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山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?2021/01/21

山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?

 1月22日からNHK総合で、ドラマ10「ドリームチーム」がスタートします。本作の主人公・榎木香菜(山口紗弥加)は、大学教授の夫・圭吾(前川泰之)の不倫により“すてき主婦”からふびんな妻へ転落。また、セクハラとパワハラで訴えられて左遷されたあげく、彼氏の浮気が発覚して落ち込む鶴賀優子(財前直見)。さらに、地味な実生活に反して、SNSでは“キラキラ女子”を繕っていた三代澤茜(桜庭ななみ)は、ある日“盛った”ことがばれて大炎上!

 そんな、世代も性格も違う3人は、高校時代にバスケットボール部のキャプテンとして青春を懸けたという共通点を持っています。彼女たちは、恩師・安東勝仁(伊武雅刀)のお別れ会で妻・佳恵(余貴美子)から「バスケ寮で一緒に住まない?」と誘われ、不思議な共同生活を始めることに…。

 逆境を乗り越え、新たな人生へと一歩踏み出していく姿を描く本作で香菜を演じる山口さんに、撮影中のエピソードや本作の魅力をお伺いしました。

――まずは、本作の出演が決まった時の率直なお気持ちをお聞かせください。

「ただただうれしかったです。このところ“なんだか怖い”というキャラクターが多く、自分とはかけ離れた突飛な人間を想像の部分で演じることがほとんどでした。遊びが許されるというのは魅力的で、喜々として演じさせていただいていましたが、息切れを感じるようにもなってきて(笑)。真逆の、違う、何か…現場で相手の役者さんとやりとりする中で生まれたものを誇張せず丁寧に積み重ねていくような、リアルタイムを生きる女性を今現在の私自身で演じてみたいという願いが湧いてきた時に、今回のお話をいただいて。今は、あるがままを全て出し切ることに集中して、現場にいるような感じです」

――等身大の女性を演じる上で、何か気を付けていることはありますか?

「1、2話では、旦那・圭吾さん(前川)のルールの中で、ある種の自主性を持ちながら、仮面を被り、見栄を張り、自分を偽って生きている女性です。大きなストレスを抱えながらも無理をして、必死に生きているので、現場ではできるだけ楽をしないように心掛けていました。例えば休憩時間、座らないでいることで、身体的な疲労が精神的な負荷になればいいなと…。あと、意識したのは笑顔です。娘役の環(根本真陽)に『なんで謝って、なんで笑ってるの?』と言われるシーンがあったんです。その言葉が胸に刺さって、すごく痛くて。香菜の無理は子どもにもしっかり伝わっているんだと。つらい状況であればあるほど、無理して大きな笑顔を作ることを意識していました」

山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?

――台本を読んだ感想は、いかがでしたか?

「世代の違う女性たちの掛け合いが面白くて。それぞれに“時代”を背負っているというか、年齢によって感覚や考え方がこんなにも違うのかと。大きな意味での“環境”が人を作り育てるんだと感じました。安東寮に集まった、正直者の3人が、面と向かって正々堂々、言いたいことを直球でぶつけ合うのは爽快で、なんだか胸がすっとしました。そして、余貴美子さん演じる安東佳恵さんがもう、本当にすてきです。そこに、誰にも忖度(そんたく)しない佳恵さんの息子・悠一さん(味方良介)もいて、一人一人がおのおのの持ち味で輝いています。視聴者の方々には、いろんな人物の目線からこの作品を深く味わっていただけると思います」

山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?

――撮影をするにあたり、準備されたことはありますか?

「元バスケ部のキャプテンなので、漫画『SLAM DUNK』を読んで勉強しました(笑)。バスケットボールがちょっと苦手で…。それから、日本最高峰といわれる桜花学園高等学校の女子バスケットボールチームの皆さんの練習と、今も使われている女子寮を見学させていただきました。台本を読んでいて、“旦那さんから、心ない言葉を掛けられても、けなげに耐え続け、どうしてそこまで献身的に支えることができるんだろう…”と不思議に思っていたのですが、部活動で培った根性で、ストレスに強いメンタルが出来上がったのかもしれないなと。OGの方々にお話を伺ったことで、大きなヒントをいただきました。他には、バスケットボールを胸に抱いて、眠る(笑)。指導の先生が『ボールに触れていればうまくなる』とおっしゃっていたので…。練習しても練習しても、うまくドリブルができなくて、余力がない時は、しっかりとボールを抱いて眠っていました(笑)。『キャプテン翼』の翼くんではないですが、“ボールと仲良くなる!”みたいな気持ちです(笑)」

山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?

――バスケットボールの上達ぶりは、いかがですか?

「自己評価でいえば0点。ですが、本番で監督のOKが出た後に、先生から『うまくなったね。やっぱり練習ってうそつかないね』と…。悔しい思いは拭えませんが、出来る限りの準備はしました」

――バスケットボールのシーンを撮ったことで、香菜や周りの皆さんの心境の変化はあるのでしょうか?

「初めての練習で、ボールから目を離した状態でドリブルをすることができなかったんです。ドリブルからのシュートなんて夢のまた夢…そんな状態でも、練習を重ねるうちに、少しずつ、少しずつ、できることが増えてきて。小さくても達成感がありました。その小さな達成感が、今度はささやかな自信となり…何かをクリアして乗り越えることは、大きな力を与えてくれるものなんだと、再確認しました。財前さんとななみちゃんと3人で合同練習できたのはすごく大きかったと思います。5分休憩の時に、ななみちゃんは茜らしく携帯をいじっていたり、財前さんと私は、自主練をしていたり…。そういう雰囲気の中で、1人じゃない、“チーム”というものを初めて体感することができたんですよね」

山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?

――先ほども、財前さんや桜庭さんとの掛け合いが面白いとおっしゃっていましたが、撮影現場の雰囲気はいかがですか?

「財前さんとななみちゃんに1日会えないだけで寂しいなと感じるほど、楽しすぎる現場です。2人とも“ここは当て書きだな(笑)”と思ってしまうくらいに自然で、なんともいえない安心感、居心地の良さがあります。皆さん、本当に変わらない。スイッチのオンオフもなく、普段からの延長線上にいるような感じなので、演じているという感覚はゼロに等しいかもしれません」

――香菜は、安東先生から勇気付ける言葉をもらいます。山口さんご自身は似たような経験はありますでしょうか?

「『NODA・MAP』の舞台『オイル』に出演した時の衣装担当、ワダエミさんの言葉を最近よく思い出します。その作品で私は2役を演じていて、早着替えがあったんです。数十秒しかない状況で、“移動しながら服を脱ぎ、三つ編みにしていた髪の毛をポニーテールにして、赤い口紅を塗る”ということを、全部自分で、しかも完璧にやり遂げる必要がありました。でも、何度練習したってできない。その時に、私、生意気にも不可能だって言ってしまったんです。そしたらエミさんは『不可能はない。もし不可能だと思うのなら、あなたが可能にしなさい』と、おっしゃった。当時の私は“そんなこと言われてもできない…”という思いであれこれ試行錯誤して、通しリハーサルに臨んだのですが、できちゃったんですよ(笑)。どうにもならないことの方が大多数でも、自分次第でなんとかできることもある。“不可能は可能にできるんだ!”と、その時に知りました。あの時、あの状況で、エミさんからこの言葉をいただかなかったら、私は挑戦すらしなかったと思います。1、2話を撮影しながら、あの時のことを毎日思い出していました」

――今回は名古屋制作ということで名古屋近郊で撮影をされていますが、地方ならではのエピソードがありましたら教えてください。

「みそ煮込みうどんにはまっています。冷えた体を温めてくれる存在です(笑)。ロケが寒いんですよ。12月に10月設定で撮影していたので、衣装が薄着で、芯から冷えてしまって…。みそ煮込みうどんが心の支えになっています。それから、空が広いです。天候にも恵まれて、ずっと快晴の日が続いていたので、とにかく朝日が美しくて…それだけで毎日幸せだなぁ、と。あ! 金のシャチホコは、いつか見に行きたいと思っています」

――最後に、本作の見どころをお願いします。

「女性たちのたくましさと、バラバラの個性が集まったチーム戦です。異物同士がぶつかりあって研磨されていく中で、正解も間違いもない、誰とも比較しない“自分らしい生き方”をチームで模索します。世界中が大変な状況のさなかにあって、夢を抱く余裕もなく、語ることすらちゅうちょする雰囲気がありますが…このドラマの登場人物たちと同じく、今この時を懸命に生きている方々に、“明日は何かいいことがあるかも…”と期待してもらえるような作品にできたらいいなと思っています」

――ありがとうございました。

【番組情報】

山口紗弥加が「ドリームチーム」で等身大の女性役に。元バスケ部のキャプテンを演じる上で準備したこととは?

ドラマ10「ドリームチーム」
1月22日スタート
NHK総合 金曜 午後10:00~10:44

NHK担当 M・I



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