11月30日ついに朝ドラ「おちょやん」がスタート! 初ヒロイン・杉咲花が見どころを語る2020/11/29
杉咲花さんがヒロインを務める連続テレビ小説「おちょやん」(NHK総合ほか)が、11月30日から始まります。本作は“大阪のお母さん”として親しまれてきた女優・浪花千栄子さんの人生がモデルで、笑いあり、涙あり、人情あふれる波瀾(はらん)万丈の物語。
杉咲さんが演じるのは、大阪・南河内の貧しい家に生まれた竹井千代。9歳で道頓堀の芝居茶屋へ女中奉公に出され、芝居に魅了された千代は女優を志すように。京都の映画撮影所などを経て、大阪で新しく生まれた“鶴亀家庭劇”に参加します。そこで喜劇界のプリンス・天海一平(成田凌)と結婚。千代と一平は二人三脚で理想の喜劇を目指し奮闘しますが、戦争が始まり…。
初回放送を目前に控えた杉咲さんが、本作の見どころや役柄、撮影中のエピソードなどを語ってくれました。
――まず、「おちょやん」のヒロインに決まった時のお気持ちを教えてください。
「うれしかったです。“朝ドラ”は『とと姉ちゃん』に出演させていただきましたが、その前後にもオーディションを受けていて、“いつかヒロインをやりたい”という思いがずっとありました。長い期間、同じ人物を演じられる機会はなかなかないので、これからもお芝居を続けていきたい自分にとって、すごく良い経験になると思っています。オーディションに落ちてきた悔しさもあったので、ヒロインは憧れでした」
――浪花千栄子さんの人生がモデルの役ですが、浪花さんの印象はいかがですか?
「浪花さんが出版された『水のように』という自伝を読ませていただきました。毎日を丁寧に過ごすことを大切にされている方だなと感じました。苦しい体験やつらい思いをたくさんされている方だと思うのですが、それに負けないくらい“生きるパワー”とか“諦めない気持ち”が強い方だと思いました」
――実際に演じる千代と共通点はあるのでしょうか?
「まるで違うということはないです。千代が井川遥さん演じる高城百合子という女優さんのお芝居を見て女優の道を目指すのは、私自身との共通点かもしれません。千代は、高城さんのお芝居が頭から離れなくなって、お芝居が大好きになっていきます。私も同じように、小さい頃からドラマが大好きで、1クールに放送しているドラマを全部見るくらい夢中でした。いくつか大好きな作品があって、そのほとんどに志田未来さんが出演されていたので、志田さんに憧れて今の事務所に入りました。そこが、ちょっと千代と似ているかなと思う部分です」
――千代は喜劇女優になりますが、実際に喜劇をご覧になったことはありますか?
「この作品が決まってから、何回かNHKのスタッフさんと一緒に見に行かせていただきました。初めて生の喜劇を楽しむことができました。出演者の皆さんが舞台に現れただけで感動しましたし、鳥肌が止まらなかったです! 人を楽しませるために一生懸命向き合われている姿に、すごく感動しました。今、実際にコメディー要素を含むドラマを撮影していて、笑ってもらうってとても難しいですし、怖いですし、喜劇に対するリスペクトが強まっています」
――“笑ってもらうことの難しさ”は、どのあたりで感じましたか?
「例えば、千代は人を笑わせようと言っているセリフではないけれど、はたから見るとおかしいみたいな…。でも考えすぎてしまうと、全然面白くなくなってしまうんです。面白く思ってもらいたい…でも、こうじゃない気がする…と迷う難しさです。あと、監督によって、全然カットをかけない方もいらっしゃって、シーン後のアドリブを楽しんでくださるんです。自分なりに頑張ってアドリブをしますが、たまにビックリするくらいシーンとなる時があって、落ち込みます(笑)。だけど次また頑張ろうと思えるので、メンタルが強くなってきているのかなと思います。でも怖いです。チャレンジするのは楽しいですし、“自分に負けるな”という気持ちで演じるのですが、怖いです。気が付いたら、手足が震えています(笑)。星田(英利)さんのように、人を笑わせることをお仕事としてやられている方々とご一緒すると、すごいなと思います。撮影していない時も、常にツッコんだりボケたりしていて、ツッコミがものすごく早いんです。その姿が面白いです」
――今回、大阪言葉が特徴的ですが、楽しい言葉や難しい言葉があれば教えてください。
「大阪弁を話すこと自体が、ものすごく楽しいです! 今まで方言のある役を演じる機会がなかったので、いつかやれたらいいなと思っていました。1年くらい前から、ずっと方言指導をしていただいていたので、こんなに贅沢(ぜいたく)に学べる時間はないなと思います。難しいところは、南河内の言葉です。幼少期の千代を演じた毎田暖乃ちゃんは、巻き舌がものすごく上手で、迫力があります。私もポイントで引き継げたらいいなと思い、練習しています」
――長期間、大阪や京都などで撮影をしていると思うのですが、関西ならではの体験はされましたか?
「小腹がすいた時、マネジャーさんに、たこ焼きを買ってきてもらいました(笑)。たこ焼き屋さんがいっぱいあるじゃないですか!? 『近くのたこ焼き屋さん』で調べたら、いっぱい出てきて楽しかったです。大阪にいるんだなと感じました」
――千代の夫になる天海一平を成田凌さんが演じますが、共演回数が多い成田さんとの撮影中のエピソードがありましたら教えてください。
「成田さんと私は関西出身ではなく、私は一から勉強しているんですが、成田さんは『わろてんか』にも出演されていましたが、『こんなに大阪弁を話す役はなかった』とおっしゃっていました。一緒に助け合いながら、日々乗り越えています。今回は幼なじみで、昔から知っている役柄なので、何度もご一緒させていただいたからこそ、“同志”という感じがします。成田さんが現場にいてくださると安心感があります。撮影以外の話や現場の話など、なんでも思ったことはすぐ話します。『このシーンの千代って、こんな感じなのかな…』とか、普段共演者の方とは話さないようなシーンの細かいところまで話すことも増えていて、すごくうれしいです」
――最後に、「おちょやん」の見どころをお願いします。
「『おちょやん』に出てくる登場人物は、千代以外もみんな険しい道のりを歩いていたり、厳しい体験をしていたりします。“あと一歩だけ踏み出してみよう”、“あとちょっとだけ頑張ってみよう”という人たちが、たくさん出てきます。誰かに支えてもらったり、相手を支えたり、思いやりのある人たちが出てくるので、“生きるパワー”を感じる作品だと思います。楽しいシーンなのに泣けてきたり、逆に悲しいシーンなのに、いとおしく感じたり…。『笑いと悲劇は紙一重だ』というセリフが劇中に出てくるのですが、まさにそんな作品です。苦しい思いをすることや大変なことが多い時代ですが、この作品を見て『あとちょっと頑張ってみよう』と思ってもらえたら、うれしいです」
――ありがとうございました。
第1週あらすじ(11月30日~12月4日放送)
時は大正5年。9歳の竹井千代(毎田暖乃)は、弟・ヨシヲ(荒田陽向)の面倒を見ながら、鶏の世話をしなければならず、小学校に通えていませんでした。ある日、父・テルヲ(トータス松本)が新しい母・栗子(宮澤エマ)を連れて帰宅。千代は「小学校に通える!」と喜びますが、栗子はテルヲ以上に朝寝坊で家事を何もしません。千代は次第に栗子に反発していく中、突然ヨシヲが家からいなくなってしまい…。
連続テレビ小説「おちょやん」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。
NHK担当 M・I
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