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最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】2025/03/20

最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】

 昨年11月に5周年を迎えたアプリゲーム『魔法使いの約束』(通称『まほやく』)。21人の魔法使いと心をつなぐ育成ゲームで、現在までに700万以上ダウンロードされている。今年1月より放送中のTVアニメは、ゲームのメインストーリー第1部を軸に展開。魔法使いと人間が共存する世界を舞台に、異世界から召喚された真木晶が、21人の『賢者の魔法使い』と共に世界を救う姿が描かれる。アニメのクライマックスを前に、魔法使いのアーサー役・田丸篤志、同じく魔法使いのムル役・仲村水希、賢者・真木晶役の花守ゆみりによるスペシャル座談を前後編でお届け。前編は、アニメの反響やアフレコ時の“『まほやく』あるある”などをテーマにおくる。

――2023年11月のアプリゲーム4周年のタイミングでアニメ化が発表され、25年1月より放送が始まりました。発表から放送までの期間は、あっという間でしたか。それとも長く感じられましたか。

田丸 「発表からは長かったですね。情報やビジュアルが解禁されるところに何度か立ち会わせていただいたのですが、少しずつしか情報を出せなくて。賢者様よりは多少早いかもしれませんが、僕もほとんど知りませんでした」

仲村 「僕もすごく長く感じましたね。アニメ化の情報は発表前から知っていて、うれしいなとは思っているわけですが…。僕は個人的に“夏休み理論”というものを提唱していまして」

花守 「夏休み理論…?」

仲村 「夏休みを待つ間は時間がたつのが遅くて、あと2週間もあるのか~と思うのですが、いざ夏休みに入ると、ちょっと待ってもう8月30日? あと1日しかない! となる、あの現象です(笑)」

花守 「確かに…!」

仲村 「だから4周年のタイミングでアニメ化が発表されて、収録が始まるまでは本当に始まるのかなって現実味がない状態になって。でもいざ収録日が決まって本番が始まったら、とり終わっちゃった…寂しいなって。寂しがっている間に今度は現実が盛り上がって、もうすぐ放送か~とだんだんワクワクして…もう情緒が(笑)。だから待っている間は長かったけれど、すごく楽しかったですね。充実していました」

花守 「私はオーディションでアニメ化の話を知りました。もともと『魔法使いの約束』をプレーしていたので、オーディションを知った瞬間に『やります!』と即答しました。結果が出るまでは1カ月くらいだったと思いますが、毎日マネジャーさんに『まだかな?』って聞き続けて。だから結果を待っている間が一番長かったですね。結果が出てからは、あれよあれよとアフレコが始まって、あっという間にとり終わって、放送が始まって…今が人生の中で一番幸せかもしれないですね」

最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】

――早いもので、あと残り数話です。アニメの反響は皆さんに届いていらっしゃいますか。

仲村 「SNSでの反響はもちろん、事務所にお手紙を送ってくださる方も増えています。うれしいのが、もともと賢者様だった方に加えて、アニメで初めて知りましたという方も結構いらっしゃって。ムルが第1話で『あなたと友人になれたなら、私はとても嬉しい』というセリフを言うのですが、自分もとっても大事にしている作品の世界を好きでいてくれる…いとおしいものが同じということがとてもうれしいです」

最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】

田丸 「僕はSNSやお手紙に加えて、ラジオ(『魔法使いの約束ラジオ ~こちら魔法舎談話室~』)のパーソナリティーを担当しているので、メールを読ませてもらう機会が多くて。先ほど仲村さんがおっしゃっていたように、新米賢者様も結構多いですね。5年たっているゲームを新たに始めるのは、自分だったら追い付けないんじゃないかと思ってしまうのですが、アニメの良さというところから飛び込んでくれているのかなと。アニメ化によって『魔法使いの約束』が広がっていくことが、すごくうれしいですね」

――ラジオはどのくらいの頻度で収録されているのでしょうか。内容的にアニメの放送からあまりタイムラグがないように感じるのですが。

田丸 「2週に1度収録しているので、わりとすぐに賢者様のお声を頂戴して、僕らもそれについて話せるという新鮮さはありますね」

花守 「それは、うれしいですね…! 私はプレーヤーだったこともあり、受け入れてもらえるのかすごくドキドキでした。自分の中で、こういう賢者様であってほしいという晶ちゃんを演じさせていただいたのですが、全てが肯定的な意見であるはずがないということを念頭に置いている人間なので、しばらく(反応を)検索できずにいたんです。でも友人の賢者様たちが『びっくりするくらい受け入れられているよ!』と、わざわざXのコメントなどをスクショして送ってくれて…。すごくほっとしたのを思い出して、今またジワっときました。私は賢者様の数だけ、いろんな魔法舎があると考えていて。皆さんが魔法使いたちに思いをはせる一つの窓のような存在でありたいと思っていたので、たくさんの賢者様が良かったと言ってくださっているのを自分の目で見られたのは、本当に良かったです。演じられて良かったと心の底から思っています」

――アフレコ初日の様子をお聞かせいただけますか。

田丸 「まだアーサーは登場していないので、第1話にいたのは…」

仲村 「ムルは賢者様の第一声を聞いていますね。全賢者様がイメージする晶の最大公約数のような感じで、すごいなと思いました」

田丸 「他のキャストさんも同じことを言っていましたよ」

花守 「(拍手しながら)うれしい! …最大公約数!」

仲村 「決して無個性というわけではなく、花守さんじゃないと出せない晶の良さを感じられて、これは相当役作りに難儀されたのではないかと…」

花守 「先ほどもお話ししましたが、魔法使いを見る一つの窓として、アニメの晶ちゃんの目を通してもらえたら、いろいろな人に楽しんでもらえるかなと。彼女の心の機微が、この物語に触れる方々の心を震わせるキーになると思ったので、皆さんのイメージと乖離(かいり)することなく、かつ彼女がきちんと彼女の意思で歩いていけるような子になればいいなと思いながら役作りをしました。台本にも明確な答えを書くのではなく、抽象的な言葉を周りに書いて、そこから想像できる言葉のつなぎ方を意識して。今回は、晶と話してくれる魔法使いの話をちゃんと聞くということを全体のテーマにしていました」

――それは花守さんご自身が考えて、導き出したものだったのでしょうか。

花守 「実は、晶のキャラクターに対してそこまでディレクションはなくて。現場で表現を相談することはありましたが、心の部分は任せていただきました。この作品において、モノローグの在り方は重要だと思ったので、どのようにアプローチしようかと考えた時に、晶が書いた“賢者の書”を誰かに語るナレーションのようにしたいと思い、現場のかずまこを先生にご相談しました。『いいと思います』とおっしゃってくださって、ほっとしたのを覚えています。自分が提案した晶を受け入れてもらえたので、逆にドキドキしてしまって…背筋がピッと伸びました(笑)」

最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】

――田丸さんが花守さんとご一緒になったのは、いつ頃でしょうか。

花守 「一応第2話ですかね…?」

田丸 「でも、第2話ではアーサーはまだ“青年”ですからね。名前も呼ばれていないので」

花守・仲村 「(台本を見ながら)本当だ!」

田丸 「僕がご一緒した時は、言い方が難しいですが“完成された晶”でした。もしかしたら第1話でいろいろあったのかもしれませんが、完成された中に僕が後から参加した状況でした。先ほど仲村さんがおっしゃっていたように、しっくり感じたところはいくつかありまして…ゲーム開始からずっといる賢者様というキャラクターに声がつくのは一大事なわけですよ」

花守 「一大事!(笑)」

田丸 「全ての魔法使いに影響がある中で、思っていたものと違った場合、晶への接し方を変えなければならないかなとか想像していたのですが、ゲームの時から全く変化がなくて」

――それってすごいことですね。思った通りの声だったという。

花守 「(小声で)…良かった」

田丸 「アニメになったことで無意識的な変化はたくさんあると思いますが、何も意識せずに掛け合いができたというのは、本当にすごい体験でした」

――この流れでお聞きしたいのですが、長く続く本作のような場合、新たなキャストを受け入れる時の現場の様子はいかがですか。

仲村 「新しい家族が増えたような印象でしたね。みんなウエルカムで」

花守 「先輩ばかりだったので、壁であろうと思いながら第1話に臨んだのですが、皆さんたくさんお話ししてくださって。一緒に頑張ろうねっていう空気を最初から作ってくださったので、変な緊張をすることもなく安心して臨めました。感謝してもしきれないくらい、心を支えてもらいました。(田丸と仲村に頭を下げながら)ありがとうございます」

田丸 「いやいや。確かに、先輩方がいてくれる心強さはありますよね。僕にとっても先輩がたくさんいらっしゃるので」

――ちなみに収録時の“『まほやく』あるある”のようなものはありますか。

一同 「え~なんだろう?」

花守 「あっ! ほとんどの回でカイン役の神原(大地)さんが隣で『まほやく』の話をしてくださいました!」

仲村 「神原さんのコミュ力、すごく高いんですよ!」

田丸 「人と話すのがお好きだとおっしゃっていました」

仲村 「僕は、長い作品で一緒になった初めての方が神原さんなのですが、すごく現場で話しかけてくださるんですよね。おかげで気が緩んで、リラックスして本番を迎えられた経験があります。まさに“リアルカイン”です」

最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】

花守 「(笑)。スノウ役の鈴木(千尋)さんも、たくさんお話ししてくださって」

仲村 「すごくユニークな方ですよね。すてきな先輩」

田丸 「イベントでMCを務められることも多くて、たくさん話してくださいますね」

花守 「何の話題を振っても10以上で返してくれる、言葉の魔法使いです!  感動して、いっぱいお話ししちゃいました」

田丸 「僕が気になっていたのは、花守さんがいつも現場に持ってきているドリンク」

花守 「…実は私、カフェイン中毒者で…現場に毎日温かいコーヒーを持参しています。飲みすぎると怒られちゃうので、1日3杯までと決めていて…」

仲村 「手放せないんだね」

花守 「そんなところを見られていたとは…震えが止まらないです(笑)」

田丸 「(笑)。他には何かあるかな…」

花守 「私、一つお聞きしたいことがあります。『魔法使いの約束』には絵本の一文のような独特な言い回しが結構あると思っていて。話し言葉とはちょっと違うような」

仲村 「うんうん。詩的な表現というか」

花守 「心に残るセリフだから、伝える時にどういうふうに言葉を紡いでいるのかなと気になっていました。決め過ぎると違うニュアンスに聞こえてしまうかもしれないし」

田丸 「確かに。『いいこと言ってやるぞ~』って感じは、おかしいですからね」

花守 「普段から使っているだろうなっていう話し方をしてくださるというか…」

仲村 「たぶん皆さん中身を理解して、素直に表現されているからですかね」

田丸 「言葉にもよりますが、ちょっと大事にしてあげるくらいのニュアンスでやっているような気がします」

花守 「ムルは哲学者の一面もあるので、話し方も設定的に理解できるし、そういうところが面白くて心に響くキャラクターだと思っています。アーサーは王子ですが、誰とでも対等に話してくれるキャラクターで、リケとの楽園のくだり(アニメ第5話)とか、人間として本当にすごいなって、感動して聞いていました」

田丸 「なかなか、あんな言葉出てこないですよね。アーサーは中央の国の王子だけど北の国に捨てられた経験があって、彼自身の中でいろんな考えを持っている。僕らには想像もつきませんが、その経験がなせるものってやっぱりあるのかなと。オズ様がちゃんと育ててくれなかったら、ひん曲がった子になっていたかもしれないと思いますね」

最終回直前! TVアニメ『魔法使いの約束』田丸篤志&仲村水希&花守ゆみりSP座談【前編】

仲村 「アーサーの表現の美しさは、やっぱりオズ様から来ているのかなと思います。超然とした存在というか…彼がかけた言葉がアーサーの中でちゃんと生きている」

花守 「現場で聞いていても、17歳のアーサーがなんでこんな言葉をかけられるんだろうと、田丸さんの背中を見ながら、私も晶ちゃんみたいに口が開いていましたね」

田丸 「アーサーは人生、何周かしていますよね」

 後編では田丸、仲村、花守がアニメ化によって新たに気付いた魅力や、繰り返し見たいシーンなどについて語る。

【プロフィール】
田丸篤志(たまる あつし)
2月27日生まれ。埼玉県出身。A型。主な出演作は「ハイキュー!!」「魔法科高校の劣等生」「刀剣乱舞 廻-虚伝 燃ゆる本能寺-」「ただいま、おかえり」ほか。Netflix映画「タイムカット」(日本語吹替版)が配信中。


仲村水希(なかむら みずき)
7月18日生まれ。福井県出身。AB型。主な出演作は「ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜」「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]」、「ちはやふる3」など。


花守ゆみり(はなもり ゆみり)
9月29日生まれ。神奈川県出身。O型。主な出演作は「ゆるキャン△」「よふかしのうた」「地獄楽」「ブルーアーカイブ The Animation」ほか。現在「想星のアクエリオン Myth of Emotions」などに出演中。

【INFORMATION】
TVアニメ『魔法使いの約束』
TOKYO MX
月曜 後10:00~10:30
BS-TBS
火曜 後11:30~深0:00
MBS
火曜 深3:30~深4:00

©coly/アニメまほやく製作委員会



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