつ演じています」

──それはすごく難しいことのように思えますがいかがでしょうか?

村瀬 「そう思われるかもしれないんですけど、この作品は“楽しい”をベースにできるコメディー作品なので。難しいと頭を抱えるよりは、その場の空気を楽しむようにしています」

村瀬歩◆「胸を借りる気持ちでやらせてもらっています」 木村良平◆「仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かる」

──話をお聞きしていると、お二人とも楽しんでお芝居されているように感じます。アフレコ現場もにぎやかでしょうね。

村瀬 「他の現場でもご一緒したことのある、見知った方がすごく多いんです。合間にはよくいろんな話をして盛り上がっています」

木村 「サリバン役の黒田(崇矢)さんが中心になっていることが多いよね。あとはキマリス・キッシュライト役の八代(拓)がみんなにイジられてる(笑)」

村瀬 「それを見て、アザゼル・アメリを演じている早見(沙織)ちゃんがアルカイックスマイルを浮かべてますよね(笑)」

木村 「関係性が結構はっきりできているから盛り上がるんだろうね」

──村瀬さんと木村さんの関係性はいかがでしょうか? 過去に何度も共演されていらっしゃいますが…。

村瀬 「初めてオーディションに受かったアニメ『坂道のアポロン』(2012年)という作品で共演したのが最初です。昔から幾原邦彦監督の作品が好きで、良平さんが出演されていたアニメ『輪るピングドラム』(11年)を見ていたので、“あの木村良平さんだ!”ってドキドキしました(笑)。あれから7年くらい経っているんですけど、今も変わらず良平さんの背中を見て“遠いな”って思っています。それに、不思議とスランプの時期に良平さんと共演することが多いんです。助けていただいたこともありました」

木村 「そんな大それたことしてないよ」

村瀬 「いやいや、すごくお世話になっています」

村瀬歩◆「胸を借りる気持ちでやらせてもらっています」 木村良平◆「仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かる」

──木村さんは、村瀬さんの第一印象を覚えていらっしゃいますか?

木村 「あゆ(村瀬)と最初に会った時は声のかわいさに驚きました。顔もかわいらしいし帰国子女とも聞いていたので、ユニークな肩書きだなと印象に残ったんですけど、それから何度か共演を繰り返して、人間性が分かってきました。そして、“意外とトガッたヤツじゃん! 面白いな!”って(笑)。最近では肩の力もだんだん抜けてきて、現場での立ち居振る舞いも堂々としてきたと感じます。先輩面したいわけじゃないのですが、芝居以外のところでも成長を感じて、いい役者になってきたなと思います!」

──そうした中で、今回の役は相方ともいえる関係ですね。

木村 「うれしいですね。コメディーは掛け合いが大事なので、相手を無視してできるものではないんです。仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かるし、芝居ができるのも知っているので安心感があります」

村瀬 「僕もすごくうれしいです。掛け合いでは僕が引っ張らなきゃいけない部分もあるので、“失礼します!”と胸を借りる気持ちでやらせてもらっています。そのおかげで、すごくテンポのいいギャグと悪魔たちの個性が際立つ作品になりました。これからもいろんなキャラクターが登場するので、悪魔たちの掛け合いも楽しんでいただきたいです」

木村 「アフレコの時は、どんな仕上がりになるか分からなかったんですが、実際に放送を見ていいテンポが生まれていると手応えを感じました。これからも楽しんでご覧ください!」

村瀬歩◆「胸を借りる気持ちでやらせてもらっています」 木村良平◆「仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かる」

【作品情報】 

村瀬歩◆「胸を借りる気持ちでやらせてもらっています」 木村良平◆「仲の良いあゆなら何となく“呼吸”が分かる」

「魔入りました!入間くん」
NHK Eテレ
土曜 午後5:35~6:00

人間の鈴木入間(村瀬)がアスモデウス・アリス(木村)ら悪魔たちと学園生活を送るコメディー。人間だとバレたくない入間だが、魔力を溜められる“悪食の指輪”を手に入れたことで事件を起こす。そんな入間を、悪魔学校の生徒会長であるアザゼル・アメリ(早見沙織)が“人間ではないか”と疑い…。

【プロフィール】 

村瀬歩 Ayumu Murase 
12月14日アメリカ生まれ。いて座。A型。「ダイヤのA actⅡ」「ばなにゃふしぎななかまたち」(ともにテレビ東京系)、「あんさんぶるスターズ!」、「Dr.STONE」(ともにTOKYO MXほか)に出演中。2020年1月から「ハイキュー!!TO THE TOP」(TBS系)、「number24」(TOKYO MXほか)に出演。

木村良平 Ryohei Kimura 
1984年7月30日東京都生まれ。しし座。AB型。「七つの大罪 神々の逆鱗」(テレビ東京系)、「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」(TOKYO MXほか)に出演中。2020年冬から「ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。」に出演。DVD「木村良平のキムライズムⅡ」が発売中。

取材・文/松本まゆげ 撮影/Marco Perboni



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