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石原さとみ、寺尾聰、向井理、勝地涼が伝える「人生最高の贈りもの」の魅力2021/01/04

石原さとみ、寺尾聰、向井理、勝地涼が伝える「人生最高の贈りもの」の魅力

 テレビ東京系で本日1月4日に放送される、新春ドラマスペシャル「人生最高の贈りもの」(午後8:00)のオンライン記者会見が開催。主演の石原さとみ、共演の寺尾聰、向井理、勝地涼が出席した。それぞれの役どころやドラマの見どころなどを語り、会見の模様はYouTubeおよびLINEの同局公式チャンネルでも公開された。

 本作は、脚本を岡田惠和氏が手掛け、石橋冠監督が演出するオリジナルドラマ。余命わずかなことを隠し、父・笹井亮介(寺尾)のもとへ里帰りした娘・田渕ゆり子(石原)と、彼女を取り巻く家族の絆を描いた心温まる愛と感動の物語だ。

 岡田脚本を最初に読んだ時の印象について、石原は「今回、岡田さんの作品だっていうことで脚本を読ませていただいた時に、1ページ目から『あ、こういう世界なんだ』ってすぐに分かる、入り込める台本だなと思って、すごく夢見心地というか、そういう気分で読ませていただいて。で、セリフが多いわけではないんですけど、ト書きがとても丁寧に書かれていて、映像で見ていただければ分かりやすいと思うんですけど、台本の時点でとてもイメージが湧く、『ああ、こういう家で育って、こういう環境だったんだろうな』っていうこととか、風の音だったりとか、匂いだったりとかっていうことも感じられるような台本で、すごくこの世界で生きられるのは撮影が楽しみだなって、初めて読んだ時に思いました」とコメント。

 寺尾は「今回の脚本を1ページ目を開いてから、『いやあ、どういうふうに演じたらいいんだろう?』ということで、いくつか悩んだことはあるんですけれども。それから、出演者が大変少なく、特に主演の石原さとみさんと初めてだったので、『どういう女優さんなのかな?』と。それで、この親子という関係をとにかくどういう形で作っていけるかなと。それには僕がどういう作り方をしても、相手の石原さんがどういうふうに受けてくれるかということがとっても大事な要素で、最初読んだ時にこの父親が“ただ頑固”ということを強く出そうかなと、一瞬迷ったんですけれども、そうじゃなくて、最終的に岡田惠和さんのシナリオが切なくて悲しくて、それでもただ悲しいだけじゃなくて、最後に胸にフワァッと広がるものが…それをお芝居で作るってすごく難しい挑戦なんですけど、それをぜひやりたいなと。それで初日に石原さとみさんとお会いした時に、なんとなくですけど、彼女が出ていたドラマとちょっと印象が違っていたんですね。それで芝居を始めたらどういうふうになるかなということを、期待やいろんなことを胸に抱えながら撮影に臨みました」と役づくりの苦労を明かした。

 そんな寺尾が演じる亮介の元教え子で、英語教師でもある、ゆり子の夫・田渕繁行を演じる向井は「初見はとてもファンタジーというか。具体的に余命だとか病名だとかがなく、メルヘンみたいな感じでした。読んだ時はどんどん読み進めていくうちに、単純に面白いだけじゃない、いろんな感情が動かされて、読み物としてとても面白いなと思ったんですけど、台本を覚えたり役を考えたりしながら読むととても難しくて。勝地くんとも話したんですけど、『…』とか間とかが、結構役者サイドに投げられている感じがして、ある意味、岡田さんに試されているような感じもあったので(笑)。それはすごく難しくもあり、テレビで匂いとか伝わらないと思いますけど、まさにそれを伝えようとするような台本でした。色とか匂いみたいなものを、どうやってつなげて醸し出してテレビを見ている人に伝えるかっていうのが、結構ソフトな台本に見えて、こっち側としてはハードな台本だなっていうのは、撮影に入る前に感じました」と、演じる難しさを感じたと話した。

 亮介の担当編集者・野村役の勝地は「僕は最初に台本を読んだ時に、単純に号泣しながら読んで『わぁ、切ないな』っていうのと『温かいな』と。やっぱり岡田さんの脚本て、そういうところがすごくあるなと思ったりしました。僕の役は、最初から最後まで、なぜゆり子さんが家に帰ってきているかっていうことを知らずに終わってしまうので、それが実は難しくて、現場に入るまで『なんていい作品で…』と思っていたんですけど、現場に行ったら『そうだよな、俺、気付いちゃいけない役なんだ』っていうのが難しかったのと、岡田さんの作品には“日常”というか、“呼吸”、あと“目が合う”とか、そういうもので表現しなきゃいけなかったりするので、なるべく『いつもここにいるんだよな』っていう、なるべく“すとん”といるようにということだけは、意識してやらせていただきました」と役への向き合い方を語った。

 寺尾と親子役を演じ、石原は「1年半前なので、その後の印象が強すぎて忘れている部分はありますけど、でも、お会いした瞬間からたくさんお話をしてくださいました。それが、頑張るとか無理をするとか一生懸命とかそうことでは全くなく、ただ自然と会話が生まれて、空気が生まれて、疑問が生まれて。何かこう、すごく空気づくりをしてくださいまして。あと、言葉にもしてくださいました。それこそ私が以前、こういう作品に出ていたのを見てこう思ったとか、この脚本で僕はこう思うとか、いろいろな話をしてくださったのが印象的で、直接的にストレートというより何か温かく愛を包んでお届けしてくれるっていう、あったかい方だなって。撮影が終わった後、ライブに行かせていただいて、その時は全然違う寺尾さんでした(笑)。撮影の時は『お父さん』ていう感じだったんですけど、色気ムンムンなダンディーなお父さんで『違~う!』って思いながら(笑)。それを知る前にお会いできてよかったです」と笑顔でエピソードを披露した。

 印象に残っていることを、向井が「僕は寺尾さんと石原さんとしかお会いしていないんですね。石原さんとは共演は初めてなんですけど、最初からずっとしゃべってましたね。いろんな踏み込んだ話から(笑)、仕事の話とか。でもまあ、夫婦役ということで、そういう距離は縮めたいなという思いはあったので、なるべくそういうお話をして、人となりというのを知ろうということはしていました」と言うと、それを受けて石原も「そうです。料理の話とかいろいろ話しました。仕事の話だとかプライベートな話とか。中でもすごく印象的だったのが、太陽が照っていた時に光を浴びながらベンチに横並びに座って、向き合うんじゃなくて同じ方向を向きながら、ずっとゆっくりしゃべってたんですよ。それが何か、こういうふうに夫婦間で時間を過ごしてきたんだろうなというのは、すごくありましたね。何かいい時間だと思って」と振り返った。

 勝地は「このドラマって食事とか料理というのがテーマにはなっているので、ご飯を食べるシーンでカットがかかった後も、ずっとみんなで食べてるとか(笑)。だから、あのリビングで過ごす時間というのが、そのまま続いて次のシーンに行くというのは心地いい時間で、楽しい雰囲気のまま、なんか撮影をやっているうちにカットがかかって終わったという感じでしたね」と撮影時のエピソードをうれしそうに語った。

 また、ドラマのテーマでもある“絆”についてのエピソードを問われると、寺尾は「(石原に向かって)まだ、あなたが産まれる前に演出家の石橋冠さんとお会いして、僕が初めてテレビのスタジオドラマにデビューした時の演出家で、それ以降50年、約半世紀お会いせずに、仕事をご一緒することができずに、本当にぐるーっと回ってきて。デビューして俳優という意識を持ち始めてから、今、73歳になって、恩師である石橋冠さんにお会いして、その演出する作品に出演できたことをとってもうれしく思って。今、“絆”という言葉で最初に頭に浮かんだのが、石橋冠さんの顔です」と笑顔を見せた。そして「出演者の皆さんの演技がとってもいいので、春先早々、“エンギ(縁起)がいい”ってとっても良いじゃないか。お後がよろしいようで(笑)。ぜひご覧になってください」とおめでたいだじゃれで、会見の場を沸かせた。

 会見の終盤には、演出の石橋監督と岡田氏からのビデオメッセージが映し出され、石橋監督は「『人生最高の贈りもの』、非常に楽しく撮らせていただきました。岡田さんの脚本は、本当に純粋な父と娘の愛を描いたシンプルだけど非常に演技をする方にとっては難しい脚本だったと思います。寺尾くんのお父さん、石原さんの娘。作って編集してても音を入れてても、それぞれ違うことが発見できて、本当にしたたかな皆さんの実力を思い知った作品でもありました。勝地くんもそれから向井さんもみんなそれぞれ自分の役割を理解してくれて、そういった意味じゃ、演出者としては楽な仕事ではありました。いいドラマに仕上がっていると、勝手に思っています」と出演者を絶賛。

 岡田氏は「『人生最高の贈りもの』、いよいよ放送となります。脚本家になって、すごく幸せだなと思った仕事でした。石橋冠さんに撮っていただくことは本当に光栄だったし、テレビドラマってこういうもんだっていうすてきな仕上がりになっていると思います。初めてご一緒した石原さとみさんは、すごく繊細で、本当に体中に役が染み渡っているようなすてきな表情をされていて見逃せないです。向井さんは、すごく久しぶりなんですけど、実はとても難しい役で、いろんなことを吸収して温かく受け入れて、でもつらさもあってという繊細な役をすごく美しく演じていただきました。勝地くんとキムラ緑子さんのシーンは、ずっと見ていられるぐらい楽しかったです。そして寺尾さん。好きです。かっこよかったです。優しくてちょっと甘くて、こんなすてきなお父さんだったらいいなっていう、日本の父親を演じていただきました。役者さんの芝居を中心とした脚本なので、一人一人の表情、動き、気持ちの動き、それから考えていることと裏腹のせりふ、伝えること伝えないこと、役者の仕事を堪能していただけたらなというふうに思います。とっても見応えあるものになっていると思いますので、楽しみにしていただきたいと思いますし、多くの方に見ていただきたいと思います」と出演者に感謝を述べ、本作の魅力をアピールした。

 最後に、石原は「個人的なことですけど、本当にこういう役がやりたかったです。それができたことが本当に幸せです。このチームでできたことが本当に幸せです。撮影は1年半前だったんですけど、その時はこの当たり前の日常がとても尊いよねって思ったんですけど、今は、こんなに状況が大きく変わったら、この当たり前がとてもうらやましいなって、今、この作品を見るととっても思ってしまいます。1日も早くこのドラマのような世界が時間が戻ってきてほしいと、見た方たちがやっぱりこういう世界がいいなって思ってもらえる時間になると思いますので、ぜひ新年から理想を描きながらも、あったかくて幸せな気持ちになっていただけたらなと思います。見ていただけたらうれしいです。よろしくお願いします」と視聴者へ熱いメッセーを送り、会見を締めくくった。

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