「明治開化 新十郎探偵帖」福士蒼汰が語る特命探偵・新十郎とは!? 文明開化の闇に明治版シャーロック・ホームズが挑む!!2020/12/09
NHK BSプレミアム・BS4Kで12月11日からBS時代劇「明治開化 新十郎探偵帖」がスタートします。明治初期、時代は文明開化に色めき大きく変貌。時代の風に乗れた者と、時代に取り残された者がハッキリと目に見えた時代に奇妙な事件が多発します。そこに現れた、警視庁からの信望が厚い洋行帰りの特命探偵・結城新十郎(福士蒼汰)は、事件の真相をズバズバ指摘。一方、勝海舟(高橋克典)の弟子で、難事件を推理することが大好きな自称・新十郎の相棒という泉山虎之介(矢本悠馬)は、いつも新十郎に小ばかにされ勝に泣きついています。
そんな2人と勝の周りには、元売れっ子芸者で勝の妻・民(稲森いずみ)や、新十郎にほれ込む大政商の娘・梨江(内田理央)、戯作者の花迺屋因果(中村靖日)、新十郎を煙たがる警視庁大警視・速水星玄(勝村政信)など個性的な人々が集まってきます。彼らに助けられながら、謎解きが進むにつれて現れる新しい明治の時代に人々が抱える不安や愛憎。新十郎たちは、事件を通じて西郷隆盛(鶴見辰吾)、大久保利通(篠井英介)など多くの時代の要人たちと渡り合い成長していきます。
今回は、時代の闇に挑むヒーロー“明治版シャーロック・ホームズ”こと、結城新十郎を演じた福士蒼汰さんにインタビューを敢行。役に対する思いや撮影中のエピソードを伺いました。
――出演が決まった時の気持ちを教えてください。
「この時代を演じるにあたって、今までは漫画原作の作品が多かったんですが、今回は実際の歴史にエッセンスとして寓話的な存在が入っていく形でした。作品の世界になじむためにも、実際の歴史や所作を学ばなければいけないので、指導を受けながら挑みました。新十郎も旗本の家生まれの人間なので、江戸時代の風習も自分の中にあるのですが、海外に行った経験があるから、形がちょっと崩れているんです。でも、基本はちゃんとしなければいけないので、畳の踏んじゃいけない部分とか鴨居のくぐり方など、そういったところを中心に教わりました。ドラマの冒頭『人間は生き、人間は堕(お)ちる。そのこと以外に、人間を救う近道はない』というセリフでおどろおどろしく始まるのですが、実はこのセリフがこの作品の1本の軸になっています。江戸から明治に移り変わり、日常が大きく変わってきた時、人間がどう変わっていくのか。当たり前が変わっていく時に、人間のネガティブな部分や欲みたいな暗い部分から犯罪は起きる。心の奥に潜む人間の本質が描かれている作品になっていると思います」
――切れ者の探偵という役柄ですが、新十郎と福士さんの共通点はありますか?
「論理的に考える合理主義者という部分は、同じだなと思います。でも、感情的な部分はコアなところにあって…家族や友人、恋愛といった核になる部分に対しては、感情的な一面も持っているんです。そこに熱くなったりとか、エモーショナルな人間になれる部分は自分とすごく似ているなと思います」
――役作りで大変だったことや大切にしていたことはありますか?
「新十郎は日本で旗本として生まれましたが、明治維新の戦(戊辰戦争)から逃れるためボストンに向かいます。彼が10代で家族を亡くしたりボストンに行ったりした経験はアイデンティティーを築いた大事な部分なので、大切に演じなければと思いました。そして忘れてはいけないのが、シャーロック・ホームズを思い起こさせるような、頭脳派だけど武闘派という一面。イメージとギャップがあるような人間になるように、アクションにもちゃんと力を入れなければなと。率先して戦うわけではないけど意外と強い、そんな彼を作ることを意識しました」
――アクションも大切な要素の一つなんですね。
「新十郎が日本刀を扱う剣術を習っているので、そこにベースがありつつも、今回の殺陣は日本刀より軽いステッキを片手で扱ったりもします。なので、欧米と日本の剣術が混ざったような、フェンシングなどにも近い剣術だろうなと思って演じました」
――撮影をする中で、印象的なエピソードなどがあれば教えてください。
「昨年も一緒に共演した勝村さんから『(久しぶりの)NHKでの撮影は不安でしょ? すぐ慣れるから大丈夫だよ』と言っていただきました。高橋さんや鶴見さんなど、勝村さんと同世代の方が多く、先輩方からは芝居だけでなく日常のたわいのない話を伺えたことが印象的でした。逆に自分より若い方とも話をしたりと、いろんな世代の方と接することができて楽しかったです」
――内田理央さんや矢本悠馬さんとの共演はいかがでしたか?
「内田さんとは初共演でした。彼女は本当にふわふわした人で、天然で雲のような存在。すごくノリがよくて面白い人だなという印象です。矢本さんはむしろ地面のようなしっかりとした土台があって、頼りになる存在でした。同年代の話ができたりと和気あいあいとした雰囲気が楽しかったです」
――現場のいい雰囲気が伝わります。最後に、新十郎は明治時代のヒーローだと思うのですが、福士さんがイメージするヒーロー像はありますか?
「“救い”ですね。その人がいると安心するとか、ポジティブな方向に物事が進んでいるよという事実を与えてくれる存在こそがヒーローかなと思います」
――ありがとうございました。
福士さんはインタビュー中も落ち着いた雰囲気で、特命探偵である新十郎のイメージにぴったりの方でした。時代の変わり目を生きる“ヒーロー”の活躍をぜひご覧ください。
12月11日放送・第1話
新しい文明開化の世、大政商人・加納屋にて政府要人が集まる仮装会の最中、主人の加納五兵衛(モロ師岡)が、妻・アツ子(花總まり)の前で殺害されてしまいます。外国の大使を巻き込む殺人事件は、一つ間違うと国際問題にもなりかねません。そこで洋行帰りの特命探偵・結城新十郎(福士)に白羽の矢が立ち、自称・相棒の泉山虎之介(矢本)と共に捜査を開始。事件の犯人として、加納屋の一人娘・梨江(内田)が疑われますが…。
【番組情報】
BS時代劇「明治開化 新十郎探偵帖」
NHK BSプレミアム・BS4K
金曜 午後8:00~8:45
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