「イグナイト」第1話で間宮祥太朗×土屋太鳳が7年ぶり再共演! 原廣利監督と語る撮影秘話2025/04/17

TBS系で4月18日スタートの連続ドラマ「イグナイト -法の無法者-」(金曜午後10:00)。間宮祥太朗が主演を務める本作は、訴訟社会化が進む日本と飽和状態にある弁護士界のリアルを描いた、これまでのリーガルドラマとは一線を画す完全オリジナルのダークリーガル・エンターテインメントだ。
「IGNITE」=“火をつける”――主人公・宇崎凌(間宮)が足を踏み入れたのは、その名の通り、“争いの火種”があるところへと潜り込み、人々に訴訟をたきつけ、あらゆる手段を使って原告を勝訴へと導く、界隈では“無法者”として知られている怪しげな法律事務所。まるで弁護士バッジをつけた“法の当たり屋”ともいえる彼らの目的は金か、正義か…?
演出を手がけるのは、映画「帰ってきた あぶない刑事」「朽ちないサクラ」(ともに24年)の原廣利監督。そして物語の幕開けを担うのが、間宮とは7年ぶりの共演となる土屋太鳳。初回のキーパーソン・斎藤美咲役として登場する彼女が、どのような存在感を放つのか? 間宮、土屋、そして原監督に、作品への思いや撮影現場での手応えを語ってもらった。

――今回の「イグナイト」は、いわゆる正統派のリーガルドラマとは一線を画す内容です。企画を初めて知った時、どのような印象を持たれましたか?
間宮 「タイトルの通り、原告になりそうなターゲットの心に火をつけて訴訟を起こしていく、新しいリーガルドラマです。これまでの弁護士ドラマでは法廷でのやりとりがミソになっている作品が多いと思うのですが、本作では裁判で証拠を突き出して終わるのではなく、訴訟に至る経緯にも重きを置いています。依頼人の生活や思いが垣間見えるのが新鮮な作品です」
土屋 「どんな人にも心に抱えているものや、言えないことがあると思うのですが、本作はそれをしっかり言葉にして戦ってくれる人たちの物語だと思っています。今回私が演じる斎藤美咲は、宇崎にとって初めての依頼者。家族を守りたい一心で社会の理不尽な出来事に巻き込まれ、翻弄(ほんろう)されている女性です。その影には、女性が1人で子どもを育てることの難しさがあって、それは女性の立場がまだ弱いことにも通じています。そういったシビアな社会問題が描かれると同時に、人の温かさが伝わる物語だと思います」
――原監督は企画段階から本作に関わられているとのことですが、映像化にあたって意識されたポイントはどこにありましたか?
原 「最初に企画書を見た時に、弁護士が訴訟をたきつけるようなストーリーは今まであまり見たことがないなと思いました。弁護士自らがダークヒーローとなり、(原告が)声を上げられるように助けていく展開のリーガルドラマなのですが、それがすごくかっこいい。大体のリーガルドラマでは、しっかり者のキャラクターが出てくることが多い印象がありますが、本作では敢えてダークヒーローの物語らしく、各シーンも治安が悪く見えるような撮り方をしています」
土屋 「たしかに、ちょっと治安悪そうな印象がありますね(笑)」
原 「ピース法律事務所自体も壁が汚れていたりして、ピシッとした事務所じゃないということも表れていますので、そういうところもちゃんと切り取っていきたいなと思っています」

――土屋さんのキャスティングにはどのような思いがあったのでしょうか?
原 「映画『帰ってきたあぶない刑事』でご一緒した時、土屋さんが持っている自然なオーラが撮影現場を明るくしてくれているのがとても印象的でした。今回は僕自身が演出を担当する作品で、土屋さんのまた違った一面を見せてもらいたいと思い、お願いしました」
――土屋さんは初回のキーパーソンという大事なポジションを担われています。オファーを受けた際、どのような気持ちでしたか?
土屋 「第1話のキーパーソンとしてお声掛けいただいて、とてもうれしかったです。初回に出演するのは作品の方向性にも影響するので、正直私で力になれるのかなという気持ちはあったのですが、ぜひまた原監督とご一緒したいと思い、受けさせていただきました」
――改めて、土屋さんから見た原監督の印象にはどのような変化がありましたか?
土屋 「原監督とは以前ご一緒した際から、すごく気さくで年齢差を感じさせないように話しかけてくださっていました。今回も、監督が作り出すリラックスした空気のおかげで、前回と変わらず自由に演じることができています。絶対に素晴らしい映像ができあがると確信していますし、スタッフの皆さんも素晴らしい技術を提供してくださるので、完成を楽しみにしています!」

――間宮さんと土屋さんの共演は約7年ぶりということですが、久々にお会いして最初に感じたこと、交わした言葉などを教えてください。
間宮 「以前共演したのは何年前だった?」
土屋 「7、8年前ぐらいかな」
間宮 「7年かあ。あの時はとにかく体を動かして、声を張りながら部活みたいな撮影をしていたので、再会してやっぱり大人になったなと(笑)」
土屋 「そうですね(笑)。当時演じていたのは犬猿の仲のキャラクターだったのですが、お芝居とはいえ初対面で強く当たるのは少し遠慮してしまう部分があるじゃないですか。でも、間宮さんが最初から『祥太朗って呼んで』と、すぐに壁を越えてきてくださって、それがすごくすてきだなと思いました。一緒に撮影している時の関係性や、役にも自然とにじみ出てくると思うので、そういう関係の築き方ってすごく大切だなって。間宮さんはお芝居でも、ぶつかった分だけしっかり返してくれる方で、それこそ共演者を“たきつける“ような役者さんだなと思います」
――再共演を経て、お互いの役者としての印象や“呼吸”のようなものに違いはありましたか?
土屋 「前回はバチバチと対立する仲間という役柄だったので、テレビで拝見すると、なんだか幼なじみのような気分になりますし、毎回お会いするのがうれしいです。今回は弁護士役として間宮さんがどんな表情を見せるのか、すごく楽しみにしています(笑)」
間宮 「太鳳が演じる美咲からは、キャラクターのこれまでの苦労や我慢がにじみ出ていて、その感情や哀愁が感じられるんです。出会いのシーンを撮った時には、美咲がどんな生活をしてきたのか、どういった人なのかが匂い立ってくるようで、とても印象的でした。同シーンでは、美咲が自転車に乗って登場するのですが、前作でも自転車に乗るシーンがたくさんあったので、ちょっとした重なりを感じて面白かったです」
土屋 「私も同じこと思ってた! でも、前とはまた違う自転車だなって(笑)。前回はものすごくスピードを出して走って、大変な撮影だったけどいい思い出ですね」

――原監督から見たお二人の現場での様子、印象的だった点があればぜひ教えてください。
原 「間宮くんはお芝居に対してとても誠実で、こうしたいという思いをお互いに共有できるので、コミュニケーションを取っていて気持ちいいですし、楽しいです。太鳳ちゃんには、本当に念願がかなって出演してもらっているので、また違った一面を見られるのがうれしいです」
間宮 「原監督とは本当にたくさんコミュニケーションを取らせてもらっていて、僕もそれが楽しいです。ちゃんと意思確認をしながら一歩一歩撮れている感触があって、とても充実しています」

――ここまでのお話からも、撮影現場の和やかな空気が感じられます。実際の現場の雰囲気はいかがでしたか?
原 「僕の視点から見ていると、撮影現場の空気はとてもフラットで、間宮くんが誰に対しても気さくに話している様子がうかがえます。イグナイトメンバーは待ち時間も楽しそうで、それだけ空気感がいいんだろうなと感じます」
間宮 「そういえば、クランクインの日のお昼休憩以降から、早速初日感がなくなっていました。初日って独特の緊張感やお互い探るようなところがありますが、それが割とすぐなくなっていた気がします」
土屋 「仲村トオルさんもすごくひょうひょうとしながらも、面白いことを言ってくださって、上白石萌歌ちゃんも『人見知りなんです』と言いつつ、持ち前の明るさと遊び心で盛り上げてくださっていて、私も仲間に入りたい! って思わされています(笑)」

――それでは最後に、本作の見どころや視聴者へのメッセージをお願いします。
間宮 「もちろん全部見てほしいですが、やはりイグナイトメンバーをかっこいいな! って思ってもらえるのが第一歩だと思っています。その魅力や作品のスケール感で視聴者の皆さんの心をつかみつつ、物語が進む中でさらに共感や感動を届けられたらうれしいです」
土屋 「本作では、見えないところで叫んでいる思いについて言葉にするまでの過程を大切に描いていく作品です。法廷でのかっこいい長ゼリフもたくさんあると思うのですが、それだけでなく、登場人物同士のつながりを深く掘り下げた人間ドラマも見どころです。心温まる瞬間も多く、ハートフルな作品となっています」
原 「イグナイトチームの活躍やかっこよさは、間違いなく本作の見どころの一つですが、リーガルドラマでありながらアクションの要素も取り入れている点がユニークです。映像的な見せ場はもちろん、各話に登場するバラエティー豊かなゲストキャストにも注目していただければ。これは本当にリーガルドラマなのか? と、少し違った視点で楽しんでいただければうれしいです」
新米弁護士・宇崎と、初めての依頼人となる美咲の出会いから動き出す物語。静かに火種を抱えた者たちの想いが交差する第1話が、金曜の夜にどんな衝撃を与えるのか? これまでにない切り口で描かれる新感覚リーガルドラマとして、今後の展開にも期待が高まる。

【番組情報】
イグナイト -法の無法者-
4月18日スタート
TBS系 毎週金曜
午後10:00~午後10:54
文/TVガイドWeb編集部
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