町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第4回「夜のヒットスタジオ」(西城秀樹追悼特集/1979年4月9日放送回)>2020/12/26
平成3年生まれのシンガー・ソングライターである私、町あかりは、昭和時代に放送されていた「音楽番組」に強い憧れを抱いています。検索して調べてみると、今では考えられないほど多くの音楽番組が放送されていたんですよね。そして令和になった今見てもキラキラ、ピカピカと輝いていてワクワクさせてくれるのです!
そんな珠玉の昭和の音楽番組について熱く語るこちらの連載企画、第4回はフジテレビの音楽番組「夜のヒットスタジオ」をピックアップ。今回は西城秀樹さんの追悼特集として、フジテレビTWOで12月30日に再放送される、1979年4月9日の放送回「西城秀樹出演回 傑作選 #16」を見てみました。
「夜のヒットスタジオ」は、68年から22年間にわたって放送された伝説的音楽番組。きっとリアルタイムでご覧になっていた方も多いですよね。私も上の世代の方から「『夜ヒット』見てたよ」という思い出話を聞くのが大好きです!
今回の出演者は、石野真子さん、狩人、西城秀樹さん、アリス、内藤やす子さん、夏木マリさん、郷ひろみさん、そして都はるみさん。「夜ヒット」といえば、出演者がほかの歌手の曲を歌いマイクを回していくオープニング・メドレーが名物コーナーの一つ。もちろん今回も聴き応え抜群です。「狼なんか怖くない」も西城秀樹さんが歌うとなんだか色っぽいなぁ…。司会の井上順さん、芳村真理さんによる時事ネタトークも興味深く、後追い世代の私としては貴重な文化資料です。
トップバッターの石野真子さんは5枚目のシングル「プリティー・プリティー」を歌唱。筒美京平さん作曲で私も好きな曲なのですが、レコード音源よりもテンポが速くてベースもギターのカッティングも軽快でノリノリ! これも生演奏の醍醐味ですよね。
次に狩人が歌った「アメリカ橋」は7枚目のシングル。「目黒と恵比寿の間にある…♪」と、出だしの歌詞がアメリカ橋に関する説明という斬新さにビックリ。
そして、今回大注目の西城秀樹さんが登場! よく日に焼けて一段とワイルドなヒデキ。鹿児島の与論島でコンサートを開催した(スゴイですね!)というトークの後、国民的大ヒット曲「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」を披露。なんと曲が始まったと同時に、大勢のファンの女の子達が登場します。気付けばヒデキはクレーンのような器具に乗っていて、まるでスタジオの中をフワフワと飛んでいるみたいな状態に! 浮遊感があって楽しい演出ではあるのですが、かなりの高さまで上昇しており、こんなに不安定な状況にもかかわらず、一糸の乱れもなくいつも通りカッコよく歌っているヒデキはスゴイ…と圧倒されます。また「ゆううつなど吹き飛ばして 君も元気出せよ」というシンプルかつ温かいメッセージの詰まったヒデキの歌声を聴いて、まさに今救われる人も多いのではと思ったり。もちろん私もそのうちの1人であります。
現在どのコンサートでもおなじみの「サイリウム」の元祖といえる、ファンの女の子たちによる愛のこもったペンライトの演出も含め、歴史的な演出の放送回だったと言っても過言ではないと思います。元気出ます!(笑)。
その後は、70年代らしいモード系で超絶オシャレな夏木マリさんが「さよならの鐘」を色気たっぷりに披露。次に登場したアリスはこの日が活動休止前最後のテレビ出演ということで、「夢去りし街角」「チャンピオン」の2曲を。「最後の言葉だ、ありがとう」という一節が切なく印象的です。
次に登場した内藤やす子さんの衣装にビックリ(笑)。当時らしい近未来感のある大胆な配色、ということでしょうか。さらに、歌う前のトークでの「PRしていいですか? 明日、LPが発売されます。よろしくお願いします」「言える時に言っちゃわないとね」という潔い告知には大笑いしてしまいました。もちろん歌も最高で、宇崎竜童さんと阿木燿子さんコンビによる「やさしさ尋ね人」は、「これこれ! こういう大人の曲が聴きたいんだよなー!」とグッときちゃいました。
郷ひろみさんは「ナイヨ・ナイヨ・ナイト」を。膨大なヒット曲を持つひろみさんの中でもあまり話題に挙がらない曲ですが、この頃のひろみさんにピッタリの妖しい雰囲気で私は大好きなんですよー!
最後は、都はるみさんが新曲「あゝ放浪」を熱唱。「熱い嵐」(TBS系)の主題歌だったそうで、男性が母を思う愛情たっぷりの名曲。作曲が大野克夫さん、作詞が阿久悠さんで、当時らしいアレンジのさっぱりとした気持ちのいいポップスです。いやぁ、いい! またすてきな曲を知っちゃいました。
「夜ヒット」は売上数や有線リクエストなどのヒットの有無を問わない形態で、新人が登場することも多い番組なのですよね。いろんな世代が楽しめる、穏やかな雰囲気が魅力の番組だとあらためて感じました。ちなみに毎週月曜、夜の10時からなんと生放送だったそう。ちびっ子も夜更かしして見ていたのかな? きっと当時は録画するのも難しかったですよね。
さまざまな発見がある素晴らしい番組を、平成生まれでも今こうして再放送でじっくりと楽しめるのは大変うれしいことです! ぜひ皆さんもご覧くださいね!
スカパー!で フジテレビTWO「夜のヒットスタジオ」を見る>>
【番組情報】
「西城秀樹追悼特集 夜のヒットスタジオ 西城秀樹出演回傑作選」
フジテレビTWO
■12月29日
#1 午後9:00~9:50/#2 午後9:50~10:40/#3 午後10:40~11:20
■12月30日
#4・#5 午前11:00~午後0:44/#6~#9 午後0:44~4:12/#10~#12 午後4:12~6:48/#13~#16 午後6:48~10:17/#17 午後10:17~11:00/#18 午後11:00~11:40
2018年5月に逝去した西城秀樹さんをしのび、フジテレビが誇る伝説の歌番組「夜のヒットスタジオ」から、彼が出演した回を放送。1968年の番組スタート以来、国内外問わずさまざまなジャンルの歌手・アーティストをゲストに迎えて、ヒット曲などを披露する生放送の音楽番組として一世を風靡した、フジテレビが誇る伝説の歌番組「夜のヒットスタジオ」。その貴重な映像から若かりし日の西城さんのカリスマ性あふれるパフォーマンスを振り返る。
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町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」に関するご意見・ご感想、ご要望は下記アドレスまで。抽選で、町あかりさんのアルバムを7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp
町あかり
シンガー・ソングライター。2010年から活動を始め、作詞・作曲、編曲、執筆、イラストや衣装制作まで自身で行う。19年には、ビクターエンタテインメントからメジャー5thアルバム「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」をリリース。20年10月に、日本コロムビアから初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。ほか、アーティストへの楽曲提供も行う。映画「男はつらいよ」と昭和歌謡曲、そして文鳥を愛する。
★公式WEBサイト:https://mcakr.com
★オフィシャルTwitter:https://twitter.com/mcakr
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