「あーこのアニメ最初から見とけばよかった!」をなくそう! ~新作アニメPV一気観イベント「つづきみ」潜入リポート~2018/07/27
今回は編集部を飛び出し注目のイベントに潜入してきたので、そのリポートをお届けしよう。6月27日に六本木・ニコファーレで行われた「第8回 僕たちは新作アニメのプロモーション映像を3時間かけて一気観したらどのくらいつづきをみたくなるのだろうか?」、通称「つづきみ」である。
現在、毎クール50本以上の新作アニメがテレビや配信で発表されていて、すべての作品を見ることは、相当なアニメファンであってもかなり難しい。ましてや一般の視聴者が新たな人生を変える一作に出会うことはほとんど奇跡に近い。第1話だけ見て2話以降をスルーすることを通称“1話切り〟というが、このままでは1話切りどころか、ほとんどの作品が1話も見られず0話切りされてしまうのではないか……。そんな現状を憂慮した有志により結成された「0話切り撲滅委員会」が製作委員会や制作会社に呼びかけて始まったのが、この「つづきみ」。要するに、新作アニメのプロモーション映像をみんなで一気に鑑賞しようという取り組みである。
作品によってはプロデューサーやクリエーター、声優なども登場し、アニメファンらが一堂に会してまだ見ぬ新作アニメの見どころをわいわいチェックし合うという、ありそうでなかった大変建設的なイベントだ。2年前から毎クールごとに行われ、今回で8回目を数える。そのたびに協力団体も増え、今回紹介されたアニメは45作品。地上波で放送されるアニメが中心だが、デジタル配信されるものや劇場公開作品も含む。
MCはニッポン放送のハイパーメディアアナウンサー・よっぴーこと吉田尚記さんと、アニメ&ゲームにガチ愛の女優・結さん。会場の六本木・ニコファーレは関係者でぎっしりだが、各アニメのプロモ映像とイベントの模様はニコニコ生放送、バンダイチャンネルほかで生配信されており、会場一面に張り巡らされたモニターには、ニコ生ユーザーたちのコメントがぐるぐると走り回る最高の雰囲気だ。
参加者、視聴者はイベント後に上映作品に対するアンケートに答えることができる。全上映作品について、第1話を見る気になったかどうかを問う長大なものだ。今回、事務局のご好意により、そのアンケート結果の最新TOP10および反応率を教えてもらうことができた。大変貴重なデータである。
最も多くの票を集めたのは「はたらく細胞」。注目原作待望のアニメ化ということで、大きな支持を得たのも順当と言えるが、現場でも「赤血球や白血球などのキャラクターが実際にカラーで動くのを見て、改めてアニメ化が楽しみになった」という声が多く、映像を見ることで視聴意欲が高まった人が多いのは間違いないようだ。
2位の「はねバド!」は高校女子バドミントン部が舞台のスポ根ものだが、結さん(バドミントン経験者らしい)の「音がすごい!」というコメントに象徴されるように、シャトルの動きや打撃音、靴のきしむ音などのリアリティーがハンパない。こういう魅力はやはり見てみなければ気付かない。
3位の「ペンギン・ハイウェイ」は、森見登美彦原作の小説のアニメ化で今回唯一の劇場公開作。すでに話題の作品ではあるがクオリティーの高さは一目瞭然で、上位ランクインもうなずける。ほかにもタイトルと裏腹なヤバさてんこ盛りの「ハッピーシュガーライフ」、アドバイザーの一人でアニメジャーナリスト・リチャードさんのゲーム愛解説が援護射撃となった「ちおちゃんの通学路」、コメンテーターとして参加していたアイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」の野口衣織ちゃんがMCの結さんとモーレツにキャッキャしていた「殺戮の天使」など、注目作が上位に並んだ。全体に男の子向け作品が上位に並んだかなという印象。ランク外作品で個人的に注目なのは、待望の第3期「FREE!-Dive to the Future-」と話題沸騰「深夜!天才バカボン」、あとはやっぱり今期の僧侶枠「じょしおちっ!」かな…。
そして実は前回第7回からこの「つづきみ」と東芝レグザがコラボレーションしており、アンケートで上位にランクインした作品がレグザの「みるコレ」で「つづきみパック」として丸ごとおまかせ録画予約することができるのに加えて、パック内で最新PVを見ることができる。
百戦錬磨のアニメおたくたちが実際に視聴して選んだ上位作品だけに、何を見ようか迷っている人にはまさに最適なガイドだ。みるコレがアニメに力を入れているのは知る人ぞ知る事実だが、毎クール見巧者が選んだオススメの新アニメが丸ごと視聴できるというのはアニメファンにはこの上なくありがたい機能と言えるだろう。「みるコレ」には他にもアニメ分類や制作スタジオ、アニメ監督、作品別でさまざまなアニメパックがあるのでそれぞれの楽しみ方でパックを選べる。
なお「つづきみ」イベントの模様はニコニコ生放送のアーカイブで現在も視聴可能。今からでも遅くないので、見逃しがないかどうかを再度チェックし、この夏のアニメを楽しんでほしい。
文/武内朗
提供/東芝映像ソリューション株式会社
武内朗(たけうち あきら)
TVアナリスト。東京ニュース通信社にて「TVガイド」「TVBros.」編集長ほかを歴任。現在株式会社ニュース企画代表。好きな言葉は博覧強記。3大フェイバリットコンテンツは、ビートルズ・ナイアガラ・魔法少女まどか☆マギカ。
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