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松本怜生が「対岸の家事」で出会った家族のかたち「悩んでいる人がいたら支えたい」2025/04/15

松本怜生が「対岸の家事」で出会った家族のかたち「悩んでいる人がいたら支えたい」

 TBS系では、火曜ドラマ枠で多部未華子さん主演の「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」(火曜午後10:00)が絶賛放送中。本作は、2019年にドラマ化された「わたし、定時で帰ります。」の著者・朱野帰子氏が描く新たなお仕事小説「対岸の家事」(講談社文庫)をドラマ化。専業主婦になることを選んだ村上詩穂(多部)が、ひょんなことから働くママや育休中のエリート官僚パパなど“対岸にいる人たち”と出会い、交流していく姿を描く。

 今回は、長野礼子(江口のりこ)が所属する総務部の同僚・今井尚記を演じる松本怜生さんにインタビュー。仕事とプライベートをきっちり分ける今どきの若手社員で、子どもの都合でよく早退する礼子の仕事を肩代わりさせられることに不満を持っている。そんな今井を演じる松本は本作とどう向き合っているのか。演じる中で意識していることなどを聞いてみた。

松本怜生が「対岸の家事」で出会った家族のかたち「悩んでいる人がいたら支えたい」

――脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?

「現代における子育てや少子高齢化が進んでいる理由として、子どもを優先することが良くないという風潮があることに、脚本を読み進めていくうちに気付き、驚きました。そういった環境の中で子育てをするために戦っていく登場人物たちを見て、『かっこいいな』『すごいな』と感じました。その一方で、もっと多くの人にこの現実を知ってほしいですね。今、どこかで同じような思いをしている人がきっといる。その人たちの思いがこの作品を通して多くの人に伝わったらいいなという気持ちが強くなりました」

――松本さんは現在24歳。周りもまだ家庭を持っていない方も多いと思うので、子育てする上で声を上げにくい環境にあることに気付いていないかもしれませんね。

「確かに、気付いていないかもしれません。それに、最近は結婚願望がない若者が増えていると言いますよね。きっと仕事に追われていたり、プライベートが充実していたりと、さまざまな選択を取れる環境だからかもしれません。子育てに対しても、僕らの世代は“喜ばしいこと”として捉えるより、“過酷なこと”という印象を持っている人が多いと思います」

――本作では、<専業主婦><働くママ><育休を取り子どもと向き合うパパ>たちが登場します。撮影が進む中で、認識の変化などありましたか?

「母親が専業主婦だったので、1話で出てきたような“専業主婦は絶滅危惧種”のような感覚はありませんでした。それで言うと、育休(育児休業)を取ることが大変だとは思っていませんでした。そんな環境下であればきっと育休を取得するにも悩んでしまうだろうし、それらの不満から八つ当たりしてしまうようなこともあるんだろうなと。もし僕の身近にそういう悩みや不満を抱えている人がいたら、積極的にサポートしたいですね。本作での経験が今後の自分に生きたらいいなと感じています」

松本怜生が「対岸の家事」で出会った家族のかたち「悩んでいる人がいたら支えたい」

――今井を演じるにあたって意識したことはありますか?

「今井は長野さんに対して、他の人が言いにくいようなことも言えてしまうようなキャラクターです。そのあんばいが難しく、最初の頃は少し生意気な感じに見えてしまい、監督さんと相談しました。あまり口調がきつ過ぎないように、『リスペクトを持たせたい』という監督さんからのリクエストを意識しつつ、かわいらしい後輩になるように調整しています。実際に江口さんが演じる長野さんと対峙(たいじ)することによって、僕の中でどんどん今井という役が形になっています」

――第3話では礼子の妄想でさまざまな今井が登場しますね。

「長野さんに今井はそう思われていたんだと思うような、突飛なシーンがあります。今井はギャグ線が高いキャラクターではないと思っていたのですが、意外と少しずれたことを言ったりすることもあって…(笑)。近い距離で長野さんをにらみつけながら声を荒らげるところでは、『大きい声を出すのでうるさいかもしれません』と言ったところ、『平気だよ』と言ってくださったので思いっきり演じきりました。そういったシーンは新鮮でしたし、普段の今井とのギャップもあって楽しかったです」

――江口さんの印象を教えてください。

「江口さんはとても優しい方です。僕からすると大先輩なので、なかなか自分から話しかけることが難しいのですが、江口さんから関西弁で話しかけてくれたりするんです。『今日、寒いやんな』『ダンスは踊れるん?』とか、たわいのないことですが温かい気持ちになります。江口さんのおかげでリラックスして役に集中できているので、感謝しています」

松本怜生が「対岸の家事」で出会った家族のかたち「悩んでいる人がいたら支えたい」

――松本さんは大学進学と共に実家を出られて1人暮らしをされていますが、その中で驚いた家事は何でしょうか?

「一番驚いたのはゴミ出しです。1人暮らしを始めるまでは、ゴミはゴミ箱に捨てれば良かったんですけど…。曜日ごとに出せるゴミが異なり、分別も必要で、家中のゴミをまとめる作業が面倒だと気付きました。掃除は好きで一気にやるタイプですが、ゴミ出しは本当に嫌いです(笑)」

――掃除やゴミまとめはスイッチが入るとやれるタイプですか?

「スイッチが入るとやりますね。掃除をすると、翌日が気持ち良く過ごせるので、やりたくなるんですが、仕事の前日には掃除をしたくないんですよね(笑)。あまり物を動かすことがないので、服が散らかってきたら片付けるようにしています」

――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「多部さん演じる詩穂を見ていると、つらいことでも乗り越えられるヒントが得られるかもしれません。立場に関係なく、人間関係などで悩んでいても、きっと解決策があるのではないでしょうか。この4月から新生活を迎えた人たちにとっても、応援になるような作品です。きっと自分の行動を変えるヒントが見つかるかもしれないので、ぜひご覧ください」

松本怜生が「対岸の家事」で出会った家族のかたち「悩んでいる人がいたら支えたい」

【第3話あらすじ】
礼子(江口)の娘・星夏(吉玉帆花)がおたふく風邪にかかり、仕事を休めない礼子に頼まれ詩穂(多部)が星夏を預かることに。苺(永井花奈)と星夏が仲良く遊ぶ姿にほっこりしながら楽しく1日を過ごす詩穂。しかしそれを聞いた中谷(ディーン・フジオカ)から「他人の娘を預かるのなら、きちんと対価をもらうべき」と忠告され、詩穂は思いもよらなかった言葉に驚く。一方、礼子は会社に星夏の看病のために数日間の休みがほしいと相談。いつも礼子の仕事を肩代わりしている今井(松本)に嫌な顔をされるのではと気が気ではない礼子だったが、意外にも今井は礼子の仕事を引き継ぐことを快諾。数日後、無事に職場に復帰した礼子だったが、その矢先、今度は長男の篤正(寿昌磨)がおたふく風邪にかかってしまい…。

【番組情報】
「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」

TBS系
火曜 午後10:00~10:57


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