綾田俊樹＆ベンガルの演劇ユニット・綾ベン企画の舞台がドラマ化2021/01/24
WOWOWでは4月から、綾田俊樹とベンガルの演劇ユニット「綾ベン企画」で上演された舞台をベースにした「WOWOWオリジナルドラマ 川のほとりで」（日時未定）を放送・配信する。
本作は「綾ベン企画」で上演された舞台「川のほとりで3賢人」を基に、全6話のオリジナルストーリーとしてドラマ化。多摩川の河川敷を舞台に、ブルーシートの小屋を作って暮らす男2人の悲喜こもごもを描く。綾田は人懐っこくロマンチストで計算高いトシちゃん、ベンガルはこわもてで一見後を引かないサッパリとした男に見えるが、物につられて簡単に前言撤回してしまう一面がある、使えそうなものを集めてDIYをするのが得意な男・BBを演じる。オリジナル舞台も手掛けた平山秀幸が、監督・脚本を務める。
綾田は「自分達が作ってきた芝居がTVドラマになる、にわかには信じられない喜びです。美術、そしてその他のスタッフの方々の努力を目の当たりし、そこで演じられた自分は幸せの極みだと思います。皆さまに感謝いたします」とドラマ化を喜び、「ベンガルさんとは長い。綾ベンという形でやりだしてからも、20年以上。今までは2人が交互に作、演出という形をとってきました。2017年の舞台制作にあたり、外部の作、演出を頼もうとなって、平山監督にお願いしました。ホームレスを題材に取り上げようとなって、多摩川土手に何度も通い、実際のホームレスの人たちの話を聞きました。皆さん心を開き、いろいろ面白い話を聞かせてくれました。彼らのおかげで芝居が出来上がりました。多摩川洪水の時は本当に心が傷みました。ホームレス芝居を深めようとなって、2020年に平山監督演出の下、広岡由里子さんを加え、作には、てっかんマスターさんを迎え舞台『川のほとりで3賢人』が出来上がりました」とこれまでを振り返る。
また、ベンガルは「ホームレス役を演じることは、深みがあってとても手応えを感じました。極限状態の中、それでも生きていこうとする彼らの姿はかわいくもあり、時に面白くもあり、とても共感できる人たちだと思いました。（舞台の制作にあたり）彼らに何度も取材をしましたが、皆さん家族の話はしてくれません。逃げてきたのか捨ててきたのか誰一人語ってくれる人はいません。心に深い闇を抱えている人もいるのだと思います。今回ドラマにしていただいて、そんな彼らの心のうちの葛藤が、家族が、場面のあちこちに浮かんで見えてきました。情感のあふれる異色のとても面白い物語になっていると思います。これは心に家族を抱えたホームレスの孤独なホームドラマだと思います」と作品への思いを明かす。
演じる役について綾田は「トシちゃんというじいさん、命名したのは平山監督です。ベンガルさん演じるBBとは対局的な色を出さなければと、まず思いました。物へのこだわり、話と動作のスピード、言葉遣いなど。テレビドラマ化でまず感じたのは、演出、美術スタッフの力でそれぞれの住んでいる小屋に色があり、キャラクターの紹介が半分できていること。そしてそれをうまく利用して、トシちゃんという人間の像を深めようと思いました。舞台でも、このテレビドラマでも出てくるセリフ『ホームレスは自分を語らない』これは大切なことだと思います、説明してはいけない。随分昔の話ですが、住んでいた街の駅裏にじいさんと娘が営む小さな古い焼きトン屋がありました、親父は大学教授か、物書きにしか見えませんでした。しかし誰が聞いても過去は語らず、素性は明かさずじまいで逝ってしまいました。娘もいつも文庫本を読んでいて、何も語りませんでした。われら客たちは、ああだこうだ、○○に違いない、と想像を膨らませました。トシちゃんも見た人たちに、過去の生きざまの想像を膨らませる演じ方をしたいなと思いました」とコメント。
「メークをして衣装を着て川辺に建てられたセットの小屋の前に立つと震えが来るほどの臨場感、そして見事な川のロケーション、スタッフさんの力強さに圧倒され、ただただその中に溶け込むことが私の役作りだと思いました。本当に楽しい撮影でした」と言うベンガルは、「毎回すてきなゲストの登場で、この深刻な設定が膨らんで謎あり不思議あり妄想ドタバタありの面白い異色のドラマになりました。川辺で暮らす人たちの日々をドラマを通じて見守っていただけたらとても幸せです」とメッセージを寄せている。
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