「あなたを奪ったその日から」制作発表。北川景子が大森南朋はいい人過ぎて憎めないと苦悩を告白2025/04/17
北川景子が主演を務め、4月21日から始まる、フジテレビ系の連続ドラマ「あなたを奪ったその日から」（月曜午後10：00＝カンテレ制作）の制作発表が行われ、主演の北川と、共演の大森南朋、仁村紗和、平祐奈、阿部亮平（Snow Man）、筒井道隆が出席した。
「あなたを奪ったその日から」は、10年前に食品事故で子どもを失った母親・中越紘海（北川）が、事故を起こした惣菜店の社長・結城旭（大森）を恨むなか、図らずも旭の子どもを誘拐。しかし、復讐（ふくしゅう）を果たすために計画したその誘拐には大きな誤算があり…。紘海は誘拐した子どもをどうするのか？ どんどん周囲を巻き込んでいく紘海の復讐はどこに行き着くのか？ わが子を失うことになった事故の真相は？ その先に待っている2つの親子が翻弄（ほんろう）される模様を描くオリジナル作品。
この日は、制作発表が始まる直前に、一般客30人を招待して、第1話の試写会も開催。今までに類を見ないミステリー作品の始まりにファンは盛大な拍手を送って会場を後にした。
その後、マスコミ向けの制作発表が行われ、メインキャストの6人が登壇。重たい空気感が漂う本作とは違い、和やかな表情を見せる北川から順番にあいさをしていく。「ある事故をきっかけに自分の娘を失ってしまう母親を演じています。その娘を失ってしまったことから、悲しみでおかしくなってしまい、突拍子もない行動をとるのですが、それが本当に面白いミステリーになっていると思います」と話し、手応えを感じている様子。
次に大森が「僕が演じる結城旭という男は、訳あって離婚しまして、男手一つで娘2人を育てながら総菜屋を経営しつつ、一生懸命生きているんですけど、ある日、事故を起こしてしまいまして、その事故がきっかけで人生がどんどん狂っていきます」と、自身の役どころについて説明した。
続いて東砂羽を演じる仁村が「東砂羽は週刊誌の記者で、旭を嗅ぎ回るんですけど、ある事件をきっかけに、執拗（しつよう）に旭の周りをうろついています。よろしくお願いします」とあいさつ。
そして、結城梨々子役を担う平にマイクが渡り「結城旭の長女である梨々子は、早くにお母さんが家を出て行って、それからお父さんと妹の萌子（倉田瑛茉）と一緒に暮らしているんですけど、なかなか素直になれず、ちょっと心がゆがんでいる女の子。その梨々子の行動の裏には何があるのか注目してください」と呼びかけた。
梨々子の家庭教師・玖村毅役で登場する阿部は「玖村毅という男は、どこにでもいるごく普通の大学生で、家庭教師のバイトで結城家に入ります。梨々子の家庭教師をやってるのですが、ここから結城家のいろいろなゴタゴタ渦に巻き込まれていきます」と話し、笑顔を浮かべた。
最後に旭の後輩・望月耕輔役の筒井が紹介されるが、「こんにちは大森君の演じる旭さんの大学の後輩で同じ会社に勤めている役です。以上です」と、緊張しているのかしどろもどろ。
ここから、撮影のエピソードなどを聞いていく。紘海を実際に演じた感想を聞かれた北川は、「楽しいです。結構重たいシーンもたくさんありますし、憎しみが強すぎて苦しいシーンもあるんですけど、とりあえず、共演者の皆さんとの合間の時間はすごく楽しいですし監督、スタッフの皆さんも仲良くて、あんまりそういうずっしりした作品を撮っているという感じの雰囲気ではないので、毎日現場に行くのはすごく楽しいです。待っている時間とか家に帰ってからはあまり役のことは考えないようにしています。家で『ずーん』となってもよくないかなと思って」と心境を吐露。
さらに、「ずっとこの役のままではいられないので、合間は作品と全然関係ない、昨日何をしていたとか、食べ物の話をしている方が気が紛れて楽しいので、オン・オフを切り替えながらやっています」と付け加えた。
演じる上で意識をしていることは「体当たり」だそうで、「台本をよく読み込みますし、もちろんセリフも覚えて現場に向かうんですけど、共演の方々とその場でお芝居をしてみると、自分が考えていたとか想像していたものじゃない芝居が生まれることもたくさんあって…。今回は、そういう性質の作品だと思うので、考えすぎないようにして、そこに自分がいたらどうなるのかなということを楽しみにして、感じたままやるようにしています」と打ち明けた。
続けて「テストなのにすごく泣いちゃう時もあるんですけど、それを何回も繰り返しやらなきゃいけないので、泣かなきゃよかったなと思ったり、最初にやりすぎたなみたいな時もあったりするけど、今回はやっぱり身を削って体当たりでやるのが合っていると思います」と話した。
そんな北川に対して大森は「体当たりを全部受けている感じがします。もちろんこっちも体当たりで向かわないといけないので、そこで生まれてくる感情は、台本だけでは拾いきれない人間の機微みたいなものも現場で感じます。まさか自分がこんな気持ちになるなんてみたいなことも起きながら、いろいろとやらせていただいているので、そういう面も楽しみにしていただけると思います」とコメント。
現場では、出演者・スタッフがみんな、大森のことを「かっこいい、かっこいい！」と絶賛していると、北川から暴露された大森は、照れ笑いを浮かべ「そういわれるとどこを向いたらいいか分からないから上向いちゃう」とはにかむ。そんな大森と敵対する役の北川は、「本当に旭を憎まなきゃいけないシーンが結構あって、憎しみが湧き上がってにらみつけると、ト書きにあるんですが、大森さんがすごくいい人だし、旭の役柄も悪い人には書かれていなくて、ちゃんと娘を大切にしているお父さん。多分大森さんもそうだろうなと思いますし本当にいい方なので、なかなか憎しむのが難しくて、無理やりねじ込んでやっています」と苦労を明かす。
ドラマで勉強になったエピソードを聞かれた阿部は「大森さんと初めてご一緒したシーンが物語の確信に触れるくらい超重要なシーンで、どうしようってちょっと自分の中で張り詰めていたら、大森さんが僕の経歴を調べてくださって、話しかけてくれたんです。『阿部くんと似た経歴の友人がいて…』と話してくださって、大森さんのようなベテランの方が僕のことを調べてくださっていることにすごく感動しちゃって、かっこいいなと思いました」と告白。
ほかにも、仁村が最近いろいろな味のナッツにはまっていることや、平が“寝溜め”できるという特技を明かしたり、物静かに見える筒井が、現場では面白くてムードメーカーとなっていることも話題になった。
ドラマのタイトルにちなんで、「出演者の何かを奪うとしたら…」という質問がされると、北川と筒井が「阿部の頭脳」、大森が「北川の奇麗な鼻」とうらやみ、仁村は「筒井の面白さ」と答えた。さらに、平が「妹の萌子（倉田瑛茉）を連れて帰りたい」と危ない発言をし、阿部が「仁村の明るさ」と、それぞれ挙げた。
するとここで、平が絶賛していた倉田瑛茉がスペシャルゲストとして登場。筒井は持ち前の面白さを発揮して、両手を上げて身体全体で「おいでおいで～」と歓迎した。緊張ではにかみつつも、かわいらしいあいさつをした倉田に、会場はほっこり。
最後に北川が「結構、重たいドラマかなと思う方も多いかもしれないですが、親子愛だったり、職場での上司と部下の関係や絆だったり、いろいろな人間関係が描かれているヒューマンドラマだなと思っています。ここにいる誰かのキャラクターに共感できるような物語になっていると感じています。撮影をしていて感じるのは、人間ってどこかで間違えてしまったり、過ちを犯してしまうことがあると思うのですが、そうなってしまった時に、人がどうやって再起をかけて立ち上がっていくかということが大切なんじゃないかなと。誰かが過ちを犯した時に、どんなふうに許せるのかということが大事だなと思って、生き方のヒントというと大げさなんですが、そういうこともちらばっているドラマになっていると思います。一話完結ではなく、全11話通しての物語になりますが、目が離せない展開になっていると思います。皆さんに見ていただいて、たくさんの方に届けていただきたいと思います。」とメッセージを送って、フォトセッションに移った。
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