主演・船越英一郎が共演者を大絶賛!! 赤ひげが語った日々成長し続ける小石川養生所のメンバーの姿とは!?2020/12/02
NHK BSプレミアムで放送中のBS時代劇「赤ひげ3」。江戸時代、貧しい人たちのために作られた小石川養生所を舞台に、恐れや親しみを込めて“赤ひげ”と呼ばれる所長・新出去定(船越英一郎)と若き医師たちが、さまざまな悩みを持った人々への医療に奮闘する人情ドラマです。今回は新たにレギュラーメンバーとして優希美青さんが加入。優希さん演じる、女だてらに医術の心得がある一方でひねくれた性格の若い女・つぐみが養生所に加わり、騒動を巻き起こしていきます。
今回は無知と貧困に抗う小石川養生所の責任者で、無骨で厳しくも優しい医師、新出去定を演じる船越英一郎さんにインタビューを敢行。役に対する思いや撮影中のエピソードを伺いました。
――冗談を言い合う楽しい現場と聞きましたが、どんな撮影風景だったのでしょうか。
「時代劇のセットは重苦しく重厚なセットですから、息が詰まるような雰囲気でした。でも、過酷な状況だからこそ楽しく現場を乗り切ろうと思い、時には冗談を言うことを心掛けていました。若い俳優さんに囲まれていますから、厳しいことも言わなければいけない場面もたくさんありました。でも、ずっと厳しく赤ひげの威厳のまま『なんだ! 今のセリフは?』なんて言っていたら萎縮してしまいます。それぞれが自分の考えを言えるよう、なるべく冗談をまぶしながら話していました。そうすることで、少しずつ彼ら全員が何か考えて、監督にアドバイスを受ける前に、まずは自分の精いっぱいの芝居を見せようと思える現場づくりができたなと思います。お芝居は足し算ではなく引き算になるように『やりすぎだよ、ここは少し抑えよう』ってことを全員で心掛け、後で監督に抑えてもらう。いっぱい考えてくることは、必ずいいエネルギーになる。そういう現場にするために、いろいろばかなこともやって見せなければいけないと思っていました」
――パート3でつぐみ役の優希美青さんが加わりましたが、いかがでしたか?
「パート3は優希さんがどれだけ魅力的に映ることができるかが、生命線みたいなお話だと思います。前回までは保本登(中村蒼)が成長するお話でしたけど、今回は保本の役割をつぐみが担います。撮影中は優希さんの演技がどんどん良くなり、ドラマと一緒に彼女の成長を見届けられる全7話になっております。年齢の差も立場の差もある赤ひげに感情をぶつけていくのは難しいことですけど、これはつぐみの生い立ちのなせる業で、彼女のパーソナリティーです。それを生身の女優が演じるのはなかなかハードルが高いとは思います。でも、思い切って剛速球を投げるように、本当は気性の激しい子なんじゃないかと思わせてくれるような、彼女のにらんだ目線に思わすドキッとしました」
――シーズン3になって、新出去定の印象は変わりましたか?
「赤ひげを演じるにあたって、脚本家や監督などの皆さんとお話しながら、少しずつ“バックグラウンド自分史”なるものを作り上げました。しかし、パート3の内容は、決めていた設定からまた一つはみ出す形になりました。赤ひげもいい年ですから、過去に恋愛の一つも二つもあっただろうと思います。どんな顛末(てんまつ)になるのか、僕自身も楽しみながら演じていました」
――赤ひげの「なに!?」というセリフはどう生まれたのでしょうか。
「『なに!?』というセリフは、赤ひげという役の癖の一つで、昔からシリーズものをやるときには何らかの癖を決めています。『なに!?』の他にも、赤ひげで言うと、ひげをこするしぐさがあります。げんこつで力強くこするなど、ひげのこすり方や『なに!?』というセリフで、赤ひげが今どういう心情なのか、皆さんに分かりやすく探ってもらえたらと。台本にはあまり書いていないのですが、1話はイメージが付きやすいように連発しました。新出去定という人が直情径行で、自分の中では悟りを開いているような顔をしていますが、全然悟っていない。人情に迷わずという人ではなく、人情こそ迷う、そんな赤ひげの未熟さが現れ、完熟していない男が表現できるように『なに!?』にしました」
――今回の撮影で印象に残っていることはありますか?
「若い俳優さんたちがどんどん成長していくさまを、3年半かけて見つめられたことが一番の印象です。シーズン1とシーズン3の中村(蒼)くんでは、俳優として身に付いているものがこんなにも違うんだなと驚きました。そうなるための努力も、もちろんあっただろうと思います。鈴木康介くんに関しても、シ-ズン2のドラマデビューからわずか1年でここまで自分のポジショニングをドラマの中に持ち込める俳優になったかと、びっくりしました。前田公輝くんもパート1から難しい役作りをしてきて、見事に自分のものにしたなと思いました。シーズン1から順番に見ると、小石川養生所の人間たちの成長と一緒に、俳優のリアルな成長をそのまま楽しめます。ぜひ、シーズン1から見比べていただきたいと思います」
――もし、シーズン4があるとしたら、どんなことをやりたいですか?
「ぜひともシーズン4をやってほしいです。シーズン4は小石川養生所を揺るがすような大事件が起きて、取り壊しの危機になったり、歴史的な人たちが養生所に来たりしてほしい。今回のパート3のように去定の過去も知りたいですし、1人1人のエピソードをクローズアップもできればいいなとも思っています」
――ありがとうございました!
「赤ひげ」では、無骨で厳しく怖いイメージの船越さんでしたが、インタビュー中は優しく丁寧に答えてくださいました。しかし、優しさの中に垣間見える厳しさは新出去定の姿をよく表しているようにも見え…。今後の「赤ひげ」からも目が離せません。
12月4日放送・第7話(最終回)
養生所に、人殺しを奉行所に名乗り出た女・お絹(酒井若菜)が入所してきます。男を殺し、自分も大けがを負ったというのです。しかし、つぐみ(優希)たちはどうしてもお絹が殺人者に見えず、調べ始ます。すると事件の裏には、子どもを抱えて貧しさにあえぐお絹の悲しい事情があったことが浮かび上がります。同じ頃、赤ひげはつぐみに、彼女の両親と自分との過去の因縁を語り始め…。
【番組情報】
BS時代劇「赤ひげ3」
NHK BSプレミアム・BS4K
金曜 午後8:00~8:45
NHK担当S・A
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