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濱正悟が志村貴子さん原作ドラマ「おとなになっても」に出演。俳優活動10年を迎えた思いも語る2025/04/20 12:00

濱正悟が志村貴子さん原作ドラマ「おとなになっても」に出演。俳優活動10年を迎えた思いも語る

 Huluで4月26日より配信が開始されるオリジナルドラマ「おとなになっても」。志村貴子さん原作のビターな大人の女性同士の恋愛を描いた人気作を主演・山本美月で実写ドラマ化したもの。

 小学校の先生をしている既婚者の大久保綾乃(山本)は、久しぶりに立ち寄ったダイニングバーで、平山朱里(栗山千明)に声を掛けられる。そして、2人は出会った直後から引かれ合うが…。ほろ苦い思いや葛藤が交差する、十人十色の大人たちが織り成すヒューマンドラマだ。

 配信に先駆け、綾乃の夫・渉を演じる濱正悟さんに、出演の感想や撮影時のエピソードを聞いた。さらに、俳優活動10年目を迎える今の心境なども。

濱正悟が志村貴子さん原作ドラマ「おとなになっても」に出演。俳優活動10年を迎えた思いも語る

――まず、オファーを受けた際のお気持ちを振り返っていかがですか?

「僕が演じる渉は35歳で結婚生活5年目。妻の綾乃さんが女性のことを好きになってしまうところから始まります。今までやったことがない役ではありますが、最近は結婚している役や『コンシェルジュの水戸倉さん』(BS日テレ/2025年)のように娘がいる父親役などが増えてきて。10年間俳優を続けて年齢を重ねたからこそ、渉という役に出合えたのかなというふうに思います」

――渉という人物をどのように捉えていましたか?

「つかみどころがない人物かなと。思考型で、何かあった時に感情を爆発させるよりは自分の中で一度考えてから言葉を口にするんです。そして、綾乃さんの優しさや一緒に過ごす日常に安住して、本来伝えなければいけなかったことを伝えず、自分では伝わっていると思い込んでいて…。それに加えて、お母さんの依子(麻生祐未)がお節介焼きで、渉は表面上は嫌がっているように見えるんですが、母親の存在にも甘えてしまっているんです。家族に限らず、友達など相手に言葉をはっきり伝えない、多くの人が当てはまるかもしれないなと思った役でした」 

濱正悟が志村貴子さん原作ドラマ「おとなになっても」に出演。俳優活動10年を迎えた思いも語る

――そんな渉を演じる上で、役作りにおける工夫があれば教えてください。

「撮影初日から、まずは妻役の山本さんとコミュニケーションをたくさん取ろうと思って現場に入りました。実はクランクインした日の前日くらいまで別のドラマを撮っていたので、『切り替えなきゃ』と思っていたのですが、いざ撮影に入ったら、渉はパチッと切り替えるよりも徐々に役に入っていく方がいいかなと感じて。撮影を通して、自然な流れで役を作り上げていきました」

――原作を初めて読んだ際の印象はいかがでしたか?

「第1話を読んだ際に、実は読者目線で楽しんだというよりも、『渉を自分が演じる』というプレッシャーがあったんです。特に、最初に渉が登場するシーンは5年間の結婚生活があった上で、どういうふうにしていこうかと悩みながら読みました。渉の登場より前に綾乃さんと朱里さんの結び付きが生まれるのは複雑な気分を持ちつつも、登場人物がどう動いていくんだろうという期待もありました」

濱正悟が志村貴子さん原作ドラマ「おとなになっても」に出演。俳優活動10年を迎えた思いも語る

――原作者・志村さんの作品の魅力はどんなところだと思いますか。

「言葉や動き、絵の少しコミカルな雰囲気が志村さんの作品の魅力であり、今回演じるにあたって難しいと思った点でもあります。シリアスなシーンでも渉が間抜けな表情をしていたり、真剣に話しているのにかわいく見える瞬間があって、言葉だけで表現できない独特な雰囲気を僕に表現できるのかなと不安になりました。そして、僕自身の人生にもあり得るかもしれないと思うぐらいリアルなシーンが多いのですが、頭を抱えて悩んでしまいそうな内容がコミカルに描かれているのも魅力かなと。僕はあまり漫画を読む方ではないのですが、素晴らしい作品に出合えてうれしいです」

――主人公・綾乃を演じる山本さんの印象もお聞かせください。

「『妻役の山本さんと仲良くなろう』と意気込んで現場に入りはしたのですが、僕が頑張らなくても、話しやすい雰囲気を作ってくださる温かい人です。撮影時も、お互いに作り込み過ぎず普段会話をしている延長線上の空気感でいることができ、演じやすく安心感がありました」

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――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

「とても和気あいあいとしていました。そして、シーンを作るとなった時には全員で同じ方向を向いて作っていく。スタッフさんも含めて全員が原作をしっかり読み込んでいて、『このシーンは原作ではこの角度で、右手で物を持っているよね』など、構図にも細かくこだわっていたのも印象的です。原作にリスペクトを持ちつつも、ものまねでは意味がないと実写化ならではの表現を話し合うなど、常にクリエーティブな現場だったと思います」

――濱さんご自身は何か提案などされたのでしょうか。

「具体的なこのシーンというより、全体的に日常的な相づちやリアクションが多く、役に入って自分が同じ場面になった時に初めて表現できるものが多かったんです。今回はHuluでの配信で尺がきっちり決まっていないこともあり、相手によってテンポなどを監督方と撮影しながら話し合って決めていました。なので、尺が決まっているものとは違う空気感が出て、渉として自分が生きている感じがして、楽しいと実感することが多かったです」

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――「気になっている人がいる」と綾乃から明かされた渉のように、濱さんご自身が最近衝撃を受けた出来事はありますか?

「大きな出来事ではないのですが…時間が空いて、おいしいご飯を食べたいなと思って出かけた時に限って、臨時休業や在庫切れで早めにお店が閉まっている、みたいなことが多いんです。レビューサイトやSNSなどで可能な限りリサーチしていくようにはしているのですが、『たぶんやっていないんだろうな』と思いながら行っています(笑)」

――日々、忙しい毎日の中でモチベーションになっていることを教えてください。

 「睡眠をきちんと取らないとパフォーマンスが悪くなっていくことに気が付き、毎日欠かさずゆっくり寝ています。そして、少し前まで料理にハマっていたのですが、先日久々に外でご飯を食べる機会があり、それを機に外食欲が復活してしまって。特に、SNSでカレーのおいしいお店の投稿が流れてくると、全部保存しては巡っています」

――濱さんは今年で俳優活動10年目を迎えたということですが、振り返ってみて変わったなと感じることはありますか?

「この数年で、徐々にドラマのレギュラー出演のお話をいただけるようになったことはうれしい変化ですね。少し前までは1シーンのみだったり、ゲストでの出演が多かったのですが、最近はコンスタントにドラマのお仕事をいただけて、お芝居にさらにどん欲になってきたなと。今までできていると思っていたことが実は浅かったと感じることも多く、今まではそれすら分からずにいたんだなと反省することも。特に、この2~3年で大きく成長できているのかなと感じます」

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――目標にしている人はいらっしゃいますか?

「テレビっ子でいろいろな作品を見てきたので、そのたびに誰かに憧れてきて、好きな俳優さんもたくさんいます。けれど年月を経て、僕自身多くのことを知り研究していくうちに、誰かを目標にすることよりも『オリジナリティーって何だろう』と考えるようになりました」

――今後、挑戦してみたい役はありますか?

「30代に突入して、父親や夫役が増えてきたのですが、もっとそういう役をやってみたいですね。役を通して疑似体験した時に、子どもと接していて楽しいな、家族がいるっていいなと思うことが多くて。もちろん現実では大変なことの方が多いと思うのですが、父親や夫役を演じることに楽しさを感じています」

――現在、本作をはじめ「やぶさかではございません」(テレ東系)、「MADDER(マダー) その事件、ワタシが犯人です」(フジテレビ系=カンテレ制作)と3本のドラマに出演している濱さん。原作がある作品とオリジナル作品の2種類に出演されていますが、違いは感じますか?

「原作ものはファンの方がたくさんいらっしゃいますが、僕自身が感じた原作の良さとファンの皆さんが思う原作の良さが違ったりするのかなと思ったり…。衣装など一つ答えがある分、逆に難しさを感じます。でも、実写化される作品はやはりどれも魅力的で、どう演じていこうかと考えるのが楽しいですね。そして、オリジナル作品は先の展開が分からないドキドキ感や想像できる余白が何よりの魅力だと思いますが、正解がないので、演じていて『これでいいのか』と考えることも多いです」

濱正悟が志村貴子さん原作ドラマ「おとなになっても」に出演。俳優活動10年を迎えた思いも語る

――最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

「Huluオリジナル『おとなになっても』を含め、4月にスタートする3本の作品に出ていて、全て違うアプローチで演じています。僕自身、本当の自分がどれなのだろうと思うこともありますが、全然違う役だからこそ、どの作品も新鮮に楽しく見ていただけるかなと。新たな発見もあると思いますし、ぜひ楽しんで見ていただけたらうれしいです」

【プロフィール】

濱 正悟(はま しょうご)
1994年8月22日生まれ。東京都出身。現在放送中のドラマ「やぶさかではございません」(テレ東系)、「MADDER(マダー) その事件、ワタシが犯人です」(フジテレビ系)にも出演。

【コンテンツ情報】
Huluオリジナル「おとなになっても」(全12話)
Hulu
4月26日から独占配信(初週1〜2話を配信。以降、土曜1話ずつ配信)
※配信スケジュールは変更になる場合あり。

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取材・文/S・A 撮影/TVガイドWeb編集部 ヘアメーク/茂木梨沙 スタイリスト/徳永貴士(SOT)

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