「麒麟がくる」近衛前久と対立する二条晴良役の小籔千豊。「僕を憎んでいただけたら」2020/10/10
第26回(10月4日放送)では、足利義輝(向井理)亡き後の将軍の座を巡る問題が勃発した大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合ほか)。「足利義栄(一ノ瀬颯)を将軍に」と推挙した関白・近衛前久(本郷奏多)に向かって、二条晴良(小籔千豊)が嫌みを言い放つ場面などは、公家のいやらしいところが思いっきり出ているんじゃないかと思えるほどでした。そんな二条を演じた小籔さんから、大河ドラマ出演の感想や役どころについてのコメントが届きました!
小籔さんはオファーを聞いた時、ビックリしたと同時に悪役だろうなと思ったそう。そして「嫌みったらしい悪い役を演じる人はいないかと考えていた制作スタッフが、別の作品を見て 『こいつ憎らしいな』と思い、入れてやろうかとなったのではないか」と勝手に想像したとのこと。実際はどうなのでしょうか?(笑)。また、ご自身が担当されているレギュラー番組のスタッフからは「大河ドラマ出演おめでとうございます」と言われたと明かし、「『あの番組面白かったですね』という感想はいただきますが、出演が決まったことで『おめでとうございます』と言われたのが初めてでしたので、驚きました。『(吉本新喜劇の)座長就任おめでとうございます』以外に言われたことはないかもしれません」と、出演が決まった当時を振り返ります。
公家である二条を演じることについては「公家の方を実際に見たこともないですし、友達にもいないですし、知り合いで“公家とバーベキューした”という話も聞きませんので、公家のイメージがどうしても想像の範囲でしかありませんが、演出の方やプロデューサーの方からどういう感じの役なのか事前にお話を伺ったので、そのイメージを守って演じていきたいです」と小籔さんらしいユニークなコメントをしながらも、「公家でも将軍を利用して自分の権力を誇大にしていこうという人や、パワーバランスを気にして出世を虎視眈々と狙っている人など、ある人から見たら悪い人、ある人から見たら利用価値がある人がいて、こういう世界はサラリーマンの社会でもあるのかなと思い、現代の人の感覚に照らし合わせてやっていこうと思っています」と演技プランを語ります。
近衛と同じ関白職にあり、対立している役どころについては「ある方向から見たら悪だけど、ある方向から見たら悪ではないということは、きっと皆さんの身近な世界にもあると思います。二条は近衛前久と対立する立場で、作品としては近衛目線で描かれるので、視聴者の皆さんは『二条晴良は腹立つな』とか『いやらしいヤツだな』という印象を持つと思いますが、二条としては別に憎たらしいことを言おうとしているのではなく、二条にもある種の正義があり、ちゃんとした政治をしたいという考えから、自分は正しいことをしていると思い、やっていたのではないでしょうか」と二条の立場に寄り添う発言も。
公家ならではの所作や言葉に関しては「所作指導の先生や言葉指導の方についていただき、袖の持ち方や笏(しゃく)の持つ位置など、逐一教えていただいています。さすが大河ドラマ。盤石の布陣ですね。何とか僕でも所作は公家に近い形にできていると思います。本当は馬に乗って誰かを斬ってみたかったですが、今回は公家ですし、忍法を使って誰かを暗殺するシーンもないので(笑)、粛々と公家に近づけるように努力していきたいです」と周囲のサポートもあって、公家らしいふるまいには多少の自信がある様子。個人的には、二条が忍法で誰かを暗殺するシーンを見てみたいですが、それでは違うドラマになってしまうので、今回は諦めるしかありませんね(笑)。
最後に「できるだけドラマの世界になじみたいので『あいつ出てたんか?』と言われるくらいになりたいですし、近衛さんやほかの方を通して『二条は嫌なヤツだ』と思ってご覧いただけたらありがたいです。近衛前久役の本郷奏多さんがすごくすてきな俳優さんですので、本郷さんを皆さんで応援していただき、そして僕を憎んでいただけたらと思います」と今後の野望も語ってくださいました。
二条を憎たらしいと思ってしまった記者は、小籔さんの思惑にまんまとしてやられたわけですが、今後、近衛とどのように対立していくのか。小籔さんの“サラリーマン”公家(?)の演技に注目です!
【番組情報】
大河ドラマ「麒麟がくる」
NHK総合 日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BS4K 日曜 午前9:00~9:45ほか
NHK BSプレミアム 日曜 午後6:00~6:45
NHK担当 K・H
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