髙橋海人「子ライオンのように挑んだ」、小日向文世主演「わが家は楽し」で山田洋次の熱血指導に奮闘2025/03/07

TBS系で、3月13日放送のドラマ特別企画「わが家は楽し」(午後9:00)の制作発表会見が行われ、主演を務めた小日向文世、共演の戸田恵子、髙橋海人(King & Prince)、山田杏奈、そして、石井ふく子プロデューサーが出席した。
「わが家は楽し」は、映画「男はつらいよ」シリーズをはじめ、多くの名作を手がけてきた山田洋次氏がオリジナル脚本を手がけ、同局の「渡る世間は鬼ばかり」など数々のホームドラマを世に送り出してきた石井氏がプロデューサーを務める珠玉のホームドラマ。仕事一筋で生きてきた父・平山幸之助(小日向)と、その妻・史枝(戸田恵子)、長男・和夫(髙橋)、長女・遥(桜井ユキ)らが紡ぐ家族の絆を、笑いと涙、そして哀愁たっぷりに描いていく。山田杏奈は、和夫の恋人・美鈴役を演じている。

まずは、石井プロデューサーが「この作品は私が大好きなホームドラマの一つとして、皆さんとお話できることを大変うれしく思います。出演者の皆さんと共に制作発表を迎えられたことに感謝いたします」とあいさつ。また、「私はひとりっ子で、きょうだいの心のつながりを持ったことがない。だからこそ、家族というものを描きたいという思いがありました。家族との関わりが薄れていく今だからこそ、こういう家族がいてもいいのではないかと思いながら、この作品を作りました」と、作品への思いを吐露した。
さらに、山田洋次氏へのオファーについて「最近はテレビの仕事はあまりされない方ですが、山田さんなら家族の心を丁寧に描いてくれるのではないかと思いました。最初は断られることを覚悟していましたが、『あんたがやるならやるよ』と言ってくださった。そこから『家族のつながり、家族がどう思っているかを描こう』と話し合いながら作り上げていきました」と明かした。

小日向は、「定年退職を迎えた幸之助が、妻の言葉や息子の恋人の存在を通じて成長していく物語です。石井さんと山田洋次さんがタッグを組んだホームドラマに参加できたことは本当に光栄。見てくださる方々の心に響く作品になれば」と述べた。また、石井作品への初参加について「子どもの時に、山田さんと石井さんがタッグを組んだホームドラマを見ていて、そこから60年たってまさか自分がその作品に出られるとは夢のようでした。父親役はこれまでも演じてきましたが、ここまで妻との葛藤が描かれるのは初めてでした。長回しの撮影が多く、山田さんの脚本のセリフを身体に染み込ませながら臨みました」と当時を思い返した。
さらに、本読みの際の経験についても触れ、「冒頭のシーンでタクシーの運転手役の角野卓造さんに話しかける場面で、『君、違うよ。どういうつもりで言っているのか』と山田(洋次)先生に鋭く指摘されました。その後も次々と駄目出しを受け、主演として皆さんの前で指摘されるのが正直恥ずかしかったです。でも、その後、キャストの皆さんも次々と駄目出しを受けていて。それだけ山田先生のエネルギーがすごくて、本読みやリハーサルもすさまじかった」と強調した。

戸田は、「ホームドラマに縁があまりなかったのですが、小日向さんとの夫婦役は頼りになる存在でした。長年の仲なので最初は照れましたが、次第に役に入り込めました。ワンシーンがとても長く、集中力が必要で、移動中やお風呂でもセリフのことばかり考えていました。本当に大変でした」と撮影の苦労を打ち明けると、石井が「ごめんなさいね」と声をかけ、戸田は「それが私たちの仕事なので」と笑顔を見せた。また、「私には1mmもない奥ゆかしさを求められました。扉を開けるシーンで、山田さんから『もう少し静かに開けて』と指導を受けたことで、自分は普通に開けたつもりでも、意外と勢いがあるんだと勉強になりました」と笑った。

髙橋は、「和夫は家族にも自分にも甘えて生きてきましたが、両親の離婚話をきっかけに価値観を見直していく役です。撮影前に石井先生や山田洋次先生の過去の作品を見て、日本の映像文化の歴史を改めて感じました。現場では山田さんの思う若者像と自分の考えの擦り合わせが難しく、試行錯誤の連続でした」とコメント。また、「和夫は純粋で真っすぐなところが愛されやすいけれど、逆になめられやすい部分もある。けれど、それがまたいとおしく思えてくるところが魅力なんです」と役柄の印象を語った。
すると小日向は、「全然なめられてはいないですよ(笑)。現場では、海人くんが山田さんに何度も駄目出しを受けていて、山田先生のねちっこい指導にもめげずに応えている姿がほほ笑ましく、現場を和ませてくれました」と当時の様子を描写した。
髙橋は、「本読みの時、小日向さんもおっしゃっていましたが、一つ一つのセリフに駄目出しが入る。自分の持っていたものがすべて覆されるような感覚で、『なるほど…全部違うんだな』と気付かされました。そのたびに『どうにか山田(洋次)さんに認めてもらいたい』という気持ちになり、何を言われても立ち向かいました。現場から見たら、まるで子どものライオンみたいだったかもしれません。でもこの経験は、今後に生かされると思います」と撮影を通じての成長を表現した。
石井は、「山田(洋次)さんがそばにいて立ち上がると、何をおっしゃるか分からないので、『あんまりいびらないでね』と伝えたら、『いびってるんじゃなくて良くしてるんだよ』とおっしゃっていました。そういうふうに作家が一生懸命向き合った結果、素晴らしい作品になったと思います。髙橋くんも本当に頑張りましたね」とねぎらった。

続いて山田杏奈は、「美鈴は和夫の恋人で、平山家の問題に直面しながらも自分の意見をはっきり持つ女性です。家族とは何かを問いながら関わっていく彼女を演じるのは、とても興味深い経験でした」とコメント。劇中登場するサッカーのシーンについては「台本を読んだ時からいいシーンだと思っていました。サッカー経験がなかったので、練習を重ねましたが、途中で脚本が変更され、サッカーがうまい設定になっていて焦りました(笑)。『ボールは友達』まではいかなかったですが、『親戚』ぐらいにはなれたかな(笑)。本番では工夫を重ねながらすてきなシーンになったと思います」と制作過程を振り返った。
また、現場での山田洋次氏について髙橋から聞いていたという山田杏奈。山田洋次氏とのやりとりでは、「居酒屋のシーンで初めて山田さんとご一緒しました。最初の『こんばんは』という一言の発声を何度も指導され、まるでバイトの研修のような気分でした。現場であそこまで時間をかけてもらうということが少ないので、すごく勉強になりました」と学びある時間だったと回顧した。
山田洋次からの駄目出しにキャスト全員が悪戦苦闘する中で、自然と家族のような絆が生まれたという戸田は、「撮影中に髙橋くんは歌の仕事もあり、大変だったと思いますが、全員で支え合っていました」と述べ、髙橋も「撮影日数は8日間でしたが、ひと冬を捧げた感覚でした。すごく濃くて、忘れられない宝物のような時間でした」としみじみと心境を明かした。

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