松本まりか、“最高のオバハン”に翻弄される地味女子役で新境地！ “愛知愛”＆“大地愛”が生まれた撮影中のエピソードとは？2021/03/01

　4月10日からスタートする大地真央主演のオトナの土ドラ「最高のオバハン中島ハルコ」（フジテレビ系＝東海テレビ制作）。高価なジュエリーやファッションが様になる美容系クリニックの敏腕経営者でありながら、生粋の名古屋人であり無駄なことが大嫌いな主人公・中島ハルコ（大地）が、無駄なプライドから生まれる悩みや、忖度（そんたく）まみれの理不尽な仕事の悩みをばっさばっさと切り倒して行く姿を描く痛快エンターテインメントだ。

　そして、ハルコに翻弄（ほんろう）されるアラフォー女子・菊池いづみを演じるのは松本まりか。弱小出版社でグルメ雑誌の編集者兼ライターとして働く一方で、10年ものの不倫を抱えているダメンズ女子のいづみだが、ひょんなことからハルコの舎弟のようになってしまい、嵐のような日々を過ごすことに…。

　今回、そんないづみを演じる松本にインタビュー。昨年最もブレークした女優の一人である彼女が怪演を封印して挑む今作への思いや、大地とのエピソードなどを語った。

――まず、作品の印象を教えてください。

「隕石のようなドラマ…ですね。今までは自分だけの世界で日常を生きてきたのに、突然隕石がやって来て、見える世界が一変させられたような感覚というか。それくらい新しい価値観をもたらしてくれる作品だと思います。いづみとしてハルコさんのセリフを聞いていると、私自身がハッとさせられることも多くて、最初はそうして驚いたり振り回されたりするばかりだったんですけど、気がついたら笑顔になっている自分がいました」

――ハルコのどんなセリフが印象的でしたか？

「名言を言った後に言う『私の知ったことじゃないけど』というセリフが頭にこびりついています。これって相手を突き放しているようで、こっちを楽にさせる感じがして、押し付けがましくさせないところがハルコさんのすてきなところだと思いました。あとは、整形の理念について『コンプレックスを取り除けば人生を変える勇気も出る。自分が変われば周りも変わるのよ』と言うシーンも刺さりましたね。こういった彼女の生きる哲学が毎話出てくるんですよ」

――一方、いづみはそんなハルコに影響されていく人物ですよね。彼女の魅力とは何でしょうか？

「38歳の彼女は、その年代の女性を体現しているような人物なので、悩みも抱えているけれど、素直なところが魅力だと思います。ハルコさんのことを最初はけげんに思いつつも、ちゃんと影響されて吸収していきますし、新しい世界に飛び込んでみる勇気もあります。そういう彼女を見ていて、いくつになっても人は変われるんだと思いましたし、そういうことが大事なのだなと感じました」

――“できれば結婚して好きなものだけを書いて生きたい”と思いつつも、いまだ夢はかなわないいづみですが、共感できる部分もありましたか？

「悩みは共感できました。いつも負のループに入ってしまったり、ハルコさんのような存在がいないと自分で打破するのは難しかったり…。結婚については、私はもう少し楽観視している方ですが、気持ちは分かります。同世代の友達が結婚や出産のことで悩んでいるのを見ると、これが現実なのかと思い知らされることもあります。それでも“そんなことにとらわれて生きるのではなくて…”というのを教えてくれるのがハルコさんです。私自身も10代の頃に彼女のような人に出会って変わることができた経験もあるので、いづみがハルコさんに出会い、いろいろなことを教えてもらって成長していくという過程の全てに、やはり共感できる気がします」

――いづみを演じる上で、今回は“怪演”を封印なさるということですが…。

「普段も怪演をしているつもりはないのですが（笑）、面白がっていただけることはうれしいし、ありがたいなと思います。今回は物語をかき乱したりしない完璧な受け身の役なので、そこは今までと圧倒的に違いますね。また、いづみの成長物語としても、連ドラを通して成長していけるというのは初めてです。作中では“輝いているハルコさんの影に半分隠れたいづみが基本ボケている”という絵が度々あるんですけど、それがたまらなく好きです（笑）。私としてはこのポジションがまさに役にぴったりでツボなポイントです！」

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか？

「タイトなスケジュールの中、朝から晩まで毎日ずっと一緒にいるので笑顔が絶えませんでした。スタッフさん同士のコントみたいなやりとりに笑ったり、機材のことを教えてもらったり、とにかく楽しかったです。愛知県での撮影では、幸田町の皆さんが愛情のこもったお弁当を出してくださいました。私のSNSを見て“お花が好きそうだから”って、（そのお弁当に）お花を入れてくださって…！　しかもすごくおいしくって、毎回楽しみで仕方なかったです。そういうお心遣いに助けられましたし、帰りたくないと思うくらい“愛知愛”が生まれました」

――大地真央さんとは、どんなお話をされましたか？

「宝塚のお話を聞きました！　大地さんが自転車で通学されていたこととか、記念公演の時の様子とか、衣装の羽がすごく重いとか（笑）。他では聞けないお話に、まるでおとぎ話を読んでいるかのように興味津々でした！」

――たくさんお話されたのですね。

「仲良くさせていただきました。私がお正月におせちを食べる余裕がないと言ったら、『これ食べなさい』って高級なカレーをくださったり、食べたことがないくらいおいしいクッキーを差し入れしてくださったり…。“こんなにおいしいご飯を食べられるとは…！”と、スタッフもキャストもみんな喜んでいました。大地さんはそうやって私たちにファンタジーを与えてくださる存在ですね。お会いできるだけでうれしくて、楽しい撮影でした」

――ありがとうございました！