「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」など日テレ躍進! 2024年のアニメ1位は…2025/03/28

今回はアニメを大特集。2024年に放送されたアニメの中から、子ども向けアニメを除いた、いわゆる「大人アニメ」のランキングを発表していく。関東153万台を超えるレグザの最新視聴データから、新たな指標をもとに「リアルタイム視聴」と「録画視聴」を合わせた総合ランキングで24年に放送された「大人アニメ」から、どんな作品が人気だったのか、どのように見られてきたのかを分析していこうと思う。
▼Contents Highlights
●1~3月の冬クールには前年スタートの作品も
●新設アニメ枠の定着が垣間見える4~6月放送の春クール
●7~9月放送の夏クールでは豪華声優出演作が大健闘!
●各局力作ぞろいの10~12月放送の秋クール
●2024年の年間ランキング上位20位を発表!
●作品の初回放送と最終回で“満足度”が見えてくる?
ということで、まずは3か月ごとに区切ってクールごとの人気作品を見ていこう。3か月単位で放送されるアニメが大半を占めるものの、2クール、3クール連続で放送される作品も多いので、各作品の最高ポイント獲得放送回を上位から並べたランキングである。
まずは24年の1~3月の冬クール。ポイントは1位を100とした場合の割合である(以下同。なお、「大人アニメ」の定義はレグザ「みるコレ」サービスの“大人アニメリスト”を参考にしている)。
1~3月の冬クールには前年スタートの作品も
23年9月に2時間スペシャルで始まった「葬送のフリーレン」の最終回がダブルスコアで首位。2位には同様に23年秋に3話連続放送で始まった「薬屋のひとりごと」の最終回がつけて、日本テレビの2クールアニメが1、2位を独占した。2作品とも男女問わず幅広い年齢層から見られる作品で内容的な評価も高く、日本テレビの編成の上手さもあって、最後まで高い人気を維持した。
「薬屋のひとりごと」は現在第2シリーズが放送中、「葬送のフリーレン」も26年1月から第2期の放送が決まっている。3位には人気シリーズ「キングダム」(NHK総合)の第5シリーズが入った。ベスト3すべてが最終回でランクインしているのも面白い。またCreepy Nutsによる主題歌「Bling-Bang-Bang-Born」が大人気となったTOKYO MXの「マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編」が7位にランクイン。Creepy Nutsはこの主題歌で昨年の紅白歌合戦に初出場を果たしていて、人気・話題性に富んだ曲だったのがうかがえる。
新設アニメ枠の定着が垣間見える4~6月放送の春クール
フジテレビ「鬼滅の刃 柱稽古編」第1話が圧巻の第1位。その人気と注目度はやはり破格で、「刀鍛冶の里編」以来1年ぶりのテレビシリーズはまさに満を持しての登場であり、2位に大差をつけての首位となった。その2位には、「葬送のフリーレン」の後を受けて、日本テレビの「FRIDAY ANIME NIGHT」枠で放送された「転生したらスライムだった件 第3期」がランクインした。4位のテレ東「怪獣8号」も含めて、キー局の午後11時台のアニメがすっかり定着したことを感じさせる。また、3位「僕のヒーローアカデミア 7期」、5位の「ザ・ファブル」など、冬クールに続き“日テレアニメ”の好調が光る。

7~9月放送の夏クールには豪華声優出演作が大健闘!
4月クールから継続となった日本テレビの3アニメ「転生したらスライムだった件 第3期」「僕のヒーローアカデミア 7期」「ザ・ファブル」がそのまま好調を維持し、それぞれ1、2、4位を占める結果となった。特に1、2位のポイント数の高さが人気度を表している。そして3位に「キン肉マン 完璧超人始祖編」、5位に「ラーメン赤猫」とTBSの深夜アニメの第1話がランクインした。
注目すべきは「ラーメン赤猫」。津田健次郎を筆頭に豪華なキャストでも話題になったが、こどもも一緒に楽しめる内容のアニメが上位に食い込んだのは、“癒やし枠”のアニメとして幅広い層を獲得した結果に思える。一方、注目度では他を圧していた「推しの子」第2期は、TOKYO MXでの放送ということもあってか、残念ながら9位に甘んじた。

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各局力作ぞろいの10~12月放送の秋クール

トップは「ドラゴンボールDAIMA」。フジテレビ金曜午後11:40からの放送で、いわゆる“深夜アニメ”としての放送は「ドラゴンボール」シリーズとしては初めてのことだったが、結果として成功だった。
日本テレビは、「青のミブロ」「株式会社マジルミエ」「らんま1/2」とターゲットも方向性も異なる3作品をベスト5に並べ、テレビ朝日は「ブルーロックVS.U-20 JAPAN」で午後11時台のアニメに進出し、最終回で4位にランクイン。6位にはNHKの「チ。-地球の運動について-」、7位にはTBS「ダンダダン」が入るなど、各局の力作が上位に並ぶ結果となった。


2024年の年間ランキング上位20位を発表!
ということで、ここで24年の放送回ランキングを見てみよう。「鬼滅の刃 柱稽古編」が圧倒的な強さで年間第1位を獲得。その桁外れの強さは別格で、アニメ化のたびに大きな注目を集める。次はいよいよクライマックス「無限城編」が劇場版三部作で順次公開されていく。
そして、こちらも3位以下を引き離す強さを見せた2位の「葬送のフリーレン」をはじめ、日本テレビのアニメがベスト10に6本ランクインする大躍進を見せた。「金曜ロードショー」との連動も視野に入れた編成の巧みさと作品選びの確かさが光る1年だった。独自の路線で存在感を示すNHKをはじめ、TBSやテレビ朝日からもそれぞれにヒット作が生まれており、今後の新たなヒットの潮流がどこから生まれてくるのかは予断を許さない。
作品の初回放送と最終回で“満足度”が見えてくる?
最後に、主に連続ドラマの分析で使用している「最終回継続視聴」の指標をアニメに当てはめてみたらどうなるかということで、ランキングを作成してみた。最終回のポイントを初回のポイントで割った数値によるランキングで、「最終回継続視聴」の数字が高い(=100%以上)ということは、作品内容に対する満足度が高い傾向にあるのでは、という仮説に基づいている。アニメとドラマは見られ方が異なるので一概には比較できないが、あくまで参考として見ていただきたい、24年の年間ランキングである。
ベスト20すべてが100%を超えている(=初回より最終回のポイントのほうが高い)。先ほどの放送回ランキングとは異なる顔ぶれが並んでいて新鮮だ。そして、170%超という高い数字でトップに立ったのは、TOKYO MXの「マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編」。これはやはり主題歌「Bling-Bang-Bang-Born」の人気から入ってきた新規視聴者が多かったということだろう。
また、今回Eテレでの放送となった「響け!ユーフォニアム3」の2位獲得も感慨深い。そして4位「ダンダダン」をはじめ、放送回ランキングとダブルでランクインしているアニメが過半数を占めているあたりに、各アニメへの満足度の高さが反映されているように思う。また、満足度ではTOKYO MXが4作品ランクインしていることから、まだまだTOKYO MXの強さもうかがえる。

現在は新たなアニメ枠が新設されるなど、各局のアニメに対する動きはさらに活発になってきている。いい作品を最適な環境で放送することで、数字は確実についてくる。ドラマとアニメが同時スタートしたり、実写化作品とタイアップを見せるなど、さまざまなプロモーション戦略も見られ、さまざまなメディアを巻き込みながら、今後も新たな動きが続いていくことになるのだろう。25年に放送されるアニメにも大いに期待ができそうだ。
文/武内朗
提供/TVS REGZA株式会社
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