城桧吏、中学生最後の夏は勉強漬け宣言!? 初主演への思いも語った映画「都会のトム&ソーヤ」インタビュー2021/07/16
勉強も運動も“普通”だけれど、高いサバイバル能力を持っている中学生・内藤内人(ないとうないと)と、大企業の御曹司で秀才のクラスメート・竜王創也(りゅうおうそうや)が、街の一角を使ったリアルRPGの攻略に挑む── 。
連載18年を誇るジュブナイルミステリー「都会のトム&ソーヤ」が実写映画化。映画「万引き家族」や「約束のネバーランド」での好演も記憶に新しい城桧吏が、映画初主演を務める。そこで城にインタビュー。映画について、城本人について、時間の許す限り聞いてみた。
■原作との出会いと内人役の心構え
──「都会のトム&ソーヤ」の原作は小説ですが、城さんは読んだことがあるそうですね。
「はい。最初に読んだのは小学生の時ですね。図書室で表紙に書かれている絵を見て、“かわいい絵だな。面白そう”と何となく気になって読んでみました。そうしたら、本の中で描かれている冒険がすごく楽しかったんですよ。これから何が起こるんだろう! とワクワクするシーンがたくさんあって、引き寄せられるものがありました」
── それから数年後、実写化され、なんと主人公の内人役に。
「驚きました! 主演自体初めてのことなのでプレッシャーですし、緊張もありました。でも、撮影するのは楽しみでした!」
── 内人の印象はいかがでしたか?
「内人自身は『普通』と言っているけれど、意外とそうではなくて、サバイバル能力もあるし明るいし、いざという時に頼りになる人物だと思いました。特に、明るい部分は普段の僕と似ている部分があるなと思ったので、親近感がありましたね。演じる時は、自分が持っている明るさをしっかり出したいと思ったのが第一で、あとは友達が大好きで仲間思いなところも常に意識しながら演技していました」
── また、サバイバル能力も欠かせないですよね。劇中では要所要所で披露しています。
「サバイバル技術は、撮影に入る前に先生から教わりました。火起こしみたいに映画の中で実際にやるものから、音を出さない歩き方、視野を広げる方法、細かな身体の動かし方までいろいろ教えてもらいました」
── すごい、そんなにいろいろ。得意だったものはありますか?
「火起こしですかね。うまくできたのもあるんですけど、面白かったんです。実際に1人でやった時は、思わず『できた!』って喜んじゃいました(笑)」
■同世代が多い現場で“座長”の振る舞いは
── 今回の出演作には、同世代の方々も多く出演しています。撮影の合間にはどんなことをしていましたか?
「内人自身、友達と仲良く過ごすのが好きなので、僕も撮影の合間にみんなとたくさんコミュニケーションをとろうと思っていました。もちろん台本を読む時間もあったんですけど、それ以外の時間はみんなでコミュニケーションがとれるゲームをやっていましたね。演じている役の関係性を休憩の合間にも作りたくて」
── なるほど。その方法だと、遊んでいるうちに自然と仲が深まりますね。ちなみに、同世代の共演者の中で城さんはどんな役回りでしたか?
「いじられ役ですかね。僕、よくいじられるんですけど、この現場でも自然とそうなってしまいました(笑)。なぜかはよく分からないんですけど…」
── それだけ愛されているということですね(笑)。では、相棒の創也役を務める酒井大地さんとはどんなふうに仲を深めましたか?
「撮影前にリハーサルがあったんですけど、僕はそこに途中参加したので、現場の空気感がよく分からず緊張していたんです。そうしたら大地が気さくに話しかけてくれました。それまで何となくおとなしそうなイメージを持っていたんですけど、全然そんなことなかったです。そこからどんどん仲良くなっていきました」
── 共通の話題もあったり。
「話題というか…好みが似ているんですよ。例えば飲み物の好みが一緒だから、休憩中に飲み物を買って戻ってきたら大地も同じ商品を持っていた、とか(笑)。ちょっとしたところで気が合うので、やりやすかったです」
■中学最後の夏休み! どんなふうに過ごす?
── 映画「都会のトム&ソーヤ」は夏休みに公開される映画ということで、今年の夏休みの予定を教えてください。
「今年は中学3年生なので、受験勉強をして過ごすことになると思います。理想は(コロナ禍でなければ)おばあちゃんの家に遊びに行って、ビニールプールに水を張って弟と遊んだりしたいなと思うんですけど、今年はできないですね。勉強しなくちゃいけないので!」
── 得意科目は何ですか?
「体育です! 体を動かすのが好きなんです。最近の授業だと、バレーボールが楽しかったです。でも、この前、友達がトスして僕の方にボールをくれたから、“スパイク打とう!”と思って思い切り跳んで手を振り下ろしたんですけど、スカッと空振って。そのままボールが僕の頭の上に落ちてきました(笑)」
── すごい! 奇跡ですね(笑)。
「漫画みたいですよね! そんなこともあったので、余計に楽しかったです(笑)」
── では、苦手な科目は?
「うーん、ほとんど苦手な気がするんですよね。何か一つ挙げなきゃいけないなら、英語かな? どちらかと言うと理系の方が好きなので、英語や社会はどうしても苦手になります」
── 英語のどんなところに苦手意識があるのでしょう?
「英語って、1年生から順番に単語とか文法とかを覚えていく教科だと思うんですよ。その積み重ねが大事なのに、コツコツやれずにいたら、もう取り返しのつかないことになっていました。受験勉強をしつつ、追いつけたらいいなと思っています」
── しかも、夏休みには宿題もたくさん出ると思います。城さんは先に終わらせる派ですか? あとから一気に片付ける派ですか?
「先に終わらせてしまいたいなとは思います。その方が気が楽ですし。でも、行動に移せないですね(笑)。それに、いざ始めてみても、途中で“今日はこのへんでいいかな”と思ってしまって、最初に決めた目標を達成できないんです。だいたい、残り1ページあたりで力尽きちゃう。“まだ明日があるからいいか!”って。で、結局、夏休みの最後の方に慌ててやる感じですね。今年こそは早めに終わらせないと!」
── 確かに。受験勉強もありますし。
「そうです。夏休み2日目から本気出します!」
── 1日目は…?
「ひとまず、ゆっくりゆったり過ごします(笑)」
■城の理想は「謎をサクサク解きたい!」
──「都会のトム&ソーヤ」には、創也が作った「砦(とりで)」が度々登場しています。そこで、城さんならどんな砦を作るのか聞いてみたいです。
「どうしようかな……ゲームができる環境と、ネコがいたらいいなぁと思います。それだけで十分。あとは創也が“砦は守る場所だ”と言っていたので、外から人が入ってこないようにしないといけません。ただ、しっかりした罠を僕一人で仕掛けるのは難しいので、障害物をたくさん置いておきたいです」
── ゲームはどんなものがお好きなんですか?
「友達と一緒に戦えるゲームをよくやっています。特に、第3者目線じゃなくて本人の視点で操作できるゲームが好きです。最初は難しいけど、慣れたらすごく楽しいんですよ。リアルな視点で面白いし」
── そして、ネコも。
「ネコが好きで、飼いたいなってずっと思っているんです。砦で一緒に過ごせると思ったら、入り浸っちゃいそうですね」
── 内人は、砦で創也の謎解きに付き合うことが多いです。城さんは謎解きって得意ですか?
「前に挑戦したことがあるんです。その時は解ける問題もあったけれど、やっぱり基本的に難しくて。全部を自力で解く自信は、今のところないですね」
── 劇中で創也が解いている謎も本当に難しいですよね。
「映画の最初の方に出てきた謎は一つだけ解けたんですけど、それ以外はちょっと……。ある数学の用語が出てきた時は、“何それ? 聞いたことない!”“創也すごいな!”と思いました。あと、ドラマの方(『都会のトム&ソーヤ ぼくらの砦』)では元素記号が出てくるんですけど、撮影していたのが今から1年くらい前で元素記号を習う直前だったので、あとで授業を受けて“このことを言っていたんだ!”と思ったこともあります」
── 習ってから撮影をしていたら、解けたかもしれないですね。
「そうですよね。そういう謎をサクサク解けたら格好いいですよ、きっと」
── たくさん解くために、受験勉強も夏休みの宿題も頑張ってください!
「そうですね!(笑)」
【プロフィール】
城桧吏(じょう かいり)
2006年9月6日生まれ、東京都出身。乙女座。18年、出演映画「万引き家族」が第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞パルムドールを受賞した。そのほかの主な出演作は、「約束のネバーランド」(20年)、「HOKUSAI」(21年)など。
【作品情報】
映画「都会のトム&ソーヤ」
7月30日
TOHOシネマズ日比谷、イオンシネマほか全国ロードショー
監督/河合勇人
ABEMAオリジナルシリーズドラマ「都会のトム&ソーヤ ぼくらの砦」
7月16日配信スタート
取材・文/松本まゆげ 撮影/蓮尾美智子
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