Feature 特集

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」2025/03/09

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」

 松坂桃李が主演を務める、日曜劇場「御上先生」(日曜午後9:00)が現在放送中。本作は、“官僚教師”の御上孝(松坂)が、生徒たちと共に教育現場の現実に立ち向かい、大人社会の理不尽と対峙(たいじ)する姿を描いた大逆転の教育再生ストーリーだ。子どもが生きる「学校」、大人がもがく「省庁」という一見別次元にあるこの二つを中心に物語は展開。未来を夢見る子どもたちが汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実、そんな現実に一人の官僚教師と、令和の高校生たちが共に立ち向かう、教育のあるべき真の姿を描くこれまでとは一線を画した新たな学園ドラマだ。

 第7話(3月2日放送)では、ヤマトタケルから3通目のスキャンダルFAXが届き波紋を広げる中、文科省では津吹隼人(櫻井海音)が倒れ、それを目の当たりにした槙野恭介(岡田将生)は病院のベンチで目頭を押さえていた。文科省や御上に対して何らかの思いを持っている槙野は、御上の味方か敵か…。2人の関係性について考察が飛び交っている。

 今回は第8話(3月9日放送)を目前に、槙野を演じる岡田から後半の注目ポイントや撮影秘話などを聞いた。

明確なビジョンがある、新しい日曜劇場

――第7話で槙野の感情が揺れ動いたシーンは印象的でした。

「槙野がずっと抱えてきたトラウマをどこで出すか、第1話を読んだ時からずっと考えていたんです。まさに第7話は、彼の新たな一面を見せることができた素晴らしいタイミングでした。短いシーンでしたが、自分でも印象的にしたいといろいろ案を練っていたので、うまくいったかなと思います」

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」

――あらためて、ここまで撮影を振り返っていかがですか?

「今回、台本が最初の段階でほぼそろっていました。それは連続ドラマだとまれで、それだけ制作陣の伝えたいことが明確なんだなと。また、プロデューサーの飯田和孝さんからドラマを制作するにあたっての思いを聞いた時に、今、何かを変えていく変革期であるということがすごく伝わってきたんですよね。台本を読んだ時も、多種多様な連続ドラマがある中で一線を画すような、また違った新しい日曜劇場ができるなと実感しました」

――日曜劇場への出演が決まった時の心境もお聞かせください。

「純粋にうれしかったです。そして、桃李さんと同世代ということで、彼に加担できるといいますか、支えてあげられるかもしれないという思いもあって。飯田さんとは以前、日曜劇場『小さな巨人』(2017年)でお仕事をさせていただいて、そのつながりで今回またご一緒できるのもすごく楽しみでした」

――槙野として、役作りで意識していることをお聞かせください。

「槙野は教育というものに関してものすごく考えていて、表面上に見えるものと、内側に秘めているものがある熱いキャラクター。御上への嫉妬に関しても、同僚であり同期、誰よりも出世をしようとしている。そこに対して全くうそがないと思うんです。役柄を聞いた時、槙野は演じ方によって見え方が変わってしまう部分があるので、すごく難しい役をいただいたなと。ですが、最後まで物語の流れが分かっていたので、どの辺りまで心情を出すかなど、立ち振る舞いの見え方としてうそがないように計算してお芝居ができています。なので、無理に役を作り込むことは特にしていないです。今後、その嫉妬によって展開が大きく変わっていきますし、特に第8話は槙野にとっても大切な回になっていますので、ぜひ注目して見ていただきたいです」

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」

松坂桃李との再共演――“戦友”としての絆

――主演の松坂さんとは「ゆとりですがなにか」(16年)以来の共演になりますね。

「桃李さんとはプライベートでも仲良くさせてもらっていますが、共演するのは久しぶりということもあり、第1話の冒頭で2人が絡むシーンは特に印象的でした。今回の『御上先生』だからこそなのかもしれないですが、対峙した時に桃李さんからキャスト、スタッフみんなで本作を作っていこうという、このドラマに懸ける並々ならぬ思いを感じました。僕にとっても槙野にとってもこのドラマの大切な始まりでしたし、一番いい形でスタートラインに立てた気がします」

――松坂さんと以前ご一緒した時と印象の違いはありましたか?

「いろいろな現場で経験を積まれているので、以前共演した“松坂桃李”ではなかったです。それは現場で見ていても、対峙のお芝居をしていても感じました。すごくいい緊張感を与えてくれますし、僕も今まで経験してきたものを見せながら、役を通して会話できている感覚があります。同じ世代としていろいろな経験を共有してきた仲ですし、戦友といいますか、彼がいるから頑張れる部分があるので、実際には同期ではないのですが、御上と槙野と桃李さんと自分の関係性が少し重なる部分があるのかなと思います」

――プライベートで長く交流があるお二人だからこそできる表現や、関係性がお芝居に生きていると感じる瞬間はありますか?

「やっぱり、初めましての方とは出せない空気感はありますよね。心を許していて、お互い築き上げてきたものを出せる関係性は作品にもつながってくると思うので、今回それがすごく生きているなと。だからこそ恥ずかしさもあったりします」

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」

――及川光博さん演じる塚田幸村との関係性も気になるところです。

「及川さんとも久しぶりの共演でした。今回、お互いに腹の底が見えない部分がある役柄で、2人で対峙するシーンが多い。その中で、及川さんとは深くお芝居の話をするわけではないので、そこが見えないからこそすごく絶妙な距離感で撮影ができているのかなと思います」

――日曜劇場ならではだと思う、現場の雰囲気もお聞かせください。

「スタッフや監督とどう作っていくか、常に話し合っていますし、撮り方やお芝居の変更なども皆さんアグレッシブに対応されている印象です。現場に安心して行けるのはもちろん、いい緊張感で作品に挑めているので、自分にとってもすごく刺激的な現場になっています」

――生徒役の皆さんからも刺激を受けたことはありますか?

「現場や放送を見ていていると、彼らから本作に懸ける思いやお芝居が好きということがものすごく伝わってきて、これから第一線で活躍していく人たちなんだろうなと感じています。また、桃李さんとも『彼らは、われわれが20代の時よりも作品や役と真摯(しんし)に向き合っていて、すごく輝いて見えるよね』と、よく話しています。待ち時間の際も、生徒役の方々がお仕事の話や役との向き合い方などを質問してくれるので、全力で答えてあげたいなと思っています」

――特に印象的な生徒役の方を挙げていただくと?

「次元賢太役の窪塚愛流くんかな。彼は、目が離せないぐらい人間性がとてもかわいらしくて、魅力的だなと思います」

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」

物語の核心へ――槙野と御上の関係性

――視聴者の方々からは「槙野は御上側なのでは?」と、考察が飛び交っていますね。

「一つ言えるのは、官僚という仕事に就くことに関して皆さんいろいろな野望を持たれていると思います。その中で、槙野と御上に関しては先を見据えている人たちなんだろうなと感じているので、そこを頭に入れながら後半も見ていただけたらうれしいです」

――このドラマのテーマでもある“教育改革”について、岡田さんはどのようにお考えでしょうか。

「僕自身の中でも“教育改革”について考えることがすごくありました。次にどういう行動を起こすべきか、皆さんの考えを共通認識していかなければいけないと思っています。あらためて、本作から『最後まで考える力がとても大切』ということに気付かされました。最終話にはそれが全て詰まっている気がします」

――では、終盤に向けて見どころをお願いします!

「後半で槙野が抱えていたことが全て明かされていくので、第1話から追い続けてくれている方にはより響くのかなと思います。何より今回の主役は生徒たちでもあるので、作品のことや役のことに真摯に向かっている彼らの姿を最後までぜひ見届けてあげてほしいです」

「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」
「御上先生」岡田将生が松坂桃李への思いを明かす「御上と槙野と少し重なる部分が」

【プロフィール】
岡田将生(おかだ まさき)
1989年8月15日生まれ。東京都出身。最近の出演作は、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジテレビ系=関西テレビ制作/2021年)、「錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜」(テレ東系/24年)、「ザ・トラベルナース」シリーズ(テレビ朝日系/22・24年)、映画「ゆとりですがなにか インターナショナル」(23年)、「ラストマイル」(24年)などがあり、「ゆきてかへらぬ」が現在公開中。

【番組情報】
日曜劇場「御上先生」
TBS系
毎週日曜 午後9:00~9:54

取材・文/N・E(TBS担当)



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